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ロンドンから日帰り旅。古都チェスターで感じるイギリス中世の世界

  • 2021.9.22
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イギリス随一の城郭都市、チェスター。城壁でぐるりと囲まれた旧市街地は、歴史的価値の高い建造物が建ち並び、まるで当時へタイムスリップしたかのような気持ちを味わわせてくれます。

ロンドンから片道約2時間とアクセスがよく、日帰り旅にももってこい。一味違ったイギリスの歴史を感じながら町歩きを楽しめる、おすすめのスポットです。夏も終わり、涼しさを感じるこれからの季節にもぴったりな、異国情緒の溢れる美しい町並みの様子をぜひ覗いてみてください。

古都チェスターでイギリスの歴史に触れる町歩き

イングランド北西部に位置する都市チェスター。その昔、古代ローマの軍事要塞であったチェスターは、イギリス随一の城郭都市として知られています。

特に町の中心部である旧市街地は、ローマ時代からぐるりと城壁で守られており、保存状態も非常に良く、まるでここだけ時が止まっていたのかのように錯覚するほど。

歴史的に価値の高い建造物も多く、ロンドンとは一味違った、歴史の名残を肌で感じることができるスポットが点在しています。

小さい町でありながら、「遺産都市」と呼ぶにふさわしい見所に溢れた観光名所です。

イギリスの大都市ロンドンから電車を使って片道約2時間と、アクセスが良いのも魅力の一つ。

ロンドンの「ユーストン駅」からチェスターの「チェスター駅」までは、なんと電車で1本で到着します。乗り継ぎもないのでのんびりと電車の旅を楽しめて安心です。

ローマ時代から続く城壁都市を歩く(City walls)

イギリスの城郭都市の中でも保存状態が良く、イギリスで最も「完璧」な城壁と言われている城壁。

旧市街地をぐるっと取り囲むように作られ、その距離は3キロメートルにも及びます。

現在は城壁の上を歩けるようにしっかりと舗装されており、観光客はもちろん、地元の人たちの散歩コースとしても親しまれています。

舗装された道はとても歩きやすく、のんびり歩いても1時間もあれば城壁をぐるりと一周することができました。

チェスターの主要観光スポットはもちろん、風情ある町並みを眺めることができ、チェスターの町の雰囲気をゆっくり楽しめます。

歩く場所によって違った魅力に触れられるウォーキングコースです。

城壁にはいたるところに歴史について記された案内板が設置されているので、歴史を学びながらのんびりとお散歩をするのもいいですね。町並みを眺めたり、歴史に触れたり、食後の運動がてら気軽にお散歩をしてみたり……自分に合った過ごし方を満喫できます。

写真を撮るならここ!「イーストゲート時計塔(Eastgate and Eastgate Clock)」

チェスターに訪れた人が必ず足を運ぶと言っても過言ではない「イーストゲート時計塔」。町の中心部に位置します。

ロンドンの観光名所「ビックベン」に次いでイギリスで最も写真を撮られた時計塔と言われるほど人気で、今もなお多くの観光客が写真を撮る姿が見られます。

このイーストゲート時計塔は、ヴィクトリア女王の即位60年を記念して1897年に作られました。シティーウォール上にあるため、時計塔を近くで鑑賞できるのもうれしいポイント。

近くで見ても、細部まで美しい装飾と派手やかな色合いに目が奪われます。

町のメインストリートを一望でき、写真スポットとしても人気です。

2000年の歴史を誇る、チェスター大聖堂(Chester Cathedral)

チェスターを訪れたら欠かせない観光スポットがここ、「チェスター大聖堂」。観光客のみならず、地元の人からも愛され続ける町のランドマークです。

赤みの強い赤色砂岩で作られた見事な外観は、思わず目を奪わるほどの存在感。

この赤色砂岩は、この地域一帯で産出されており、チェスターの町の住宅にもよく使われているため、町全体に統一感が生まれています。

もちろん、外観だけでなく内部の美しさも圧巻です。

2000年以上もの歴史を持つチェスター大聖堂は、ノルマン様式やゴシック様式など、さまざまな建築様式が混在しているのが特徴です。

色鮮やかで美しいステンドグラスだけでなく、細やかなデザインが施された身廊の木造天井も見どころ。2000年以上もの歴史が詰まっていると思うと感慨深いものがありますよね。

そして、チェスター大聖堂を訪れたら忘れずに訪れたいのがこの中庭。

ベンチでは、読書をしたり、のんびりと日向ぼっこを楽しんだり、会話を楽しんだりしている人たちの姿があり、地元の人たちの憩いの場として親しまれているのがわかります。

見どころだらけのチェスター大聖堂、なんと入場料が無料というから驚きです。

まるで映画の世界、ザ・ロウズ(The Rows)

チェスターの町を歩いていてよく見かけるのが、モノクロの可愛らしい建物。チェダー様式を用いた木造建築「ザ・ロウズ」です。

チェスターの木造建築で最も有名な建物と言われるロウズは、チェスター中心部の主要なショッピングストリートであるウォーターゲート、イーストゲート、そしてブリッジストリートに沿って伸びています。

初めて訪れる方は、「チェスタークロス」という銅像を目印にするとわかりやすいかと思います。

ゴシックデザインを少しずつ変化させて生まれたスタイルのチューダー様式は、イギリスで古くから伝わる伝統デザイン。

モノクロのカラーがよりデザインの細やかな美しさを際立たせると同時に、全体的にどこかレトロで可愛らしい印象を与えています。

石畳の道ともマッチして、まるで映画のセットのような景観。ついつい写真を撮りたくなりますよね。

中でもイーストゲートはチェスターの主要なショッピングストリートで、ユニークなお店から有名店までさまざまなお店が軒を連ねています。

700年以上も前に建てられたショッピングモールには現在もお店が入っているので、ここでお買い物をすることができちゃいます。

長い歴史を感じる建物と反して、入っているショップはどれも「今時」のおしゃれなお店。そのギャップもたまりません。

映画の主人公になった気分で、写真撮影や町歩き、お買い物を楽しめるスポットです。

風情あふれる「オールドディーブリッジ(Old Dee Bridge)」

市内で最も古い橋として知られているのがここ、「オールドディーブリッジ」。ローマ人によって建てられ、1387年に再建されて現在の姿となりました。

先ほど紹介したロウズの立ち並ぶストリートの一つ、「ブリッジストリート」をディー川に向かって歩くと到着します。

お天気のいい日は、ディー川沿いをのんびりとお散歩するのもいいですよね。

オールドディーブリッジから外壁を登って町の中心部まで歩くこともできるので、外壁散策のスタート地点としてもおすすめです。

また、チェスターの町には至るところにパブがあるので、川沿いで休憩がてらお昼から一杯、なんて大人な楽しみ方もできますよ。自分なりの、そして旅先ならではの贅沢を探すのも楽しいですよね。

歴史の名残を感じる「チェスターローマンガーデン(Chester Roman Gardens)」

ローマ時代の名残を深く感じられるのがここ、「チェスターローマンガーデン」。

ローマ帝国時代の遺跡が集められていたり、かつての入浴場の跡地が残っていたりと、歴史を肌で感じられる場所です。

このように説明看板も設置されているので、当時の様子を想像して楽しめます。

知っておくと便利。荷物を預けたいなら「loyd of chester hotel(ロイズオブチェスター ホテル)」

チェスターは日帰りでも十分に楽しめる小さい町であり、人気観光地のウェールズとイングランドの境に位置するため、電車を途中下車してサクッと見て回る方も少なくありません。

そこで起きるのが荷物問題。日本のようにコインロッカーの文化が浸透していないイギリスでは、荷物を置いて観光することができないため、旅の途中にふらっと立ち寄っても、大きな荷物を抱えての町歩きになってしまいがちです。

特にチェスターは石畳の道が多く、キャリーケースを引いて歩くのは一苦労……。筆者も旅の途中で立ち寄ったため、重たいバックパックを背負って町を歩いたり、写真のたびに荷物を置いたりするのがストレスでした。

しかし、チェスターには荷物を預かってくれる宿泊施設が存在します。それがここ、「ロイドオブチェスターホテル」。駅からもほど近く、観光スポットが固まる中心部に行くまでの道のりで預けることができるのでとても便利です。

荷物の引き取りの際に現金での支払いになるため、小銭を用意しておくことをおすすめします。

古都チェスターでタイムスリップ

イギリスの歴史ある町並みを楽しめるチェスター。ロンドンとはまた違った、チェスターならではの情緒が溢れる町は、中世の世界へタイムスリップした気持ちにさせてくれます。

城壁をのんびりとお散歩して、素敵な景観をたくさん写真に収めながら、至る場所に散りばめられたローマ時代の歴史に触れて……。自分ならどう巡ろうかイメージを膨らませて、次の旅へのワクワクを高めていただければ幸いです。

All photos by Kana Kawahata

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