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ランニング後の糖質補給には、甘いスポーツドリンクよりもバナナを選ぶべき理由

  • 2021.9.21
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科学情報誌『PLOS One』掲載の論文によると、ランニング後のリカバリーには、スポーツドリンクよりバナナのほうが効果的。バナナとスポーツドリンクの効果を比較した研究チームは、バナナにスポーツドリンクと同等、あるいは、それ以上の抗炎症作用があることを突き止めた。詳しく見ていこう。

この研究では、日頃からロードレースに出場している22~50歳の男女20名のサイクリストが75kmのレースで複数回競い合った。1回目のレースでは普通の水が支給され、それ以外のレースでは、普通の水にプラスしてスポーツドリンク230mlかバナナ1/2本が30分おきに配られた。

レース後に検査をすると、水だけを飲んだサイクリストは血液中の炎症の数値が比較的高く、バナナかスポーツドリンクを摂取したサイクリストは、この数値が圧倒的に低いという結果になった。また、バナナを食べた参加者の体内では、炎症を悪化させるCOX-2(シクロオキシゲナーゼ2)という酵素の前駆体が作られにくいことも分かった。

この論文の筆者で米アパラチアン州立大学ヒューマン・パフォーマンス研究所ディレクターのデイヴィッド・ニーマン博士によると、バナナの代謝産物(代謝によって生じる物質)は、運動後の体内の炎症を悪化させるCOX-2の遺伝子を「ノックダウン」させるのに役立つ。運動による筋肉痛を鎮痛剤で抑えるのは好ましくないけれど、「このCOX-2遺伝子は、アスピリンとイブプロフェン(などの鎮痛剤)が作用するのと同じ遺伝子」なので、鎮痛剤を飲んだときと同じ効果が見込める。

この研究の中でニーマン博士は、バナナによってランニング後の筋回復が早まることも突き止めた。「スポーツドリンクが効果的なのは間違いありません。でも、バナナとスポーツドリンクの糖の構造はほぼ同じですし、バナナには、スポーツドリンクには含まれない糖以外の栄養分(ビタミンC、ビタミンB6、食物繊維、その代謝産物)も含まれています」

そう聞くと、やっぱりバナナを愛さずにはいられない。

※この記事は、ランナーズワールドから翻訳されました。

Text: Runner’s World Translation: Ai Igamoto

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