1. トップ
  2. グルメ
  3. 昭和初期の洋館でモダンなひとときを/国立「カフェおきもと」

昭和初期の洋館でモダンなひとときを/国立「カフェおきもと」

  • 2021.9.19
  • 1600 views

JR国立駅から歩いて8分ほど。高台にある雑木林と竹林に囲まれた約600坪の敷地に入っていくと、季節の草花がまぶしく揺れる庭が広がり、アーリーアメリカン様式の木造2階建ての洋館と瓦葺きの木造平屋建ての和館が現れます。洋館を改修してよみがえらせた「カフェおきもと」は、2020年10月にオープン。多くの人が訪れる憩いの場になっています。

昭和初期の洋館でモダンなひとときを/国立「カフェおきもと」
昭和初期の洋館でモダンなひとときを/国立「カフェおきもと」
建築当時の姿をほぼ残す歴史的な価値のある洋館
昭和初期の洋館でモダンなひとときを/国立「カフェおきもと」
洋館の設計は川崎忍氏。洋館も和館も当時とほぼ変わらない姿で存在していることが貴重

こちらの洋館は昭和7年(1932)、貿易商を営んでいた土井内蔵氏の別荘として建てられたもの。その後、海軍少将だった沖本至氏が自宅として譲り受け、沖本家の姉妹が長年にわたって暮らしていたのだそう。近所に引っ越してきた久保愛美さんが姉妹と親交を深めるなかで、姉妹が大切にしてきた洋館をなんとか残したいとカフェに改修しました。

ゆっくり楽しみたい洋館の風情ただよう佇まい
昭和初期の洋館でモダンなひとときを/国立「カフェおきもと」
沖本邸は国分寺市内に現存する洋風建築のなかでもっとも古く、今年、国指定有形文化財に登録

三角屋根のポーチがかわいい玄関から靴を脱いで入ると、室内は重厚感にあふれ、シックでモダンな雰囲気。1階と2階の部屋がカフェスペースとして利用され、沖本家にもともとあったテーブルや椅子を使用している席もあります。

昭和初期の洋館でモダンなひとときを/国立「カフェおきもと」
調度品も変えることなく以前のまま。庭を整備したときに伐採した木を使って作ったテーブルも

部屋を見わたせば、飾り棚などの作り付け家具やドア、窓、照明のスイッチも昔からのもの。ラジオや蓄音機、ストーブ、サモワール(お茶用の湯沸かし器)、電話などの生活道具もそのまま置かれ、洋館の暮らしに思いをめぐらせられます。

昭和初期の洋館でモダンなひとときを/国立「カフェおきもと」
一日のうちでも太陽の向きによって部屋の雰囲気が変わるのだとか。窓から庭を眺めて過ごすのも素敵

この佇まいをほかの人にもお披露目したいと、手入れが必要だった洋館と和館の修繕や庭の整備に勤しんだ久保さん。「長い年月によって作り出された風情や静かに流れる時間を楽しんでもらえたら嬉しいです」とにっこり笑います。

手作りの温かみと野菜や果物がたっぷりのメニュー
昭和初期の洋館でモダンなひとときを/国立「カフェおきもと」
カリカリ香ばしく、はちみつの甘みがやさしい「贅沢フルーツのフレンチトースト」(1280円)

カフェのオープンに備え、久保さんは料理学校にも入学。一つひとつ丁寧に洋風料理やスイーツを手作りし、温かくもてなしてくれます。ランチタイムのおすすめは煮込みハンバーグやサラダのデリプレート。どのメニューも野菜が多めです。

カフェタイムのメニューでは、シナモンの香りが広がるフレンチトーストが人気。フライパンで表面を焼いた後にオーブンで火を入れ、外はカリカリ、中はふわふわ。日によってかわる新鮮な旬フルーツやアイスとの食べ合わせも楽しめます。

昭和初期の洋館でモダンなひとときを/国立「カフェおきもと」
「シャインマスカットとメロンのパフェ」(1480円)。9月からは「マロンのパフェ」が登場

季節のパフェもフルーツたっぷりです。夏の「シャインマスカットとメロンのパフェ」は手作りのぶどうゼリーやフランボワーズアイスも重ねられ、お好みでスポイトに入ったあんずとノンアルモヒートのリキュールをかければ大人の味になります。

庭のミントを使った香り豊かなミントティー、つぶつぶ感がフレッシュな自家製レモネードもおすすめ。濃厚なバスクチーズケーキやストロベリーチーズケーキなど、スイーツのテイクアウトもできますよ。

昭和初期の洋館でモダンなひとときを/国立「カフェおきもと」
濃厚な生レモンの風味とはちみつの甘みが喉に染みわたる「自家製レモネード」(700円)

物語に出てくるような洋館に新しい命が吹き込まれ、多くの人が訪れていることから現在は全席80分制。室内席のみ予約できるので問い合わせからでかけ、モダンなひとときを過ごしてみてはいかがでしょう。

元記事で読む
の記事をもっとみる