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vol.18 ホーリーバジルと巨峰のパフェ

  • 2021.9.19
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自然からのいただきものであるハーブの力を取り入れて、心と体に優しく寄り添う「レメディ」のようなお菓子を作る〈foodremedies〉として活動する菓子研究家の長田佳子さん。砂糖にはない甘さやほのかに感じる苦味、鼻をくすぐるいい香り——。ハーブはそのときの心と体の状態によって、五感で感じ取るものが繊細に変化する奥深さを秘めた暮らしに役立つ植物です。そんな季節のハーブを使った長田さんオリジナルのお菓子のレシピを紹介するこの連載。第18回は「ホーリーバジルと巨峰のパフェ」をお届けします。

This Month's Herbal Sweets

「ホーリーバジルと巨峰のパフェ」

出典 andpremium.jp

巨峰とホーリーバジルが互いの味を引き立て合う、甘やかな“秋パフェ”。

葡萄の季節がやってきた。粒が大きく、ひと粒でも十分に食べ応えのある濃厚な甘さが特徴の巨峰、適度な酸味があるピオーネ、爽やかな香り、酸味と渋味の少ない甘さが魅力のシャインマスカット……。

噛み砕いたときに口の中に滴るみずみずしい果汁と濃厚な甘味のある果実感。調理せず、ただシンプルにいただくだけでも十分においしいけれど、何度か頬張っているうちに「もっと楽しい味わい方がないか」と創造したくなってくる。

そこで捻り出したのが今回作った「ホーリーバジルと巨峰のパフェ」。パフェの語源はフランス語で「完璧」を意味する「parfait」、英語で言うならば「perfect」にあるといわれている。葡萄にとっての“パーフェクトなデザート”を目指して素材の組み合わせをあれこれ想像したときに、相性がぴったりだと感じたのがホーリーバジル。部屋に置くだけで甘やかな香りが空間を包み込み、張り詰めていた心を一瞬でリラックスさせてくれる力を秘めている。

皮を剥いて凍らせた葡萄ときび砂糖をミキサーでピューレにした後、生クリームと細かく刻んだホーリーバジルを加えてさらにミキサーにかける。これを冷凍庫で2時間ほど凍らせただけで「ホーリーバジルと葡萄のアイスクリーム」が出来上がる。あとは、華奢なグラスを用意して、ミックスナッツ、皮を剥いた葡萄、アイスクリームを重ねて層状に。さっぱりとした味わいが好みの人は、この中にヨーグルトを加えてみてもおいしい。

葡萄の濃厚な甘さと深く溶け合う、ホーリーバジルの甘やかな香りとちょっぴりスパイシーな風味。そして、時折絡み合うナッツの香ばしい風味とザクザクした食感。そのハーモニーがとても心地よく、何度でも繰り返し食べたくなる深い味わいだ。

秋風を感じながら「ホーリーバジルと巨峰のパフェ」でほっと一息、おやつの時間を楽しんでみてはいかがでしょう。

ホーリーバジル/シソ科のハーブ。スイートバジルよりも香りが強く、スパイシーな風味が特徴。インドの伝統医学アーユルヴェーダでは「不老不死の霊薬」とされており、 その薬効効果で多くの人々を癒やしてきた言い伝えがある。独特の甘やかな香りには「リナロール」という成分が含まれる。脳を刺激し不安やストレスを解消し、免疫機能を高める作用や消化を促進する作用があるといわれている。加熱しても風味が飛ばない性質ゆえ、ハーブティーや料理に用いられることが多い。

レシピ 2人分

・巨峰150g (うち飾り用30g )
*ピオーネ、シャインマスカット、サニールージュなど大粒のものでも。
・きび砂糖15g
・生クリーム80ml
・ホーリーバジルの葉 (1枝程度)
・ミックスナッツ 適量 *グラノーラなどでも可。

[下準備]
葡萄120g分の皮を剥き冷凍庫に入れて軽く凍らせておく。

How to cook

1.ホーリーバジルの葉を枝から外し、細かく刻む。
2.ミキサーに軽く凍らせた葡萄、きび砂糖を入れてクラッシュし、ピューレにする。
3.「2」に生クリームと「1」のホーリーバジルの葉を加え、葉がさらに細かくなるまでミキサーを回す。
4.「3」をボウルに移し冷凍庫に入れる。時々スプーンでかき混ぜて空気を入れながら、2時間以上冷やし固めてアイスクリームを作る。グラスにミックスナッツ、飾り用の葡萄、アイスクリームを盛り付けて完成。
出典 andpremium.jp

photo:Hiroko Matsubara edit & text:Seika Yajima
ハーブ:まるふく農園 キッチンクロス提供:FLUFFY AND TENDERLY
器:山野アンダーソン陽子ほか

出典 andpremium.jp

<プロフィール>

菓子監修 長田佳子〈foodremedies〉
菓子研究家。レストラン、パティスリーなどでの修業を経て、YAECAフード部門「PLAIN BAKERY」でメニュー開発、お菓子の製造を担う。2015年に独立。〈foodremedies〉という屋号でハーブやスパイスなどを使ったまるでアロマが広がるような、体に素直に響くお菓子を研究している。著書に『季節を味わう癒しのお菓子』(扶桑社)、『全粒粉が香る軽やかなお菓子』(文化出版局)などがある。7月より登録制による動画配信のお菓子教室を開催。

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