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あれってつまり…。災厄を防ぐために必要なあるモノ【LINE怖い話 #32/消えた祭り 4】

  • 2021.9.16
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知らない人からLINEが来る。そんな経験をしたことはありませんか?

多くの人は、詐欺やいたずらだと思って無視してしまうでしょう。でも、中には違和感を覚えるものもあるようです。

LINEの向こう側にいるのは、人間なのでしょうか。それとも……。

連載「LINE怖い話」では、LINEにまつわる怖い話をお届けします。

「消えた祭り」その4

地元観光事業所に勤めて3年目の琴子さん。

琴子さんの住む瀬里原市は、水が綺麗で穏やかな街です。6月になればホタルも飛び、毎年観光客で賑わっていました。

しかしコロナの影響で、ホタルまつりは2年連続で中止。8月の奉納祭も中止となりそうです。

琴子さんが情報収集のために開設したオープンチャット「雑談チャット瀬里原」は、登録者100人ほど。市内在住と思われる人たちが1日10件ほどやりとりをしています。

しかし、最近になって「(O_O)」というアカウント名の人が、地元の有名喫茶店の閉店を予言したり、まだ決定事項ではないはずの祭りの中止を言い当てたりするようになりました。

ただ、それが予言であることに気づいているのは琴子さんだけのようでした。

「もし予言だとしたら、ホタルが大量発生すると1年以内に災厄が降りかかるという言い伝えも、あの(O_O)という人が言うと本当のように思えてしまうんですよね……」

6月、瀬里原市では今までに見たことがないほど、たくさんのホタルが飛び交っていました。

琴子さんはオープンチャットで(O_O)に質問をしてみました。

「生贄と聞いてかなり驚きましたけど、奉納祭を主催している神社に、ホタルを捧げるというものらしいです。ホタルブクロという花を知ってますか?神社にたくさん咲いているんですが、あの花の中にホタルを入れて、出てこないように花びらを糸で縛るというのが、本来の奉納方法だったみたいです」

ホタルブクロというのは、名前のとおり袋のような形で、細長く下向きに咲いている花です。色は白、ピンク、青紫とあり、中にホタルを入れると光るそうです。

「大昔はそうしていたんでしょうね。思い返してみると、ホタルまつりも奉納祭も、ピンクや白の提灯を使うんですよ」

そう考えると合点のいった琴子さん。この後、神社に行ってみることにしましたが……。

連載「LINE怖い話」は毎日更新中です。

(園田亜真理)

※この物語はフィクションです。実在する人物・団体とは一切関係がありません

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