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フローリスト・越智康貴「白い世界を、花と猫が潤す」|クリエイターたちの快適空間に潜入 vol.13

  • 2021.9.13
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ファッションやアートなど、さまざまな分野の表現者たちが作りあげたプライベートルームを拝見。もの選びの基準、色彩へのアプローチ、スペースの捉え方。それぞれが追求する“居心地のよさ”とは?

白い世界を、花と猫が潤す

越智康貴
フローリスト

「おっと!背が高いので、ライトの傘に頭をぶつけるのは、これで102回目(笑)。この部屋を選んだのは、床から天井まで3mほどあることも大きいです」

白い箱のようなリビングには陽があふれ、静かで晴れやかな時間が流れる。1、2輪を可憐に挿した花器、手仕事の刺繡が施されたテーブルクロス、異国の情緒が織り込まれたラグなど、感性の赴くままに選んだ品々が彩りを添える。

「花瓶はたくさんあって、フィーリングで飾っています。古い布地は15枚ほど所有。気分を変えるために定期的にチェンジする。何でもない白いコットン生地をテーブルにかけることもあります」

ダイニングセットにソファ、広さに対して家具が極端に少ないのも清々しい。

「今の物量がマックス。ここは写真を撮るためのスタジオとしても使っていて、最初はソファもありませんでした。購入したのは昨年。保護猫を2匹迎え入れたので、一緒に過ごすときの必要に駆られて。ラグは好きではないけれど、〝タン〟と〝サン〟のために。今は、彼らの部屋をちょっと間借りしている感覚です」

リビングの奥には衣装ラック。「ほとんどが〈ヴィヴィアン・ウエストウッド〉。寝室でまた違うブランドを保管していて、自分でも驚くくらい洋服はあります」。姿見の後ろには写真撮影に使うセンチュリースタンド。

ソファはAmazonで購入。「足元に猫が入れる空間があれば何でもいいと。すぐ引っ掻かれるので」

下駄箱上のスペースには、フランスや金沢で手に入れた置物などをディスプレイ。ステファニー・クエールのネズミの彫刻は千駄ケ谷の「ギャラリー38」で購入。

ほうきすらもオブジェに見えてくる! 少し間抜けで愛らしい黄色い犬はドアストッパー。「大阪の『エッセンシャル ストア』で出合いました」

リビングの唯一の家電であるテレビの横にも花を飾る。「部屋に点々と置いた花器は、自由に入れ替えています」

玄関を上がってすぐの場所には、クマのぬいぐるみ、ステンドグラス調の扉板など。すべてアンティーク。

ソファで愛猫のタンとスキンシップ。「サンは寝室に引きこもっています(笑)」

椅子は代官山の「ジャンヌ・バレ」、愛嬌のあるデザインのポットと花瓶は原宿の「サムタイムス ストア」で見つけたもの。「日用品は古着店で手に入れることも多い。ちなみに、テーブルは〈無印良品〉です」。奥の壁でひときわ目を引くエゾジカの頭は清澄白河の古道具店で。「抱えるようにして、電車で持ち帰りました」。右上はアメリカの写真家、アレック・ソスがコロナ関連のチャリティで出品したもの。右下も同氏の作品。左上は古書の額装、左下は大阪のギャラリーで購入した原画。開放的な白い部屋に多様なアートが映える。

GINZA2021年7月号掲載

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