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高タンパクな食事はこんな人に最適!

  • 2021.9.11
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ダイエットを目的とした高タンパクの食事は何年も前から流行している。私たちの半数以上が高タンパクの食事を摂る努力をしている(リサーチ会社NPDグループの調査による)というのはそのためかもしれない。ヨーグルトやオートミール、スムージーにプロテインパウダーを振りかけたり、タンパク質を多く含むスナックバーやパスタを買ったりしている。

けれども、本当にそんなにたくさんのタンパク質を摂る必要ってあるの? オーストラリア版ウィメンズヘルスより詳しく見ていこう。

ほとんどの人にとってその答えはノー。イェール大学の予防研究センターでディレクターを務めるデイビッド・カッツ医学博士は、タンパク質の流行の大部分は(長期間持続してはいるが)、1980年代の低脂肪食や、2000年代初期の低糖質のように単に流行だと考えているそう。

「主要栄養素に重点を置くことは非常に無駄なことです。脂肪や糖質を減らすと太って病気になったりしました」と彼は言う。「主要栄養素にフォーカスするのを止め、代わりに健康的な食品やヘルシーな組み合わせのものに重点を置き、栄養素が補えるようにすべきです」とカッツ医学博士。

それに、私たちは既に多くのタンパク質を摂取している。アメリカの食生活指針では、1日のカロリーのうち10-35%をタンパク質から摂取することを推奨している。 1日の推奨摂取量を満たし、不足を防ぐには、10%のタンパク質(女性にとっておよそ46g)を摂取すれば十分だが、データによると私たちのタンパク質摂取量はおよそ16%に近いことが判明している。

けれども、高タンパクの食事が理想的な人もいるという。

カッツ医学博士はある種の人々にとってはタンパク質を多く摂取することは有効だと認める。結局、人間の体はそれぞれに異なり、必要な栄養素も個々で違うため、ある1つのタンパク質のガイドラインが万人に当てはまることはない。

カッツ医学博士いわく、タンパク質の最適な供給源は卵、魚、鶏肉、牧草で育てられた赤身の肉の他、豆類や大豆、レンズ豆などの植物性タンパク質と、ナッツや種子類、米や穀物などと組み合わせたものだそう。つまり、ベーコンを大量に食べようとは思わないで。肉は確かに体に必要なアミノ酸を運んでくれる高品質のタンパク質だけど、同時に飽和脂肪や高総脂肪、コレステロール、調理法によっては発がん性物質など、有害な“他の乗客”も連れてくる可能性がある。

以下に、カッツ医学博士が言うタンパク質の摂取量を増やすと効果が得られる4つのタイプの人を挙げた。通常の食事にタンパク質をプラスするだけでなく、タンパク質から摂取するカロリーを増やすことを意味している。

1.ボディービルダー

筋力トレーニングや負荷のかかる運動を多く行っていると筋肉組織が破壊され、リカバリーが必要となる。「タンパク質は体内の構成要素となる必須アミノ酸の供給源です。そして、それらは体内では生成されないので、食事から摂取するか、まったく摂取しないかのどちらかになります」とカッツ医学博士は説明する。「筋肉細胞を作ろうとしてもアミノ酸がないと、筋肉は作られません」

2.体重が増えやすい人

「タンパク質は、満腹感が得られ、低カロリーを維持するのに役立つと示した合理的な証拠があります」と話すのは、ヘンリー・フォード・ヘルス・システムでメタボリックヘルスと体重管理のメディカルディレクターを務めるトム・リファイ医学博士。タンパク質は消化に時間がかかり、満腹感を持続できるためだという。また、血糖値を安定させ、食欲を抑えるため、体重を落とすのにも役立つ。「ダイエット中はある程度の運動をしている限り、空腹感を防ぎ、満腹感を高め、筋肉の減少を最小化するためにタンパク質をより必要とするかもしれません」。マメ科植物は特に優れたタンパク質源で、学術誌『オービスティ』に2014年に掲載された研究では、豆類やひよこ豆、レンズ豆やエンドウ豆を毎日食べると、満腹感が増し、体重管理やダイエットにも有効だとされている。

3.糖や炭水化物が非常に多い食事をしている人

典型的に不健康な食事(ドーナツやパスタ、お菓子など)をしている人は卵白や魚、赤身の肉などのような高品質のタンパク質にシフトすることでメリットを得られる。「もし、タンパク質から摂取するカロリーの割合が高いと、添加糖や炭水化物のような他の摂取量が少なくなります」とカッツ医学博士は言う。心疾患を予防するための栄養素摂取試験(OmniHeart)では、炭水化物の一部をヘルシーなタンパク質(あるいはヘルシーな脂肪)に置き換えた人は、それ以外の点では健康な炭水化物を多く含む食事をしていた人に比べて血圧が下がり、有害なLDLコレステロール値も低下した。

4.中年層

50歳を過ぎたら、加齢に伴う必然的な筋肉の減少に対抗するために、タンパク質を多めに摂取することが効果的。「除脂肪筋量が徐々に低下するサルコペニアのリスクがある高齢者は、食事に高品質のタンパク質を多く取り入れることは有効でしょう」とカッツ医学博士。アーカンソー大学のメディカルサイエンスの2015年の研究では、1日当たり推奨栄養所要量の倍を摂取した52歳から75歳の人たちは4日後には筋肉を増強し、維持する能力が向上した。既にコレステロール値が高い、あるいは他に心血管疾患危険因子を抱えているこの年齢層の人は、赤身の肉や乳製品、卵などの飽和脂肪が多い動物性の食物ではなく、豆類や種子類、全粒穀物、ナッツや魚など、タンパク質に加えその他有益な栄養素を含む食物から余分にタンパク質を摂取するとよいそう。

※この記事は、当初『Prevention』に掲載されました。※この記事は、オーストラリア版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text:Aviva Patz Translation: Asami Akiyama

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