1. トップ
  2. 相次ぐドラマ出演者のコロナ感染 撮影が中止されたドラマの運命やいかに

相次ぐドラマ出演者のコロナ感染 撮影が中止されたドラマの運命やいかに

  • 2021.9.11
  • 18883 views
photo from Unsplash

新型コロナウイルスの感染拡大がつづいている。日本も第5波に突入し、首都圏の20代から30代を中心に感染者が増えつづけているのだ。さらにデルタ株やラムダ株など、従来のものに比べ、より感染力の強い新種が国内でも発見されはじめ、危機感を募らせている人も多いだろう。芸能界でも感染者が増えており、2021年7月から放送が開始されたいくつかのドラマでは、出演者のコロナ感染による撮影の中断、放送延期が相次いでいる。ここでは、現在コロナがドラマ撮影に与えている影響を振り返っていきたい。

・感染が公表されなかった石原さとみ

2021年4月14日から6月9日に放送された『恋はDeepに』(日本テレビ系)では、石原さとみと綾野剛がW主演を務めた。しかし1月中旬の撮影初日、撮影前のPCR検査で石原が陽性と診断されたのだ。ところが当初彼女の感染は公表されず、自宅待機期間の2週間が経過したと思われる2月4日に所属事務所が“感染していた”ことを発表した。その後、同月11日にドラマが製作されることが明らかになる。なぜこのような対応がされたかというと、石原の感染が発覚した時点では、まだドラマの製作が発表されていなかったからだ。コロナへの感染を公表すれば、今後どのような仕事が控えているのか、どんな影響があるのかも明らかにしなければならない。ネガティブな話題であるコロナ感染の“ついで”に、新ドラマの製作を発表することは避ける必要があった。コロナ対策のため、あらかじめ4月放送のドラマの撮影を1月から開始するという余裕を持ったスケジュールを組んでいた同作は、放送が中断されることはなかったが、やはり撮影は間に合わず、全9話と石原がほとんど登場しない特別編が放送された。

・撮影・放送が中断されたそれぞれのドラマの対応

『ハコヅメ~たたかう!交番女子~』(日本テレビ系)で戸田恵梨香とともに主演を務めている永野芽郁は、7月23日にコロナに感染したことを発表した。その後、8月5日に仕事復帰したことを自身のInstagramで報告。『ハコヅメ』は8月4日放送予定だった第4話と、11日に放送予定だった第5話が延期され、代わりに2週にわたって特別編が放送された。

仲野大賀は、7月11日に所属事務所のホームページにてコロナ感染を公表。彼が出演している『#家族募集します』(TBS系)は7月23日から8月6日まで、3話分の放送が延期になっている。もともとTBSは、7月30日には東京オリンピックの放送を予定していたため、そのぶんの余裕はあっただろう。しかし物語のキーパーソンで、主演の重岡大毅との共演シーンも多い仲野がいなければ、撮影は進まない。そこで大事を取って、第2話と第3話の間の放送を4週間延期するという対応をしたようだ。その代替番組としては、7月23日には4時間生放送のお笑い番組『ザ・ベストワン』を放送。8月6日にはこちらも4時間の特番で、お笑い芸人たちが歌を披露する『UTAGE!』が放送された。その後仲野は撮影に復帰したようで、8月13日の第3話放送直後には、重岡とともに番組公式インスタライブに登場している。

8月31日、『ハコヅメ』の公式Twitterで、同作が9月15日放送の第9話にて最終回を迎えることが明らかになった。10分拡大での放送ではあるが、ストーリーは当初予定していたものから大幅に削られているだろう。一方『#家族募集します』は、いつ最終回が放送されるのか発表されていないが、予定通り11話まで放送されるとすれば最終回は10月8日となる。同じ枠の10月期ドラマ『最愛』はまだ放送開始日が発表されていないが、そちらに影響を与えることはできないだろう。そうなると、やはり話数を削るか、放送時間を延長したスペシャル版を放送するか、なんとかして物語を最後まで描き切ることが最適解かもしれない。

・各テレビ局の感染対策は?

2020年5月13日には、一般社団法人 日本民間放送連盟が『番組制作における新型コロナウイルス感染予防対策の留意事項』を発表した。そのなかには、会議や打ち合わせから収録、番組制作、編集作業、衛生の促進など、さまざまな場面での留意点と先行事例が細かく記載されている。たとえば一般にも広く行われているマスクの着用やソーシャルディスタンス、アルコール消毒液の使用などはもちろん、テレビでよく見かけるアクリルスタンドの設置やエレベーターの使用制限などを実施しているようだ。また出演者と接触する際にはゴム手袋とゴーグルの着用が義務付けられたり、必要最小限の人数での会議や撮影、ロケ車両は常に窓を開けて換気するなど、細心の注意を払っていることがわかる。

個々のテレビ局に関しては、公式に細かな対策を公表しているところは多くないが、日本テレビやTBSが共通して行っているのは、一般的な対策に加えて社屋入構者への検温や入構制限、リモートワークの推進、三密の回避だ。テレビ東京ではそれらに加えて、社員の発熱時の早退および自宅待機指示、発症の可能性があった場合の対応指示もしている。それでも第5波は食い止めきれず、テレビ業界は再び苦境に陥っている。これまで出演者から感染者が出ず、予定通り撮影が進んでいる番組は、幸運としか言いようがない。

コロナが流行しはじめた昨年の4月期には、感染防止対策のため多くのドラマの放送が最長で3カ月ほど延期され、通常全11話のところを短縮して放送された。たとえば6月から放送が開始された木村拓哉主演の『BG~身辺警護人~』(テレビ朝日系)は第1話と第2話、第6話と第7話が拡大スペシャルとなり全7話で完結した。日本テレビ系の人気ドラマ第2弾『ハケンの品格』も6月から放送開始、全8話に短縮。またTBS系の『わたしの家政夫ナギサさん』は7月から放送され、全9話+特別編というかたちに変更されている。今回も撮影が中断されたドラマは話数が削られるのか、特別編の放送があるのか、あるいは10月期に放送がずれ込むのか、どんな対応になるのかが気になるところだ。視聴者としては、最後まできちんと物語が描かれることを祈りたい。(瀧川かおり)

元記事で読む