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ソファ名品カタログ【MASTER PIECE編】

  • 2021.9.11
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時代の気分に合うデザインと、都会暮らしにちょうどいいサイズ感。今、欲しい名品を、インテリアスタイリストの作原文子さんが厳選。

MASTER PIECE

アートピースのような名品

世界的な巨匠による名作や、今をときめくデザイナーの代表作。数ある名品の中から自分に合うものを選ぶための基準は、美しさや存在感に加えて、それを置いた空間が想像できること。“過ごす時間が楽しくなる”という確信が、何よりも大切。

maker arflex アルフレックス

model mareマレンコnco


時代を超えて愛される理由のひとつは、100回以上の改良を重ねた座り心地や耐久性、メンテナンス性。両アームソファ1人がけ。イラストはロゴスタンプ入り麻カバー仕様。H66×W110×D97cm・SH39cm ¥286,000〜(アルフレックス | アルフレックスジャパン)

デザイン先進国イタリアのライフスタイルを学んだ創業者が、1969年に国内展開を始めたブランド〈アルフレックス〉。イタリアのマリオ・マレンコがデザインし、1971年に発表したマレンコはそのシグネチャーだ。一瞬で描いたスケッチから生まれたフォルムは大きなクッションのよう。発売当時は本体に張り込んだヌード地にロゴスタンプが入っており、そのデザインが大好評。カバーをかけずに使う人が続出した。そこで1994年にあらためて販売したのが丈夫な麻生地カバー。現在もナンバーワンの人気を誇っている。
「まわりの家具やラグを白とグレーだけでまとめてもカッコいいと思います」

maker Vitraヴィトラ

model Polder Soポルダー ソファfa


水平を意識したフォルムが特徴。サイドテーブルにもなる平らなアームは左右で高さが違う。背の高いアームは横向きに座って寄りかかるのにぴったり。フレームは木製、生地はヘラのオリジナル。H82×W225×D97cm・SH35cm ¥803,000(ヴィトラ)

1950年にスイスで創業した家具メーカー 〈ヴィトラ〉。人間工学の研究をもとに世界中のデザイナーと協力し、住宅家具の傑作名作も数多く生み出している。そんなヴィトラ製品の色や素材のディレクションまでも担う実力派、ヘラ・ヨンゲリウスがデザインしたのがポルダー ソファ。色、織り、質感の組み合わせ方はもちろん、ボタンなどのディテールもため息が出るほど美しい。作原さんは全4色のカラーバリエーションからグリーンをチョイス。
「ソファの色の延長のような感じで植物や緑色の小物を合わせたら楽しそう。テキスタイルがインテリアにもたらす力って本当に大きいと感じさせる名品。これがあると部屋のクォリティまであがります」

maker Fredericia Furniフレデリシア ファニチャーture

model 1789 The Spoke-Ba1789 ザ・スポークバック ソファck Sofa


軽やかで圧迫感のないデザインだが、背もたれが高めで身体をゆっくり預けられる。イラストはフレームがオーク材で張り地が「Gabriel Capture no.4201」。H86 ×W160〜197×D76.5cm・SH40cm ¥1,592,800〜(フレデリシア ファニチャー | スカンジナビアンリビング)

〈フレデリシア〉はクラシックな名作を多く手がける1911年創業のデンマークブランド。1945年、北欧デザインの重鎮ボーエ・モーエンセンが発表したのが、コンパクトで軽量なこのソファだ。レザーストラップのついた片側のアームは6段階で開き、デイベッドとして使えるのが特徴。名作ソファの条件でもある「後ろ姿」がカッコよく、部屋の中央に置いてもさまになる。
「アームを閉じた姿の真面目な雰囲気も魅力的ですが、ひとつアクションを加えるだけで表情が生まれ、このソファがもつ愛嬌や個性が伝わってくる。張り地をチェック柄やボルドーなどの色生地にするのも素敵ですね」

maker PIET HEIN EEKピート・ヘイン・イーク

model CRISIS Cushion Sofaクライシス クッションソファー

フレームは木製。ファブリックをパッチワークのように組み合わせて張るため一点ずつ異なる。片アームもあり。価格は張り地による。2シーターワイド。H70×W240×D87cm・SH36cm ¥1,210,000〜*イラストのタイプで(ピート・ヘイン・イーク | シボネ)

廃材を使ったスクラップウッドシリーズで知られるオランダのデザイナー、ピート・ヘイン・イーク。工場跡地をリノベーションしたアトリエで、手間と時間をかけて制作を続けている。独自のコラージュスタイルをテキスタイルで表現したのが、“日常的に使えるアートピース”と呼びたくなるこのソファ。
「以前に私がひと目惚れしたのは、花柄などのヴィンテージファブリックが使われているものでした。現行品は無地が中心ですが、唯一無二の個性は健在。カラフルな色があふれているような部屋に似合う気がします。無垢の木のサイドテーブルなどシンプルなものをひとつ加えるとバランスがとりやすいはず」

GINZA2021年7月号掲載

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