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映画メインだったトップ俳優が次々とドラマに復帰…新型コロナ長期化が変えた韓国エンタメ事情

  • 2021.9.12
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新型コロナの余波で、長らく映画をメインにしていた俳優たちが次々とドラマにカムバックしている。女優チョン・ドヨン、イ・ヨンエ、俳優ファン・ジョンミンなど、“信じて見られる俳優”たちが4~5年ぶりにテレビ劇場に帰ってきた。

チョン・ドヨンは『グッドワイフ~彼女の決断』以来、5年ぶりにJTBCの『人間失格』(原題)でカムバックした。映画『人質』(原題)に特別出演した彼女は、『非常宣言』『藁にもすがる獣たち』『白頭山大噴火』『君の誕生日』と、精力的な映画出演が続いていたため、テレビで見ることは難しかった。チョン・ドヨンは今回の『人間失格』で、リュ・ジュンヨルらと共演し、人生の道を失ってさまよう2人の男女の話を描く。

イ・ヨンエは、『師任堂(サイムダン)、色の日記』以来、4年ぶりにJTBCの『クギョンイ』(原題)で帰ってくる。『宮廷女官チャングムの誓い』『師任堂(サイムダン)、色の日記』と韓服姿がお馴染みだが、今回の『クギョンイ』では保険調査官に扮し、コミカルな演技にも挑戦する見通しだ。

映画『人質』をヒットに導いている俳優ファン・ジョンミンも昨年、『ハッシュ~沈黙注意報~』で8年ぶりにドラマに出演した。

左からイ・ヨンエ、チョン・ドヨン、ファン・ジョンミン
新型コロナが変えた韓国エンタメ事情

新型コロナの長期化で韓国映画界の苦心が続いている。映画『モガディシュ』が損益分岐点である観客動員数300万人に成功したが、関係者は口をそろえて新型コロナがなかったら倍の観客数を記録していただろうと、ため息つく。

新型コロナ前だった2019年には映画の年間観客数が2億2667万人を記録し、『エクストリーム・ジョブ』『パラサイト 半地下の家族』『アナと雪の女王2』『アラジン』『アベンジャーズ/エンドゲーム』と、観客動員数1000万人超えの映画が5作品に達した。しかし現在、“1000万映画”を探すことは難しくなった。

とある映画関係者は「映画制作が10分の1に減った」とし、「公開が押されるのが日常茶飯事で、制作すらできないケースも多い。またOTT(動画配信サービス)に行かなければ希望がない」と述べた。また別の芸能関係者も「映画界があまりに難しいため、映画をメインにしていた俳優たちもドラマやホームシアターに進出している様子」とし、「特にOTTというプラットフォームが人気で、OTTでの公開を待つ映画も多い」と話した。

昨年の新型コロナ初期には、多くの映画が“OTT行き”を選択した。映画『楽園の夜』『甘酸っぱい』『狩りの時間』『ザ・コール』『スペース・スウィーパーズ』といった作品が、新型コロナの影響で何度も公開を延期し、最終的にNetflixで公開された。

しかし新型コロナが長期化して映画の制作が容易でない状況になると、俳優たちがこぞってテレビに向かった。今年下半期には、コ・ヒョンジョン、ソン・ヘギョ、チョン・ジヒョン、ソン・イェジンなどのトップ女優が次々とカムバックを予告している。

とある芸能関係者は、「ドラマは映画とは異なり、長い呼吸を持って視聴者たちに接近する。その点が俳優にとって、作品一つを終えればいい映画とは違う部分だった。しかしOTTでコンテンツを消費することが当たり前となり、今ではドラマと映画の違いが曖昧になったようだ」と説明した。

また、OTTなどで披露される“オリジナル”が映画やドラマの差を狭くしている。グローバルOTTであるNetflixは、定型化された長さや形式ではなく、5~6編の分量でドラマと映画の中間にあるようなオリジナルコンテンツを披露したりした。『キングダム:アシンの物語』も1時間33分であり、『D.P.-脱走兵追跡官-』『保健教師アン・ウニョン』も全6話で幕を下ろした。Netflix関係者は、「形式よりも作品自体に焦点を合わせ、制作者が最も望む形態で披露されたようだ」と耳打ちした。

新型コロナの長期化でトップ俳優たちのドラマ復帰が予告され、視聴者ともより簡単に会うことができるようになった。難しくなった映画界からドラマ界へ、そしてOTTへと様々な歩みを見せている。新型コロナが“多媒体時代”の流れを加速させている。

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