ムッシュディオールのパリの館にオマージュを捧げた新作。

2021.9.8
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「難しく考えずに、建築家に相談すらせずに自分で決断し、新しい自宅を飾るために持てるものすべてを捧げました」。クリスチャン・ディオールがこう描写したのは、パリ16区、ジュール・サンドー大通り7番地の自宅アパルトマンとの巡り合い。ムッシュディオールのアールドゥヴィーヴル（暮らしの美学）にかける情熱に魅了された、コーデリア・ドゥ・カステラーヌは、この特別な館と壁紙からインスピレーションを得て、ディオールメゾンの最新コレクションを発表した。

壁紙に描かれた花や鳥が着想源となり、クレマチス、ピオニー、ダリア、そしてツバメを描いた優美なデザインは、カラフェや装飾ボールの内側、そして磁器のプレートやナチュラルリネン製の手描きプレースマットに。そして伝統と現代性が共存するコレクションを完成させるのは、今作に合わせた3色のキャンドルホルダー。まさにこうした優雅なものは、ムッシュディオールが育んだライフスタイルを反映するもの。「自分にそぐわない家に住むことは、誰か別の人の服を着ることに似ている」というのがムッシュの意見だった。理想の住まい、理想の自分に近付くために、ずっと大事にしながら一緒に暮らしていきたい、美しいコレクションは、心までも豊かにしてくれそう。