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その裏側がおもしろい。アートな佇まいのポラロイドで“一瞬”を永遠に

  • 2021.9.7
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普段何気なく見ているモノの裏側を覗くと、知っているようで知らないストーリーに出会うことがある。現在、ニューヨーク近代美術館(MoMA)のミュージアムショップ「MoMA Design Store」で発売中の「Polaroid Now」特別モデルもそのひとつ。本体裏側のポップでかわいいデザインは、アメリカンポップアートの巨匠キース・ヘリングの作品を採用したもの。ユニクロのコラボTシャツなどでもお馴染みのキース・ヘリングだが、彼のアートへの思いやその活動遍歴を見直すと、改めて愛着が湧いてくる。ただ部屋に置いておくだけでもアートを感じるインスタントカメラとともに、いつもの時間を特別な瞬間として焼き付けよう。

ストリートから名声を博したアーティストといえば、最近ではバンクシーがよく知られているが、その先駆者の一人といえばキース・ヘリングだろう。彼は1980年代、ニューヨークの地下鉄構内で広告板に自発的に描いたグラフィティー・アートで耳目を集め、以後アメリカンポップアートを語る上で欠かせないアーティストとなった。
アートはすべての人のためにあるべきだと考え、多くのデザイングッズを販売したり、子供のためにワークショップを開催したりと、富裕層ではなく“大衆のためのアート”を具現化した功績も大きい。
その後エイズと診断されるも、エイズに関連する団体や子供たちへの教育プログラムの資金提供など福祉活動を目的とした財団を設立。その財団は、現在も彼の生前のニューヨークのスタジオを拠点に社会貢献活動を行っている。

現在、数量限定で発売しているMoMAプロデュースの「Polaroid Now」は、そんなポップアートの巨匠へのオマージュがたっぷり詰まった特別モデル。代表的なモチーフたちがレトロかつモダンなデザインがPolaroid Nowのフォルムとマッチして、さながら新しいポップアート作品のようだ。
もちろんベースとなるPolaroid Nowの、インスタントカメラとしてのクオリティの高さは折り紙付き。オートフォーカス、二重露光、セルフタイマー、強力なフラッシュなどを搭載し撮る楽しさにこだわった高機能が備わっている。

ちなみに、こちらの特別仕様のきっかけとなったのは、「ポラロイド」とキース・ヘリングのある共通点だという。
というのも、キース・ヘリングはずっと「どんな時でも、永遠なものを作るには一瞬しかない」と考えていたそう。これは、まさにインスタントカメラの醍醐味。永遠に残るいい写真を撮るには、“一瞬”を切り取るしかない。そんな理念の一致が、素晴らしいコラボレーションを実現したのだ。

Polaroid Now キース・へリング フィルム税込価格:2,700円Harumari Inc.

加えて、今回Polaroid Nowで使用できるインスタントカラーフィルムも発売された。8枚のフィルムには、キース・へリングの代表的な作品がフレームにあしらわれている。どんなフレームで出てくるか、アートなポラロイド写真を想像しながら撮影しても愉しめそうだ。

「エイズ予防啓発」「LGBTの認知」「核放棄」など社会的・政治的なテーマをアートに昇華してきたキース・へリング。ポップで華やかさが目立つ作風には、彼自身が同性愛者でありエイズ感染者として、現代社会に対する差別や暴力に警鐘を鳴らそうという強い思いが込められている。死後30年以上経った今も色あせないテーマを持つヘリング作品を手に、かけがえのない時間を刻みたい。

Polaroid Now キース・へリング
https://www.momastore.jp/Harumari Inc.
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