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6畳1間。阿佐ヶ谷姉妹のふたり暮らしは40代独身女性の理想のルームシェア?

  • 2021.9.7
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本当の姉妹のようにそっくりの人気お笑いコンビ・阿佐ヶ谷姉妹。姉の渡辺江里子(エリコ)さんと妹の木村美穂(ミホ)さんは、プライベートでも2人で暮らしているという。そんな2人ののんびりした生活を綴ったエッセイ集がドラマ化される。NHKの「よるドラ」で姉妹を演じるのは、女優の木村多江さんと安藤玉恵さんだ。

『阿佐ヶ谷姉妹の のほほんふたり暮らし』(幻冬舎)は、40代・独身・女芸人として知られる妙齢2人の地味おもしろい同居エッセイ。「阿佐ヶ谷2人ぐらし」「妙齢事情」「引っ越し騒動」の3章立てで、どの章もエリコさんとミホさんが交互に文章を綴っている。

もともとエリコさんが住んでいた6畳1間の部屋に、ミホさんが「自宅より駅に近いから」という理由で泊まることが増え、エリコさんのほうから提案して同居するようになったという。

何が言いたいかといいますと、そんな後から入ってきた方が今、我が家の6畳の内、ほぼほぼ4畳を使って堂々と寝ているのに対し、私が座布団ではなく布団の上に正座して、テーブルの下のみほさんの足に接触しないよう気をつけながら、こうして細々と文章を書いているのを、時々不思議に思ったりするのですが、これはグチでしょうか。(「6畳1間の布団事情」より。byエリコさん)

淡々としていながらも、ユーモアにあふれ、2人が暮らす部屋の情景が目に浮かんでくる。ミホさんによってエリコさんの生活スペースが侵食された様子をエリコさんが描いた「もともとの寝床の間取り」と「今の不公平な間取り」の図も笑える。

「ほうじ茶がおいしい」だけで15分

「似たもの同士、でも。」では、エリコさんによって、同居生活の中での気づきが綴られている。

姉妹で別々に行動していても、片方が整骨院に入った5~10分後には接骨院で鉢合わせてしまうことがあるという。他にも、別々に家を出たのにドラッグストアやスーパーで出くわすこともあるそうだ。

そんな似た者同士の2人だが、性格には違いがある。エリコさんは身内を見つけると嬉しくて近づいてしまう「犬タイプ」だが、ミホさんは自分のテリトリーに他のものが侵入するのを好まない「猫タイプ」。それでも、仕事先や飲み会の席ではミホさんがエリコさんに近づいてきたり、ほうじ茶が美味しいという話で10~15分も話し合ったりすることもあるという。

本当の姉妹以上に「姉妹」らしさを感じさせるエピソードだ。テレビで見る阿佐ヶ谷姉妹のイメージ通り、のほほんとした平和な生活ぶりに癒される。

「個々のタイプの違いはありつつも、似通ったところや共通点をすり合わせて、共生している」というエリコさん。互いに譲歩しつつ、暮らしの中の小さな楽しみを共有する2人の暮らしぶりは、理想のルームシェアのかたちではないだろうか。

また、本書には「私の落とし方」をテーマにした書き下ろし恋愛小説「フキノトウはまだ咲かない」(渡辺江里子)「3月のハシビロコウ」(木村美穂)も収録。こちらも気になる。

生活感満載の笑いが絶えないエッセイ集。阿佐ヶ谷姉妹の魅力がたっぷりと詰まった1冊だ。そんな2人を木村多江さんと安藤玉恵さんがどう演じるのか、ドラマへの期待も高まる。

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