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昨夜みた夢の意味は? 予知夢ってある? 心理学から読み解く「夢」のふしぎ

  • 2021.9.6
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コロナ禍で精神的に不安定になりがちな今、悪夢や奇妙な夢をみる人が増えたという報告もあるらしい。夢にはどのような意味があるのだろうか。嫌な夢を見ない方法や、逆に、夢を楽しむ方法はあるのだろうか。

8月20日に発売された『夢を読み解く心理学』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)は、心理学的アプローチで夢や眠りに迫る一冊。著者は臨床心理学、パーソナリティ心理学、健康心理学を専門とする東洋大学教授の松田英子さんだ。

・夢日記をつけると心が不安定になる
・消防士は出動前に火事の予知夢をみる
・空を飛ぶ夢や歯の抜ける夢はなにかを象徴している

このように、夢にまつわる噂は多く、その真偽はつかみどころのないものばかりだ。しかし、悪夢で睡眠不足になるなど、夢が実際の生活に影響を及ぼす場合もある。

本書では、臨床心理、人格心理、健康心理などの心理学の面から夢や眠りにまつわる不思議な現象を読み解いていく。「松田先生」と3人の教え子との会話形式で話が進む構成だ。

編集者で、夢からインスピレーションを得たいと思っている祐香、国家公務員で仕事は充実しているが、人間関係に悩みを抱える奏介、大学院生で進路に迷っている芽衣の3人が、松田先生の研究室を訪れるところから会話はスタートする。松田先生は、「人の夢の内容を理解しようとすると、その人の生き方にかかわっていく点がおもしろい」と語る。

「悪夢をみないようになれますか?」
「夢のアイデアって仕事にいかせますか?」
「予知夢ってあるんですか?」

このように、誰でも考えたことのあるような夢について、3人の疑問を松田先生がわかりやすく解説していく。

ゾウもねずみも夢をみる

「人以外の動物は夢をみるんですか?」という疑問は、「レム睡眠があるかどうか」で判断する。じつは、ほ乳類であれば確実に夢をみていると考えられているという。ゾウとねずみ、鳥類では睡眠時間は大きく異なるが、レム睡眠はあるそうだ。動物も、天敵に襲われそうになってハッと目が覚める、なんて夢をみるのかもしれない。

また、「睡眠時間の長さとみる夢とは何か関係があるんですか?」という質問についての回答も興味深い。「サスペンスドラマのような2時間長編大作っぽい夢」は、たっぷり眠ったときの最後の30~40分ほどでみるそうだ。そして、発明や大発見につながる創造性は、ロングスリーパーに多く見られる傾向があるという。

本書の目次は以下の通りだ。

プロローグ 夢の理解は生き方への理解
第1章 睡眠と記憶
祭2章 健康と睡眠障害
第3章 予知夢と夢遊病
第4章 目がみえない人の夢、耳がきこえない人の夢
第5章 夢とパーソナリティ
第6章 怖い夢と空を飛ぶ夢
第7章 悪夢と病理
第8章 悪夢の治療と現実へのリハーサル
第9章 明晰夢とクリエイティビティ
エピローグ 夢とのよりよいつきあい方

誰しもみる「夢」だからこそ、気になることは多い。昨日みた夢は心理学的にどのような意味を持つのだろうか。予知夢や悪夢、明晰夢など不思議な現象についての解説が満載の1冊。

■松田英子さんプロフィール

東洋大学社会学部社会心理学科教授。お茶の水女子大学文教育学部卒、お茶の水女子大学大学院人間文化研究科博士課程単位取得満期退学。博士(人文科学)。専門は臨床心理学、パーソナリティ心理学、健康心理学。産業カウンセリングとスクールカウンセリングを臨床のフィールドとしている公認心理師、臨床心理士である。著書に『夢想起メカニズムと臨床的応用』『夢と睡眠の心理学―認知行動療法からのアプローチ』(以上、風間書房)、『眠る』(二瓶社)、『図解 心理学が見る見るわかる』(サンマーク出版)など。睡眠の改善から心の健康を高めることに関心がある。

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