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伊勢丹×スタイリスト井伊百合子、受注生産のものづくり。

  • 2021.9.2
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伊勢丹新宿店 本館4階 プライムガーデンは、スタイリスト井伊百合子をディレクターに迎え、新しい取り組み「&ISSUE(アンドイシュー)」をスタート。このプロジェクトでは、6ブランドとともに受注生産型でものづくりを行い、9月1日から7日まで、伊勢丹新宿店 本館4階 ザ・ステージ#4と三越伊勢丹オンラインストアでオーダーを受け付ける。

「モードと日常を繋ぐ美しい服」をコンセプトに、デザイナーの杉原淳史が手がけるAubett(オーベット)。アンドイシューのためにつくったシャツドレスは、足さばきにも配慮したコクーンシルエット。肩が落ちることでリラックスした雰囲気を醸すラグランスリーブを採用。オーベット シャツドレス(ブラック/ブラウン)各¥53,900

「残すべき名品」をコンセプトにアイテムをセレクトしてきたプライムガーデン。現在は、「あたらしいラグジュアリーのかたち」をテーマに、ブランドの思想や、プロダクトが気づかせてくれる新しい価値を大切にして、ファッションと向き合うことを目指している。具体的には、質のよさだけではなく、モノができあがってくるまでの過程に共感でき、さらに、それが顧客の生活に長く寄り添えるものを提案することこそ、「あたらしいラグジュアリー」の提案ではないかと考えたのだ。

そして今回始動させるアンドイシューでは、ディレクターを務める井伊とともに、これまで関係を築いてきたオーベット、ビューティフル・シューズ、シオタ、ヘリル、ロエフ、シーオールの6ブランドと協業し、「現代における名品」とはなにかを追求しつつ、ファッションにおける作り手と買い手の間に横たわる問題にも目を向ける。

もともと井伊は、ファッションが持つポジティブな力を社会問題に繋げていくためのプロジェクト「+IPPO PROJECT」を主催し、オンラインサイトやポップアップ形式で、バザーを開催してきた。売り上げは児童養護施設などを出た人々の自立を支援するアフターケア施設「ゆずりは」へ寄付するなど、社会問題への解決に意欲的に取り組んでいる。

仕事と生活の両方で、社会にある課題と、ものづくりの関係にも常に関心を寄せ、ファッションの速すぎるサイクル、過剰な在庫などに対して、疑問を持つことも多くなったそう。「今回のプロジェクトについてお声がけいただいた時、私自身がファッションについて問題だと感じている部分を、ポジティブにクリアしながらものづくりができればと思いました」と語っている。

そこで井伊が発案したのが、信頼するデザイナーたちと受注生産でものづくりをする試みだ。受注生産の場合、店頭での通常のショッピングとは違い、すぐにその場で商品を受け取ることは不可能。でも、だからこそ、その価格がついている理由や生産背景、デザイナーの考えを知り、未来の自分にとって本当に必要なものか、吟味することができるのだ。作り手やショップの立場から考えると、過剰な在庫を防げるというメリットも。(*)「数カ月待っても欲しいのかどうか、ひと呼吸置いて考えられる買い物も選択肢にあったらいいのではないか。感覚的な喜びだけでなく、納得してファッションが楽しめて、一過性ではないものへの愛着が育つきっかけにこのプロジェクトがなったらいいな、と思っています」

*…ただし、ブランドによっては、生産の下限を決めていることもあり、実際に手を動かしている工場にリスクが偏らないようにと、井伊とスタッフらが相談して決定している場合も。

井伊百合子自身も10年間愛用しているというビューティフル・シューズのレースアップサイドゴアブーツ。生産終了していたモデルを出発点に、シューズデザイナーの竹ヶ原敏之介が、時代性を反映させてアップデート。つま先部分の丸み、かかとのシェイプなどを微調整した。ビューティフル・シューズ レースアップ サイドゴアブーツ(ブラック)¥68,200

デザイナーの荒澤正和が、2019年に立ち上げたファクトリーブランド、CIOTA(シオタ)。自社開発のスビンコットンを用いたデニムは、井伊にも「デニムを避けてきたひとにも、シオタをぜひ試してほしい」と言わしめるほどのもの。大人も穿きたいデザインが完成した。シオタ ハイウエストテーパードデニム(インディゴ)¥29,700 *ほかにホワイト¥27,500、ブラック¥29,700も展開。

日本国内の伝統的な技術を持つ工場とともに、未来を見据えたハイクオリティな服を生み出しているHerill(ヘリル)。デザイナーの大島裕幸が惹かれたのは、カシミヤのなかでもとくに希少性の高いゴールデンキャッシュ。このベージュは、あえて自然のままの色を活かした無染色。また、上質なカシミヤを用いた日々使いやすいブラックも展開。いずれの素材も洗濯機でガンガン洗えて、毛玉はできにくく、使うほどにフワッとしてくるセーターとなっている。ヘリル ボトルネックセーター(ベージュ) ¥61,600*Vネックセーター¥61,600も展開。2型ともベージュとブラックから選べる。

ユナイテッド アローズでインハウスデザイナーとして活躍していた鈴木里香が2019年に立ち上げたLoeff(ロエフ)。「年齢を重ねても大切にしたい日常着」をコンセプトにしている。今回作ったのは、リサイクルウールでできたコート。リサイクルされた生地だからという理由だけで選んだわけではない。「生地としての仕上がりを鈴木さんと見ていくなかで、このフラットなタッチが素敵だと意見が一致しました」と井伊。ロエフ サイドスリットマキシロングコート(モカ/ブラック)各¥99,000

2019年にスタートしたSeaall(シーオール)。イギリスやイタリアで経験を積んだデザイナー、瀬川誠人の服づくりは、入念なリサーチから始まる。生地づくりや細部のデザイン調整により、ヴィンテージをいまの感覚に繋げていくデザインのアプローチと、井伊の要望が絡み合い、ブルゾンとベルト付きパンツが仕上がった。フード付きのジャケットは、フードを外せばスタンドカラーでシャツアウターのようにも着用できるし、首元でフードを結べばスカーフのようにも楽しめる。パンツはグルカパンツ風のデザインで、トップをタックインしやすく。シーオールワークジャケット(ベージュ)¥53,900、ベルテッドパンツ(ベージュ)¥38,500

&ISSUE期間:9/1(水)~7(火)会場:伊勢丹新宿店 本館4階 ザ・ステージ#4www.mistore.jp/shopping/feature/women_f3/prime_andissue_w.html*オンラインストア期間は、9/1(水)10:00〜7(火)20:00*店頭では、実物の商品を手に取って確認することが可能。*商品はすべて受注販売で、11月頃よりデリバリーを行う。

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