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中年層はタンパク質を多めに摂っても意味がない?

  • 2021.8.28
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内分泌学・代謝学専門誌『The American Journal of Physiology: Endocrinology and Metabolism』は、食生活とレジスタンストレーニングが中年層に与える影響を調べた包括的な研究結果を掲載した。今回は、タンパク質を摂ることで体脂肪が減るのかについてご紹介する。

米イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校で栄養学を専攻する大学院生または、公認管理栄養士でもあるコリーン・マッケナと、キネシオロジー学および公衆衛生学のニコラス・バード教授は、米国食品・栄養委員会が推奨する1日のタンパク質摂取量(体重1kgあたり1.1~1.2g)を倍にすることで、大幅な筋成長が見られるかどうかを調べた。

この研究には中年層の成人50名が参加し、プロテイン摂取量が厳格に管理された食事を10週間続けた。この50名は、体重1kgあたり1.2gというタンパク質控えめのグループと、1.6gというタンパク質多めのグループに分けられた。

両グループには、牛脂とブドウ糖(デキストロース)を含む同カロリーの食事が与えられた。10週間にわたり被験者たちは、トレーニングのあとに必ず牛ひき肉のステーキとカーボドリンク(糖質補給飲料)を摂取して、自宅では毎晩欠かさず分離したタンパク質を含むプロテインドリンクを飲んだ。

研究チームは、トレーニングと並行して質の高いタンパク質を摂取したり、米国食品・栄養委員会が推奨する量以上のタンパク質を摂取したりすれば、筋成長が見られるだろうと思っていた。ところが、10週間経っても著しい変化は見られず、健康のバイオマーカー(体脂肪、体重、耐糖能、腎機能、骨密度)も大体同じという結果になった。

この事実は、タンパク質の摂取量を増やしても大幅な筋成長が見られるわけではないことを示している。「タンパク質を多めに摂ったところで、控えめに摂ったときより筋肉の量が増えることも、体脂肪が減りやすくなることもありませんでした。両グループの身体組成も同じでした。被験者たちの体重が増えたのは、除脂肪体重が増えたからです」とバード教授はいう。

※この記事は、ランナーズワールドから翻訳されました。

Text: Katherine Hager Translation: Ai Igamoto

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