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【史実とここが違う!】チャングムはなぜ中宗の臨終に立ち会わなかったのか

  • 2021.8.27
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『宮廷女官 チャングムの誓い』というドラマには、当時の国王として中宗(チュンジョン)がよく登場する。時代劇にもたくさん出演しているイム・ホが中宗に扮していて、彼が人のいい国王を立派に演じきっていた。

その中宗は、歴史的にみれば、どういうふうに亡くなったのだろうか。

彼は、1544年11月15日に危篤になってしまった。そして、その日の夕方に息を引き取った。享年は56歳だった。

「朝鮮王朝実録」の記述によると、医女の長今(チャングム)は中宗が重体になってからずっとそばで診察と看病に明け暮れていたので、彼女が中宗の臨終を見届けたのは間違いない。長今も精一杯のことをして、最期の王に尽くしたのであった。

しかし、『宮廷女官 チャングムの誓い』では、イ・ヨンエが演じたチャングムは、中宗の臨終には立ち会っていない。それは、なぜなのか。

『宮廷女官 チャングムの誓い』でイ・ヨンエが演じたチャングム(写真=SPORTS KOREA)
中宗の死後はチャングム

実は、自分がもう長くないことを悟った中宗があえてチャングムを王宮の外に出してしまったからだ。王の命令によって、チャングムは仕方なく最期の王に面会することができなかった。

それには理由がある。

当時は、王が亡くなったときには主治医が厳しく処罰されるというのが慣例だった。そうなると、王のそばにピッタリと付いていたチャングムも処罰を免れなくなる。そうした処罰を受けないようにするために、『宮廷女官 チャングムの誓い』では中宗があえてチャングムを王宮の外に逃がしたのである。

自分が重病になっているのに、中宗はそこまでチャングムに配慮したのだ。ドラマではこのように、中宗がチャングムのことをとても大切にする様子が描かれていた。

その後の流れから言えば、中宗の死後はチャングムも王宮から離れて町中で暮らすようになったはずだ。『宮廷女官 チャングムの誓い』では細かく描かれていないが、おそらくチャングムのことだから、町の中で医術を続けて多くの人の命を救ったのではないだろうか。

そう思えば、視聴者もチャングムの晩年を温かく見守っていけるかもしれない。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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