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映画が捉えたパリの下町に、山崎まどかが感じた美しさ。

  • 2021.8.16
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美意識を育んでくれる一方、選ぶ段階からセンスが問われる映画・本・音楽。多方面で活躍する憧れの彼女たちが独自の観点で選んだ、主人公の生き方や洗練の描写など、至極の美を体現する作品を紹介。

コラムニストの山崎まどかさんが選んだのは、アニエス・ヴァルダ監督によるドキュメンタリー『ダゲール街の人々』。作品の中に見いだした美しさとは?

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パリの市井の人々を 慈しみ浮き彫りにする、 精緻なセンス。

『ダゲール街の人々』

「フランス映画界を代表する女性監督アニエス・ヴァルダが、自分の暮らすパリ14区の通りに生きる“市井の人々”を捉えたドキュメンタリー。パンを焼く人、香水を売る人、そして個人商店の店主や店員たち……モンパルナスの一角に佇む街角には、さまざまな人生の物語があります。労働者たちの生活を美化せず、でもマジカルに映し出すことで彼らのストーリーを提示する、彼女の美意識に敬服します」。生涯現役を貫き、2019年に90歳の人生をまっとうした名匠が遺した、傑作ドキュメンタリー。半径500mに広がる“小宇宙”さながらのパリの下町を、温かくも冷徹な寓話的タッチで描き出している。

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『ダゲール街の人々』●監督/アニエス・ヴァルダ●1975年、フランス映画●本編79分●DVD¥5,280●発売:シネマクガフィン●販売:紀伊國屋書店

山崎まどか (コラムニスト)MADOKA YAMAZAKI女子文化やユースカルチャーを主なテーマに執筆。近著に『ランジェリー・イン・シネマ』(ブループリント刊)

※『フィガロジャポン』2021年7月号より抜粋

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