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もしやネグレクト? 近所で“放置子”を見かけたときの対処法

  • 2015.7.8
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【ママからのご相談】

数週間前の休日、年少になる娘と近所の公園で遊んでいると、「一緒に遊ぼー」と女の子がやってきました。小学校低学年くらいの子です。「いいよーお名前は?」と、最初は楽しく遊んだのですが、その子から変な匂いがするのに気付きました。 よくよく見てみれば、髪の毛もお風呂に入っていない感じで、服も洗ってもらっているのか疑わしい様子です。「おばちゃんのおうちはどこなの?」と聞かれたので、つい教えてしまったら、次の日から毎日のように家にやってくるようになりました。子ども相手だしむげにもできず、強く言えない私も悪いのですが、正直面倒くさいと感じています。毎日のように来るその子を見て思ったのですが、いわゆる“放置子”のようです。体に傷のような虐待の跡はないようですが、あまりにもガリガリに痩せているし、休みの日などは朝かなり早く(7時台に)やってきたり、結構夕方遅くまで家に居座っていたりもします(門限が無い?)。

私も自分の子育てに手一杯なので、深く関わりたくないのですが、その子がかわいそうにも感じます。「今後関わらないようにするべきなのかも……」という思いと、「なんとかしてあげたい!」という思いが両方で、悩んでいます。

●A. 放置子、ネグレクトも立派な虐待です!

ご相談ありがとうございます。ママライターの木村華子です。

“放置子”とは、その名の通り親から放置されている子どもを指すネットスラングです。育児放棄されていることも多く、ネグレクトの被害にあっていることが懸念されます。

“虐待”と聞けば、子どもに身体的な暴力を振るったり、性的な行為に及んだり……といったイメージを持たれがちですが、厚生労働省は虐待の定義を、

・身体的虐待

・性的虐待

・ネグレクト

・心理的虐待

の4つに分類していますので、相談者様が遭遇している女の子のケースも虐待に当てはまる可能性が考えられます。

今回は、放置子を見つけたときの対処法について考えてみましょう。

●放置子には関わらない方が良いの?

上にも書きました通り、“放置子”というキーワードはネットから発祥した言葉です。そのためか、インターネットで“放置子”と検索すれば、実にさまざまな体験談やエピソードがヒットします。

意外にもたくさんのママが遭遇している放置子なのですが、その内の多くは、「放置子に関わるとデメリットが多いから、早めに関わりを絶った方が良い」といったネガティブな意見です。放置子に関わることで発生しうるデメリットには、以下のようなものがあります。

・放置子の親に注意しようとしても、親が非常識なケースが多く、トラブルにつながる恐れがある(放置の原因に母親の浮気が関係していることも……)

・放置子は、子どもよりも大人(ママ)にかまってほしいのか、とにかく人懐っこい。粘着されると毎日でも訪れる

・家に上げると、お菓子やジュースなど食べ物をもらおうとする。勝手に冷蔵庫を開けられる

・小学校高学年になってくると、放置子本人の人格も過激になってくる。同情ができない

このような理由から、ネグレクトの被害者かもしれない子どもたちがうっとうしがられている現状があるようです。

確かに、ご自身のお子様を育児中のママにとって、他の子どものことまで心配をする余裕は少ないかもしれません。しかし、育児をしているママだからこそ、放置子を拒否してしまう自分へ罪悪感や嫌悪感を抱いてしまうこともあるのではないでしょうか。

もしも自分にできる範囲の行動があるのであれば、してあげたい、してあげるべきだと思いませんか?

●児童虐待の通告は義務付けられています

もしも放置されていると思われる子どもを見かけたら、公的機関に通告することを考えてみてください。

『児童虐待の防止等に関する法律第6条』では、“児童虐待を受けたと思われる児童を発見したものは、速やかに、これを市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所に通告しなければならない”と義務付けています。

もしも、「この子、放置子かな? ネグレクトされてる?」と感じたら、

・児童相談所全国共通ダイヤル……189(いち・はや・く)

に問い合わせましょう。最寄りの児童相談所につながります。

通告は匿名でも可能ですし、実名で通告したとしても誰が通告したかを知らされることはありません。また、もしも本当は虐待がなかった場合、つまり間違った通告であったとしても、それによって罰せられることもありません。

「わたしが通告したことがばれて、ご近所でトラブルを起こしたくない……」

「もしも虐待されていなかったら、迷惑をかけてしまうことになるかも……」

と心配される方も多いでしょうが、通告者のプライバシーはきちんと保護されているので、安心してください。

●少しの勇気で最悪の結果を防げるかもしれません

「正直、わずらわしい!」「子どもはかわいいけど、他の子まで面倒見られない……」と、マイナスな印象を持たれがちな放置子たち。しかし、彼ら自身に責任はありません。

たしかに、「あまり深入りしたくないな……」というのが大人の正直な感想かもしれませんが、そのまま拒否して終わり! にしてしまうのではなく、ぜひ勇気をもって通告してあげてください。

【参考リンク】

・第3章 通告・相談への対応 | 厚生労働省

●ライター/木村華子(ママライター)

第一子出産を皮切りに、20代後半のほとんどを妊婦生活で過ごす。自然分娩で生まれてくれた長男の後、胎盤剥離や卵管結紮など、出産での様々なトラブルやアクシデントを経験。現在は日々慌ただしい育児で経験値更新中。3人の子供達と、何考えてんのか分からない旦那様、そして自分を含めた5人の胃袋を満たすため、家事の傍らライター業をはじめました。ガーデニング、家庭菜園、料理、絵、カメラ、お酒、あとは裁縫編み物手芸工芸と、手当たり次第に手を出すチャレンジャー(飽き症)。「お母さんが楽しくないと、楽しい家庭にならんでしょ!」をポリシーに、今日も楽しく育児しています。

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