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病気の早期発見が可能!? “遺伝子検査”を受けるメリット&デメリット

  • 2015.7.8
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【女性からのご相談】

最近、親族をがんで亡くしなした。がん家系という言葉もあるので、もしがんになりやすい体質だったら、と考えると不安になってきました。最近、遺伝子検査ができるキットのようなものが出ていると聞いたのですが、病気のなりやすさも分かるのでしょうか。また、信ぴょう性はあるのでしょうか。

●A. 民間がおこなっている遺伝子検査サービスはあくまでも目安の一つです。医療機関での定期健診が大切です。

ご相談ありがとうございます。健康・美容ライターのMAKIです。

最近、ネットでも手軽に購入できて、唾液を採取するだけで検査できるということで、民間の遺伝子検査サービスが一部のメディアなどでも取り上げられています。しかし、遺伝子検査サービスは、あくまで遺伝子傾向による体質を知る検査で、必ずしも発症するとは限りません。

また、現在潜んでいる病気を調べることはできないので、定期的な健康診断を受けることが大切です。

●遺伝子検査サービスとは?

遺伝子検査は、これまで医療機関で染色体異常による先天的な疾患を調べる目的などでおこなわれていましたが、数年前から民間のいくつかの会社が医療機関を介さずに遺伝子検査をおこなうサービスをスタートし、メディアでも話題になりました。

手順としては、インターネットで検査キットを購入し、唾液を採取して送り返すだけです。数週間後に、自分の遺伝子傾向からどんな病気になりやすい体質であるか、肥満や円形脱毛症などになりやすい体質かどうかなどを細かく知ることができます。

最近になって遺伝子検査が人気だと言われているのは、ハリウッド女優のアンジェリーナ・ジョリーさんが検査を受けたことがきっかけです。彼女は2013年に遺伝子検査を受け、その結果、乳がんのリスクが高いことが分かり、予防のために乳房を切除したのです。これが話題になり、遺伝子検査に注目が集まってきたのです。

●遺伝子検査サービスのメリットとデメリット

ハリウッドセレブもやっている遺伝子検査ならメリットも多いだろうと思われる方も多いのですが、やはりデメリットもあります。そこで、遺伝子検査のメリットとデメリットをまとめましょう。

【遺伝子検査のメリット】

・自宅で唾液を採取し返送するだけで検査ができる

・検査結果から、生活習慣を改善することで病気の予防が可能

・病気のリスクだけでなく、自分の肌質や肥満傾向かどうか、頭髪に関する体質も分かる場合がある

【遺伝子検査のデメリット】

・現在潜んでいる病気が分かるわけではない

・検査会社によって検査方法が違ったり、検査ミスにより正しい結果がでないこともある

・同じ検査方法でも、検査会社によって違う結果が出ることがある

・結果では発症リスクが低くても、その後に病気の発症が明らかになる場合がある

・科学的根拠を保証できない

・法的ガイドラインが未整備で、遺伝子という個人情報の取り扱いが課題

・重大な疾患のリスクが高かった場合のメンタルケアが未整備

このように、遺伝子検査は手軽に自分の体質が分かるため、楽しい一面もありますし、生活習慣病などの病気を予防する方法の一つとして使える可能性はあります。

しかし、法的な整備が整っていないため、検査結果をどう受け止めるか、どう利用するかは、検査を受けた本人が前もって考えておかねばならない側面もあります。

がん家系や糖尿病の家系の方は、確かに遺伝でその病気になりやすい体質はありますが、それだけで発症するのではなく、肥満や喫煙などの不摂生も重要なリスク因子です。したがって、病気の早期発見、早期治療のためには、健康診断など定期的な健診が最も大切です。

【参考リンク】

・遺伝子診断 | 東京女子医科大学 遺伝子医療センター

●ライター/MAKI(健康・美容ライター)

患者さんと直接対面して接客する機会の多い職場を希望し、調剤薬局やドラッグストアで薬剤師として勤務。大手化粧品会社の勉強会などにも積極的に参加し、美容分野の知識を深める。結婚を機に退職。単なる職場復帰とは違う新しい働き方を模索し、現在は育児のかたわら、資格や経験を活かしてフリーのママライターとして活動中。医療・美容分野だけにこだわらず、様々なジャンルのコラムも執筆する。

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