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気持ちの問題じゃなかった…! 「集中力、モチベが続かない」意外な原因 #119

  • 2021.8.1
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時間はあるのになぜか集中できず、やるべきことがすべて終えられなかった…多くの人が当てはまるかもしれません。そこで、漢方薬剤師の大久保愛先生が、「集中力を高められる」簡単な方法を教えてくれます!

ひとつのことに、集中できていますか?

【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 119

突然ですが、昨日一日やろうと思っていたこと、全てこなすことができましたか? これは、永遠の課題かもしれませんね。ですが、やらなければならないことが複数あり、時間はあるのに集中力が足りなくて、こなすことができない日には少し反省してしまいますよね。

気合いってどうやって入れるんだっけ? と考えてしまうほどエンジンがかからない日には、もしかすると単純に栄養素が不足しているのかもしれません。午前中は体が動かない、食後には眠くなる、寝るタイミングで目が冴えるといいう迷惑なカラダになっている人は、栄養バランスに気をつけてみましょう。とくに、女性の場合は毎月生理があるので、栄養が不足している人は生理前、生理中、生理後まで集中力の低下を長引かせてしまうことがあります。

そこで今週は、夏バテぎみで集中力が低下し、時間を無駄にしてしまっている人のための食薬習慣を紹介します。

今週は、集中力を高める食薬習慣

あ、もうこんな時間! と毎日時間が過ぎるのは早いですよね。面倒なことや何かを待つ時間はすごく長く感じるのに、集中できていないときの時間が過ぎていくスピードはあっという間です。なんとか集中力を取り戻し、タスクを早々に終え自分の時間を確保したいですよね。

そして今年の夏は、ステイホームとオリンピックが重なり、家の中で長時間テレビを見ながら何かをつまんで過ごす人も多いと思います。そして、こういうときの食べ物は、つまみやすいお菓子だったりお酒だったりするのではないでしょうか。そのせいか、食事のタイミングにはお腹がいっぱいになり、食事が素麺や冷やし中華などあっさりサラサラと食べられるものに偏ることもあると思います。

すると起こるのが漢方でいう『血虚』という状態で、集中力の低下や睡眠の質の低下を招きます。栄養素としては、タンパク質、ビタミンB群、鉄やマグネシウムなどのミネラルの不足が該当します。そこで、今週食べるとよい食材・メニューは、【枝豆と牛肉の炊き込みごはん】です。

食薬ごはん【今週食べるとよい食材・メニュー:枝豆と牛肉の炊き込みごはん】

お米を炊くときにひと口大にカットした牛肉、枝豆、舞茸、昆布、生姜をお好みで入れ、一合に対して醤油・みりん・酒を各小さじ1くらいを目安に入れて炊きます。味が足りなければお塩で調整してくださいね。集中力がない時には、炊飯器の中に栄養がとれるものをたっぷり入れて炊き上げてしまうのが簡単です。仕上げに、すり胡麻、大葉、ミョウガ、韓国海苔、アマニ油などをお好みでトッピングしてみてくださいね。

【枝豆】

夏が旬の枝豆は、夏に必要な栄養素を含んでいます。『血』を補うタンパク質、ミネラル、ビタミンB群を豊富に含みます。また、お酒との相性も良く、肝臓の機能を助けるメチオニンも含むためおつまみにも最適です。

【牛肉】

動物性たんぱく質として代表的な牛肉ですが、『血』を補うために必要な鉄やマグネシウムなどミネラル、タンパク質、ビタミンB群が豊富です。また、冷房で滞ってしまった血流を促すユビデカレノンという成分も含んでいます。

今回紹介した炊き込みごはんのベースはどんな具材とも相性がいいです。千切りの生姜、醤油、みりん、酒を同量ずつお米を炊くときに入れて、季節や体調にあった具材をたっぷり入れると体調管理に役立つ炊き込みごはんが完成します。自分の体にあった炊き込みごはんのアレンジをいろいろ試してみてくださいね。ほかにも炊き込みごはんのレシピは、『不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。

※食薬とは…
漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか? 一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。

月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。

つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。

Information

大久保 愛 先生
漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。
公式LINEアカウント@aika

『1週間に一つずつ 心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。

『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)
体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。

©Jamie Grill/Gettyimages
©Westend61/Gettyimages
©Westend61/Gettyimages

文・大久保愛

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