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東京での「クマ目撃」今年度すでに60件も 首都に潜む、意外な“野生動物”の危険とは

  • 2021.8.1
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2021年6月に札幌の市街地に野生のクマが出没し、世間を騒然とさせました。しかし、東京だって油断はできません。東京の西側、山林の多い地域にはツキノワグマが生息しており、目撃情報も多数あります。今回は、東京にも出没する野生の動物を紹介します。

東京で確認されたクマ被害

東京オリンピックの開幕と、新型コロナウイルスの感染拡大で、テレビやインターネット上のニュースはもっぱらこのふたつの話題で持ちきりです。

1か月前のニュースもすでに思い出せないほどですが、2021年6月に全国の注目を集めた話題のひとつに札幌市内での野生のヒグマの出没がありました。

住宅地を勢いよく走り回り移動するクマの映像が報道され、一時騒然となったのを思い出す人も多いのではないでしょうか。

ただ、たいていの人は「北海道だからクマが出ても不思議ではない」と油断して見ていたかもしれません。しかし東京在住であっても、のんきに構えてはいられません。

なぜなら、実は東京は世界的に見ても珍しい「クマが生息する首都」だからです。

東京でもさまざまな野生動物が目撃されている(画像:pixabay)

東京で主に生息するのは、ツキノワグマ。奥多摩町、檜原村、あきる野市、青梅市、八王子市、日の出町などの森林で確認されています。

ツキノワグマは人間が近づくと逃げてしまう臆病な性格と言われています。北海道に生息するヒグマと比べると、体格は小柄です。

こう聞くと「人間に害を与えることはないのでは?」と思ってしまうかもしれませんが、油断は禁物。ツキノワグマは鋭い爪と歯を持ち、時速40kmものスピードで走ります。

過去には人的被害も報告されている

子連れの母グマの場合、子どもを守ろうとする本能から興奮しやすく、遭遇すると攻撃してくる恐れが高いため、非常に危険です。また泳ぎも得意で、奥多摩湖を泳いで渡ったという情報も寄せられています。

実際2021年4月以降、7月29日(木)までのおよそ4か月間で、東京都ではすでに計60回もツキノワグマの目撃情報が寄せられており、特に東京の西側の地域に住む人々にとってクマは遠い存在ではありません。

2008(平成20)年には、奥多摩湖付近で男性が子連れの母グマに顔面をかみつかれ重傷を負った事例があります。また人間に直接危害を加えずとも、農作物や樹林が荒らされる被害が毎年報告されています。

奥多摩(画像:写真AC)

奥多摩は、都内で自然を身近に感じられる場所として人気のレジャースポット。楽しいイベントを無事に終えるために、ツキノワグマが生息する可能性のある山林に入るときは自分の存在をクマに知らせることが大切です。

クマ鈴を付けて鳴らしたり、大きめの音量でラジオや音楽をかけたり、手を叩きながら歩いたりと、音を立てて動くのがよいとされています。

自然は決して人間だけのものではありません。万が一のために事前準備は怠らないでください。

実は害獣、かわいいイメージのアライグマ

キャラクター「あらいぐまラスカル」のかわいいイメージとは裏腹に、現実の世界のアライグマは害獣に指定されている動物です。

もとは北アメリカ原産の外来種ですが、ラスカルのかわいらしいイメージが広がったことにより日本ではペットとしての需要が高まり、大量に持ち込まれるようになりました。

アライグマ(画像:ぱくたそ)

しかしアライグマは成長するになるにつれて気性が荒くなり、育てるのが難しいため、逃げ出したり捨てられたりしてしまい、野生で繁殖。結果的に現在は日本の農業にも生態系にも大きな被害を及ぼす害獣として扱われるようになってしまいました。

先ほどのツキノワグマと違い、アライグマは23区内でも多く確認されます。なんと、都内の一等地、港区赤坂の繁華街で目撃されたことも。

雑食のため、農家のぶどうやスイカを食べたり、生ゴミを荒らしたり、絶滅危惧種のニホンザリガニを捕食したりと、毎年かなりの数の被害が出ます。また、農作物や人への感染症を広める危険性も危惧(きぐ)されており、厳重な対策を必要とする野生動物です。

タヌキにそっくり? ハクビシン

ハクビシンと聞いて、どんな動物なのかパッと思い浮かぶ人はもしかしたら少ないかもしれません。体全体は黒や茶色で、鼻から額にかけては白い線が通っており、尾が細長いのが特徴です。

原産は中国南東部や東南アジア。江戸時代にはボルネオ島から持ち込まれた記録があり、戦時中には毛皮用として輸入されていた外来種です。現在は日本のほぼ全域で分布が確認されていて、東京都内の住宅地でもハクビシンによる被害が多数出ています。

ハクビシン(画像:写真AC)

ハクビシンは何度も同じところでフンをする習性があります。ハクビシンが民家の軒下や屋根裏に住み着くと、排泄物がどんどん溜まり異臭を放つだけでなく、菌も発生します。

さらにそれを放置すると、ノミやダニが発生して健康被害が出てしまうだけでなく、住宅の木材が腐ってしまい大規模なリフォームが必要なほど建物を修理しなければいけなくなることも。

また、雑食なので野菜や果物などの農作物を食べて農業に被害を及ぼすこともあります。

基本的に、性格は人を見つけただけですぐに逃げてしまうほど臆病です。一方で、臆病ながら身に危険を感じると鋭い歯と爪を使って攻撃してくる凶暴な一面もあります。自力で対処するのはかなり危険なので、もし自宅周辺でハクビシンの被害を確認したときは、まずは専門業者や自治体に連絡しましょう。

首都・東京にひそむ野生動物たち

今回は東京にも出没したことのある野生動物を3種、紹介しました。

山林にクマが住んでいて被害が出たり、都心の住宅街でアライグマやハクビシンの被害が出たりと、東京にもたくさんの野生動物が生息しています。

動物による被害を確認したときは、専門業者や自治体に速やかに連絡をして、それ以上の被害が出ないように努めましょう。また、クマが生息する山林に入るときは、自分と動物の両方の身を守るために、しっかり対策を行うことが重要です。

もぐらー(ライター)

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