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最高の眠りにあなたを導く「ヨガニードラ」とは?

  • 2021.7.31
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質の高い眠り、最高のリラックス、自分との繋がり......これらを得るため、ハタヨガは切り上げて、ヨガニードラに進もう。夜中に目覚めることなく、ぐっすり眠れるようになるこのヨガを、講師が紹介する。

ニードラはサンスクリットで“眠り”を意味する。photo:Getty Images

ヨガニードラのクラスでは太陽礼拝もダウンドッグのポーズも行わず、参加者は目をつぶり横になっているだけだ。目的は深いリラックスを体験すること。夜は全員、すぐに眠りにつけると言う。これがヨガニードラ、別名「眠りのヨガ」が約束することだ。「1時間のヨガニードラは4時間の睡眠に相当します」と語るヨガ講師のマチウ・ワデルに説明してもらおう。

「ニードラはサンスクリットで“眠り”を意味します。しかしそれは私たちが通常考える眠りではなく、睡眠と覚醒の中間の状態、つまり潜在意識が働く状態を指します。ヨガニードラは意識を潜在意識に最も近いところへ誘導し、身体と心の緊張のすべてを解きほぐします」とワデルは言う。

そのおかげで質の高い睡眠が保証され、筋肉や感情のストレスが緩み、意志の力が強化される。初めてクラスに参加した時からその効果を実感できるという。

最高のリラックスを求めて

ワデルのクラスでは30分のヨガニードラを始める前に、必ず従来のヨガを行い、筋肉を伸ばし、身体がリラックスできる状態に導く。講師やクラスによってヨガニードラにかける時間は異なる。「ヨガニードラを行う際、第一のルールは身体を動かさないこと。二つ目は眠らないこと。リラックスしていながら、意識的な状態にあることが大切だからです」

ヨガニードラのクラスは瞑想クラス同様、まず呼吸を意識することから始める。そして次第に意識を外の世界へ移していく。遠くのものから近くのものまで、あらゆる音を聞き取ることに数分間集中し、それから意識を自分に戻す。

その後、頭から足の指まで体のすべての部分を、順にスキャンしていく。「身体の隅々まで意識を巡らせながら身体をチェックしていく作業をボディスキャンと言います。ボディスキャンは一つ一つの筋肉をリラックス状態へと導きます」とワデルは説明する。

横になったまま、次は対極にある感覚を呼び覚ます。例えば身体の重さの次に軽さを感じる、冷たさの次に暖かさを感じる、といった具合だ。「これらをフルに感じ取ることが大切です。これによって、通常は決して同時に働くことのない脳の部分に刺激を与えるのです」。目的はここでも意識の覚醒だ。

自信を得るためのイメージ訓練

身体的にリラックスする以外に、ヨガニードラは頭に描いたイメージを使って、またはクラスの始まりと終わりに決意の言葉を唱えることによって、心への働きかけを行う。

例えばクラスの最後に、ワデルは生徒に、一つのイメージを描くよう呼びかける。子どもの笑い声、庭に向かって開いたドアなどだ。「記憶は特定のイメージを伴っていて、潜在意識に仕舞い込んでしまった緊張と結びついていることがあります。深いリラックス状態の中で、つまりニードラの中で、イメージをさっと想起することによって、これらの記憶を解き放つことができます。そして夜によく眠れるようになるのです」とワデルは言う。

次にそれぞれの生徒が、自分自身の決意を唱える。これはサンカルパと呼ばれ、自分の目的に近づくために行うものだ。肯定的な言葉で、現在形で心の中で唱える。「“タバコをやめたい”と唱えるより、“私は健康になる”と唱えるのです。これこそがタバコをやめる目的なのですから。サンカルパは単なる願望よりずっと力強く効果的なものです。ヨガニードラによってリラックスした状態の中では、意識的な判断基準が取り払われているからです」とワデルは付け加える。

誰がやるべき?

「眠れない人や、ストレスを感じている人だけのものではありません。私たちは意識していなくても緊張状態にあります。だからすべての人に効果があるのです」とワデルは断言する。

ヨガニードラの動画は存在するが、できれば初回はクラスに参加し、基本を理解した上でガイドしてもらう方がいい。自分でできるようになったら、夜寝る前に行う。きっと眠りに落ちないよう抵抗するのが難しくなるはずだ。

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