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G’s FILM REVIEW 時差から生まれるトンデモキュートなファンタジー『1秒先の彼女』etc.

  • 2021.7.28
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7月のエンタメをレビュー!GINZA編集部がレコメンドする映画をご紹介。

逃げた女

結婚して5年間、一度も夫と離れたことがないキム・ミニ演じる主人公が、夫の出張中にソウル郊外で3人の女友だちとそれぞれに再会。飲んだり食べたりしながら繰り広げられる女だけのおしゃべりの時間に、期せぬ男性訪問者という邪魔が入る。自分に言い聞かせるように「愛する人とは何があっても一緒にいるべき」という夫の言葉を繰り返す彼女の揺らぎが、監督ホン・サンスの手により、繊細かつユニークにあぶり出される。
ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテほか全国公開中。
©2019 Jeonwonsa Film Co. All Rights Reserved

1秒先の彼女

90年代に“台湾ニューシネマの異端児”として注目を集めたチェン・ユーシュン監督最新作は、時差から生まれるトンデモキュートなファンタジー。冴えない日々を送る30歳独身の郵便局員シャオチーがハンサムなダンス講師と急接近。バレンタインデートの約束をするが、目覚めるとバレンタインの翌日になっていた。何をするにも人よりワンテンポ早い彼女の消えた1日を探すトンデモ旅は、焦りがちな心を本来のペースに戻してくれる。
新宿ピカデリーほか全国公開中。
©MandarinVision Co, Ltd

アジアの天使

石井裕也監督最新作。8歳の息子を持つ青木が、妻を亡くし、疎遠になっていた兄の住むソウルに渡るが、ままならない現実は続く。同じくどん底でもがくタレントのチェ・ソルと出会い、期せずして彼女の兄妹とともに旅をすることに。何事もストレートに表現する韓国の家族と、優しくも遠回しで弱腰な日本の家族の対比が可笑しくも愛らしい。出自や言葉は違えど、杯を交わし飯を囲み、ゆるやかにつながることの心強さに触れた。
テアトル新宿ほか全国公開中。
©2021 The Asian Angel Film Partners

GINZA2021年7月号掲載

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