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お味噌汁習慣で夏こそ「冷え」対策を|せきねめぐみの、肩の力を抜くごはん

  • 2021.7.22
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皆さん、こんにちは。19日から夏土用が始まりました。土用は季節が移り変わっていくとき。今年は8月6日まで続きます。7月22日には二十四節気の大暑も迎えていますので、暑さがいよいよ本格化し夏本番が始まったというところですね。

土用の間は土を動かすなとよくいいますが、人間にとっても無理に大きな変化を起こそうとはしなくてもいい時です。自然の一部である私たちは自然界のエネルギーをつねに受けていますが、季節が変わろうとするときのエネルギーは大きなものなのです。そんな時こそ「養生」に意識を向ける。流れに逆らわず穏やかな生活をしていくことで、体の負担をなくし、心地よい状態で次の季節へと移っていきたいものです。

さて昔から「朝の味噌汁医者いらず」という言葉がありますが、日本のごはんには味噌汁がつきものでした。毎日毎食、温かくて、程よく塩気の効いたお味噌汁を一杯いただくことで、一年を通して冷えにくい体づくりが自然とできていました。持続可能な温活ですね。お椀一杯でそんなに温まる?と疑問に思う方は、試しに一杯だけを味わって食べてみると分かります。たちまち体の深部からぽかぽか温まり、ゆるんでいた体も塩気で引き締まり、血の気が通った感覚がやってくるでしょう。湯気だつお椀からこぼれてくる出汁のいい香りも、またほっとする安心感をくれますね。

ところが今ではお味噌汁を食べる習慣がぐんと減ってしまいました。こんなに手軽に、そして愛情深く私たちを温めてくれるものはないのにもったいない。「冷えは大敵」とよくいわれますが、気を付けるべきは冬だけではありません。暑い夏は外出先で冷房が効きすぎていることが多かったり、エアコンを強くしたままうっかり寝てしまったり、そもそも暑いので自然と肌の露出が多くなったり。そうこうしているうちに油断して冷え冷えの体になってしまうような原因が、夏にはいくつか潜んでいるのです。

せっかく質の良い美味しいお味噌が手に入る日本で暮らしている私たち。夏の温活には、無理なくつづけられる日頃のお味噌汁習慣をオススメします。その効果は温まるだけではありません。時間をかけて発酵させた昔ながらのお味噌には多様な微生物たちがひっそり住み着いています。これらの目に見えない無数の生き物たちが、私たちの体へ入って腸内をきれいにしてくれるんです。すると病気になりにくい体質へ変わっていくのはもちろん、体調が常にととのっていると揺らぎやすい心までもが丈夫になっていくのではないでしょうか。これが人を養い育てる食べものの力、「滋養」の力です。「滋」という字には「うるおす」という意味があります。私たちの体と心を内側からうるおし、命が満ちた状態にしてくれる力です。

数年前アトピーや様々な体の不調を発症して身も心も参っていた時、お米とお味噌汁を中心にした質素な和食をつづけることで光を見出すことができたのですが、この時ほどお味噌汁の持つ「滋味」「滋養」を実感したことはなかったかもしれません。

味噌
photo by Megumi Sekine

小さい頃からお味噌汁が大好きだった私は今も欠かさず毎日飲んでいます。お弁当の日も、お味噌汁用のタンブラーに熱々を注いだものを持って出かけます。野菜を2~3品にミネラルたっぷりの海藻やゴマを加えるだけで百点満点のバランスメニューができあがるので、手間もかかりません。それでも時間がとれないときはお味噌をお湯でといて、ゴマや干し野菜、乾燥ワカメをパッと入れるだけでもいいのです。白すりゴマを入れると風味が良くなって美味しくなりますよ。

ではここで、すこやかなお味噌汁生活を始めるためのお味噌の選び方をシェアしてみます。味噌を原材料で大きく分けると、米味噌、麦味噌、豆味噌の三つ。麦味噌は白っぽい淡い色、豆味噌は黒っぽくずっしり。米味噌はその中間くらいでしょうか。2年3年と時間をかければかけるほど発酵が進んで色が濃くなり、栄養価がアップするといわれています。

米味噌はスタンダードな味噌で、皆さんのおうちにだいたいあるのではないでしょうか。くせがなく懐かしくほっとする味です。麦味噌甘くて優しい味わい。味噌汁だけでなくお菓子の甘味付けや副菜のちょっとした味付けにもぴったりです。熟成度が高い豆味噌はずっしり濃厚で、甘辛いパンチのある味が楽しめます。冬にはこのこっくりした豆味噌でお味噌汁を飲みたくなりますね。副菜に使うなら甘辛炒めや麻婆豆腐もおすすめ。

ぜひお好みの味噌を見つけて、お味噌汁習慣でお腹から温かい夏を楽しんでくださいね。

関根愛

俳優を始めた十数年前よりアトピーなどさまざまな心身の不調を感じてきたことで、薬に頼るのをやめて自分の体の声を聴きながら養生していくために自然食を始める。「じぶんらしく生きるための食養生」をテーマにInstagramやnote、Youtubeで日々発信をつづける。マクロビオティックマイスター。映画制作者、ライター、翻訳者としても活動。座右の銘は「山動く」。

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