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vol.16 バジルのグラニータ

  • 2021.7.21
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自然からのいただきものであるハーブの力を取り入れて、心と体に優しく寄り添う「レメディ」のようなお菓子を作る〈foodremedies〉として活動する菓子研究家の長田佳子さん。砂糖にはない甘さやほのかに感じる苦味、鼻をくすぐるいい香り——。ハーブはそのときの心と体の状態によって、五感で感じ取るものが繊細に変化する奥深さを秘めた暮らしに役立つ植物です。そんな季節のハーブを使った長田さんオリジナルのお菓子のレシピを紹介するこの連載。第15回は「バジルのグラニータ」をお届けします。

This Month's Herbal Sweets

「バジルのグラニータ」

出典 andpremium.jp

暑い夏には、爽やかなバジルの香りが広がる、ひんやりグラニータを。

燦々と降り注ぐ光の眩しさに、思わず瞼を閉じてしまう夏の午後。冷房でクールダウンするのもいいけれど、「涼をとる」行為そのものをひとつのエンターテインメントにしてみたら、夏のひとときが俄然、風流なものになるはず。

体に溜まった熱気を取りのぞくために、ぜひ作ってみてほしいのが「イタリア版、かき氷」と呼ばれるグラニータ。調理に使用するハーブは、イタリア料理に欠かせない、バジルを使ってみましょう。庭やベランダで育てている人は、このタイミングで収穫を。

グラニータのベースの隠し味には、シェリー酒、レモン汁をちょっとずつ。シェリー酒がなかったら、辛口の白ワインやジンでもOK。これらを混ぜ合わせることで辛党が唸る、大人の味を引き出せます。あとは、みじん切りにしたバジル、固めたグラニータのベース、ココナツピューレをミキサーでクラッシュしたら出来上がり。透明のグラスに盛ると、ペールグリーンのグラニータが、ひと際涼やかに。

五感を刺激する、口の中に広がるバジルの爽やかな香りとシャリシャリとした食感。夏の暑さでぼんやりとした意識を覚醒してくれそうです。

バジル/熱帯アジア原産のシソ科の多年草ハーブ。バジルという名はギリシャ語の「王様」に由来して付けられたという言い伝えがあります。150種類の品種があり、そのなかでも最もポピュラーなのがスイートバジル。料理用のハーブとして、様々なレシピで利用できます。料理以外には、ハーブティーに用いても。イライラや不安、不眠症を改善する効果もあるといわれています。

レシピ 作りやすい量

・水150ml
・きび砂糖30g
・シェリー酒25mlまたは白ワイン(辛口)、ジン25ml
・レモン汁 小さじ1/2
・バジル15g
・ココナツピューレ10g

How to cook

1. 鍋に水ときび砂糖を入れ弱火にかけ、沸騰したらシェリー酒(または白ワイン、ジン)を加える。
2. 粗熱が取れたらレモン汁を加え、バットに流し冷凍庫で完全に固める。
3. バジルを枝から外し、みじん切りにしたらミキサーでペースト状にする。
4. 「2」を冷凍庫から取り出し、包丁でカットする。「3」のミキサーへ入れクラッシュし、ココナツピューレ、2の残りの氷もを加え全体をさっと混ぜ合わせる。スプーンですくい、器に盛って食す。 ※やわらかくしすぎた場合は、再度冷凍庫へ入れて固める。再びクラッシュしてなめらかにする。
4. 「2」を冷凍庫から取り出し、包丁でカットする。「3」のミキサーへ入れクラッシュし、ココナツピューレ、2の残りの氷もを加え全体をさっと混ぜ合わせる。スプーンですくい、器に盛って食す。 ※やわらかくしすぎた場合は、再度冷凍庫へ入れて固める。再びクラッシュしてなめらかにする。
出典 andpremium.jp

photo: Hiroko Matsubara edit & text : Seika Yajima
ハーブ:まるふく農園 キッチンクロス提供:FLUFFY AND TENDERLY
器:鎌田奈穂ほか

出典 andpremium.jp

<プロフィール>

菓子監修 長田佳子〈foodremedies〉
菓子研究家。レストラン、パティスリーなどでの修業を経て、YAECAフード部門「PLAIN BAKERY」でメニュー開発、お菓子の製造を担う。2015年に独立。〈foodremedies〉という屋号でハーブやスパイスなどを使ったまるでアロマが広がるような、体に素直に響くお菓子を研究している。著書に『季節を味わう癒しのお菓子』(扶桑社)、『全粒粉が香る軽やかなお菓子』(文化出版局)などがある。7月より登録制による動画配信のお菓子教室を開催。

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