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傑作時代劇『チャングムの誓い』が変えた王様・中宗のイメージ

  • 2021.7.19
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韓国時代劇を見ていると、朝鮮王朝を舞台にしたドラマで国王がよく出てくる。王宮内の人間関係を描いた設定が多いので、必然的に国王の出番が増えるのだが、中でも11代王の中宗(チュンジョン)はおなじみの国王だ。

彼が統治したのは1506年から1544年までだった。この時代には歴史的に有名な女性が多く出ている。たとえば、韓国の最高紙幣5万ウォンの肖像画になっている申師任堂(シンサイムダン)や黄真伊(ファン・ジニ)などが16世紀の前半に活躍していた。

彼女たちは時代劇の主人公になっており、そういう関連で中宗が取り上げられるのも必然的なことなのだ。

さらに、同じ時代の女性として特筆されるのがチャングム(長今)だ。彼女はとても優秀な医女であったが、歴史的に有名だったわけではない。しかし、「時代劇の巨匠」と称されるイ・ビョンフン監督がチャングムを主人公に傑作『宮廷女官 チャングムの誓い』を作り上げてからは、韓国でも一気に有名になった。

ドラマ『チャングム』ではイム・ホが演じた中宗
チャングムとめぐりあった事実

同じことが中宗にも言える。彼は歴代王の中で特別な功績があったわけではなく、それほど知名度が高い国王ではなかったが、『宮廷女官 チャングムの誓い』が大ヒットしてからは、世宗(セジョン)や正祖(チョンジョ)と並ぶほどに今の韓国で知られるようになった。

なにしろ、『宮廷女官 チャングムの誓い』に登場する中宗は、物分かりがよくて本当の名君として描かれていた。また、時代劇によく出演している俳優のイム・ホが理性的に中宗を演じて好評だった。

歴史をよく調べてみると、1544年に中宗が危篤になったときも、そばで懸命に診察していたのがチャングムだった。そういう史実に合わせて、『宮廷女官 チャングムの誓い』でも中宗の晩年をチャングムが医療的に支えていた。

中宗という国王にとって、チャングムとめぐりあった事実は、この上もなく幸せだったことだろう。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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