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「タブレットなんて仕事で使えない」と思っていた仕事術のプロが最近急に使い始めたワケ

  • 2021.7.14
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「タブレットはビジネスでは使い物にならない」そう思っている人は多いのではないでしょうか。企業に働き方や仕事術のアドバイスをする岡田充弘さんは「タブレットがブームになったとき、あらゆる機種を購入し試してみたのですが、仕事では使い道がないと判断し遠ざかっていました。それが、最近久しぶりに触ってみて、これは使えると思ったんです」と言います。その理由とは――。

タブレットでゲームを楽しむ女の子の手元
※写真はイメージです
使い道がなかったタブレット

私はしばらくタブレットの利用からは遠ざかっていました。というのも、かつてタブレット製品が世に出始めたころ、一通りのメーカーのものを触ってみたのですが、その時の印象としては「あまり仕事での使い道が無いなぁ」というのが正直な感想でした。ネットがちょっと見られたり、裁断した電子書籍を持ち運びする程度では、普段持ちする動機としては弱かったのです。

以来仕事は、パソコンとスマホの2刀流にこだわり、これらのリテラシー(活用技術)を深めていくことに注力していました。実際仕事をこなすにはそれで十分だったのです。それが最近久々に手にとってみて、ずいぶんと印象が変わりました。

そこで今回は、「なぜ今タブレットなのか?」について順を追ってご紹介してきたいと思います。

なぜ今タブレットなのか?

結論から言うと、タブレットは、PCやスマホの不足を絶妙にカバーします。

タブレットは、PCやスマホの不足を絶妙にカバーする

たとえば、スマホは唯一、片手で立ったまま使えるデバイスです。

そのため、通勤途中や日常生活のさまざまなスキマ時間を有効活用することができます。活用用途としては、関係者との連絡やアポ取り、ネット申し込み、情報検索といった、比較的短時間で実行できる簡易な仕事が向いていると言えます。

一方パソコンは両手で座って使うデバイスです。そのため他のデバイスとは利用シーンが異なります。また物理的キーボードやマウスが使えるため、集中して高品質な成果物を作りたい場合に向いていると言えるでしょう。

スマホ、パソコンに対してタブレットは、基本的には両手を用いて立ったり座ったりの状態で使えるデバイスです。スマホと比べると画面サイズも大きいため、動画や雑誌・書籍などデジタルコンテンツの消費に効果を発揮するでしょう。

また、利用するアプリによっては、パソコンで行うような仕事の一部も担うことができます。そしてタブレットならではの特徴として、他の人に画面を見せやすいため、販売員や営業マンの説明ツールにも適していると言えます。

十数年前とは雲泥の差

冒頭でも触れたように、実は私はタブレットが世の中に登場しはじめた頃に、各メーカーの製品を一通り購入したことがあります。いずれも使い道に困って、すぐに譲渡してしまいましたが……。

その一因は、専用のアプリやコンテンツ、サービスなど、主にソフト面の不足に原因があったとみています。

しかし、今はずいぶん状況が変わりました。久々に使ってみて、製品の軽さや薄さ、処理速度などハード面の素晴らしさにも驚きましたが、それまで弱点だと思っていたソフト面の不足がかなり改善されており、かつて使った時とはまったく異なる印象を持ちました。

効果的にインプットができる

たとえば、タブレットが出回り始めた当時の、EPUB(2007年に国際電子出版フォーラムが策定した、オープンフォーマットの電子書籍ファイルフォーマット規格)リーダーの使い勝手はなかなかひどかったのですが、現在はAmazonや楽天などコンテンツプラットフォーマーが独自に提供するリーダーアプリが分かりやすくてサクサク動くなど、格段に使いやすくなっています。

また、かつての電子書籍は紙書籍と比べて価格メリットが少なく、新刊が出回るのも遅かったのが、現在は定額のまとめ読みサービスや、電子クーポンのおかげで安価に読めるようになりました。発売時期についても紙とデジタルで同時発売するケースも珍しくなくなってきています。試し読み機能も以前は一部の書籍だけだったのが、今では多くの書籍に適用されて、私も本の選定をするのに助かっています。

動画視聴についても同様です。国内全体の通信環境の改善が後押しする形で、教育系YouTube動画やNewsPicksの動画配信サービスなど、仕事に使える娯楽性の高い知的コンテンツも急増し、タブレットの特徴を生かせる環境が整ってきています。

「あっ、これは使える」、気がつけば自分の専用機をすぐ発注していました。

タブレット市場のポテンシャル

それだけ使い道が見えてきたのであれば、今後タブレットが普及していく可能性についてはどうでしょうか?

タブレットの市場性については、興味深い2つのデータがあります。

一つは、総務省が令和2年に13歳から69歳までの男女1500人を対象に訪問留置調査を行って集計した「タブレット利用とパソコン利用、スマホ利用との関係」というデータです。このデータから、パソコンとスマホを併用している人が全体の31.3%、パソコンとスマホとタブレットを併用している人が16.3%いることが分かるのですが、私はこの数字の差がビジネスユースにおけるタブレット普及のポテンシャルだと見ています。

他デバイスの併用状況
伸びしろが期待できる導入効果

そしてもう一つは、インフォテリア社が2016年2月に上場企業社員1000人に向けて行ったアンケート調査による「企業のタブレット導入効果について」というデータです。

企業のタブレット導入効果

このデータについては、アンケート下位の「研修・トレーニング効果」や「営業スタッフ訪問件数の増加」を今後の成長が期待できるポテンシャルとして注目しています。

タブレットは、かつての物珍しさから購入されていたブーム期はとうに過ぎ去り、現在はさまざまなビジネスシーンで使われる普遍的な道具として確実に浸透・定着してきている印象です。普及価格帯の製品もメーカー各社より出てきているようなので、今後も利用者は増えていくことでしょう。パソコンやスマホを一通り使いこなしている方は、今のうちから慣れ親しんでおくと、仕事の仕方の選択肢が広がるのでいいかもしれません。次回は、より具体的にタブレット活用法をご紹介します。

岡田 充弘(おかだ・みつひろ)
クロネコキューブ代表取締役
外資系コンサルティング会社を経て謎解き企画会社『クロネコキューブ』を設立。700にもおよぶパソコン時短ワザを集めてマニュアル化している。著書に『その仕事1秒で終わります! 神速パソコン仕事術見るだけノート』(監修)(宝島社)『爆速パソコン仕事術』(ソシム)『結果もスピードも手に入る 神速スマホ仕事術』(すばる舎)『やりたいことを全部やれる人の仕事術』(PHP研究所)『やめるだけで成果が上がる仕事のムダとり図鑑』(かんき出版)ほか。

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