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ケリーの留め具が輝くジュエリーに。エルメス本店で展示中。

  • 2021.7.9

パリ、フォーブル・サントノーレ通り24番地のエルメス本店2階において、7月17日まで新しいジュエリーのコレクション「Kellymorphose」が展示されている。バッグの「ケリー」と、メタモルフォーズを合わせた名前がついたコレクション。「ケリー」がカデナ(南京錠)、留め具、キーケースのクロッシュ、ベルトが持つ機能性に美しさを与えたことに着目したクリエイティブディレクターのピエール・アルディが、それをジュエリーに昇華させて生まれたシックなエルメスならではのジュエリーコレクション。「ケリー」を手首、指先、首回りで遊ぶ……自由なエスプリが心を弾ませるジュエリーの数々だ。

左はKelly Gavroche(ケリー・ガヴロッシュ)のネックレス、右はKelly Clochette(ケリー・クロシェット)のネックレス。photos:Maud Rémy Lonvis

マチアス・キスが作り上げた会場内、ケリー・バゲット、ケリー・ガヴロッシュ、ケリー・クロシェットなどといったテーマごとに展示されるジュエリー。各ショーケースの中で照明を浴びたジュエリーが浮き上がる様子は、近付いてジュエリーを見る前から来場者を興奮させる。会場の中央でひときわ白く輝いているのは、ケリー・ガヴロッシュのネックレスだ。「ケリー」の革ベルトをくるりと結んだフォルムを作り上げるのは、1771個のダイヤモンド(合計74.32カラット)を並べたホワイトゴールドのネックレスである。そのしなやかさ、つい結び目を解いてみたくなるほどだ。留め具部分にあしらわれたダイヤモンドはバゲットカット。ひと粒ずつが光を受ける面も大きく、ベルト部分のダイヤモンドとのコントラストが美しい。

ケリー・ガヴロッシュの展示。ネックレスを中央に、左はダブルフィンガーリング、右はペンダントイヤリング。

アルファケリーを始め、このコレクションでもシルバーのジュエリーを見つけることができる。ハイジュエリーの世界では珍しいことだが、エルメスではイエローゴールドやホワイトゴールドなどと同等に扱われるメタルである。ゴールドでは表現できないパワーでチェーンとカデナをシックに輝かせるシルバーにあらためて注目したい。

左:Alphakelly(アルファケリー)のシルバーのロングネックレス。このコレクションではカデナはジュエリーの留め具としての機能も果たしている。右:ケリー・クロシェットのダブルフィンガーリングも素材はシルバー。photos:Maud Remy Lonvis

Kelly Hは、部分ではなく「ケリー」そのものをジュエリーに。左はピンクゴールドとピンクサファイア、右はシルバーだ。

バッグの鍵を収納するレザーケースをプレシャスメタルに変身させたケリー・クロシェットのブレスレットやペンダントも魅力なら、ピンクゴールドとブラックスピネルの組み合わせがミステリアスに輝くケリー・バゲットのブレスレットや指輪、自由にアレンジして遊べるボディジュエリー……。ピエール・アルディがいまは亡きジャン=ルイ・デュマ・エルメス社長から託されたのは、ヴァンドーム広場とは反対のジュエリー。反対というのは、石からデザインするのではなく、フォルムが先にあり、それに石を合わせるということだ。その真髄を突きつめ2年ごとに発表されるジュエリーコレクションを、この機会に。

ケリー・バゲットより。ブラックスピネルとローズゴールドのブレスレット(左)、ローズゴールドとバゲットダイヤモンドの組み合わせ。photos:Maud Remy Lovis

左:Kelly Gourmette(ケリー・グルメット)のローズゴールドとダイヤモンドのブレスレット。ケリーバッグと同じデザインの留め具で開閉する。右:ケリー・クロシェットのダブル・ブレスレット。ホワイトゴールドとダイヤモンド。

ローズゴールドとダイヤモンドを組み合わせたチェーンのシリーズはKelly Chaine(ケリー・チェーン)。左はネックレス、ベルトに分けても使えるボディジュエリー、右はタイ・ネッレス。photo:(左)Mariko Omura 、(右)Maud Remy Lovis

Hermès24, rue du Faubourg Saint-Honoré75008 Paris営)10時30分〜18時30分休)日

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