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肉食をやめても健康的な人と、そうでない人の差はどこに?

  • 2021.7.9
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さて、肉食をやめることで身体にどんな変化が起きるのか?前回は、「肉」と言っても質によって違うことをお伝えしました。今回お話したいのは、「人」によって、同じことをしても結果が変わるということ。

「私、ベジタリアンです」という人を見て、ものすごく「枯れている」と感じたことはないでしょうか?肌のツヤがなく、シワが多く、ガリガリで、何だか生気が感じられないという人。一方で、とても健康的で美しく、エネルギッシュな人もいます。

この違いの原因のひとつが、「腸内フローラ」の差です。

photo:iStock

腸内フローラとは、腸内に暮らす常在細菌のことですが、その種類は人によってバラバラです。食べ物に含まれる栄養素は、そのまま人に吸収されるわけではなく、腸内細菌によって食べられ、発酵し、その結果、栄養素が増える場合も減る場合もあります。

たとえば、動物性の食品からでないとなかなか摂れないと言われる「ビタミンB12」。この栄養素はベジタリアンに不足すると言われています。遺伝物質DNAや、血液の合成、脳や末梢神経の機能の維持や修復にも不可欠で、不足すると、貧血、身体の痺れや痛みなどが出て、疲れやすくなります。

また、月経のある女性に不足しがちな「鉄」も、動物性の鉄に比べて植物性の鉄は吸収しづらいという特徴があるため、ベジタリアンは不足ぎみ。鉄とビタミンB12の両方が不足して貧血になっている場合もあります。

すると、「顔色が悪く、元気がないうえに、老けている」。そんな印象を与えてしまうことになります。

ただし、肉食をしなくても、栄養素が不足しない人もいます。なぜか?それは、腸内細菌が、ビタミンB12などのビタミンやミネラル類を合成してくれている場合です。ビフィズス菌を代表として、腸内細菌の中にはビタミンやミネラル類を合成することのできる種類があります。彼らがしっかりと活躍できる腸内環境であれば、ベジタリアンでも栄養不足になりづらいのですね。

photo:iStock

腸内細菌検査をすると、ビフィズス菌がまったくいないという人も数%見られます。この場合は、完全なベジタリアン生活を送るにはちょっと注意が必要で、サプリなどで栄養補給をしないと不健康になる可能性があります。また、ベジタリアンと言いながら、精製されたパンや麺類、砂糖たっぷりのスイーツといったものを食べすぎていると、腸内でカンジダ菌などが増えて、腸内環境が悪化します。すると、腸内でのビタミン類の合成やミネラルの吸収率が低下して、栄養を摂っても消えてしまうことに。

「ベジタリアン」と言いながら、不健康で腸に悪い食生活をしていてはまったく意味がありません。「ベジが善」「肉食が悪」とも言えません。自分の腸内環境を知り、改善しながら、自分に適した食生活を見つけることが大切です。腸内フローラ検査のサービスを利用して自分の腸内環境を知ったり、分子栄養医学(オーソモレキュラー医学)による栄養解析をクリニックで受けると、自分の腸内環境を踏まえて栄養がしっかり足りているかどうかが分かりますよ。

もちろん、「環境にも配慮しながら」というのが、プラネタリー・ヘルス的にはベストです。

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