『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』に出演、女優としての新境地を開いたエリザベス・オルセンにインタビュー。

エリザベス・オルセンに熱視線が集まっている。『マーサ、あるいはマーシー・メイ』の演技力が話題を呼び、最強ヒーローが大集合し全世界で大ヒット中の『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』では新キャラクー、スカーレット・ウィッチを演じている。オルセン姉妹の妹として幼い頃からスポットを浴びていながら、シャイで真摯な佇まいがとても初々しい。「姉たちから、必死に取り組めば、夢は必ず叶うということを学んだの」というエリザベエスに聞いた今作品とプライベートのこと。

Elizabeth Olsen／エリザベス・オルセン
1989年、アメリカ、カリフォルニア州出身。ファッション界のカリスマ、オルセン姉妹を姉に持ち、幼少の頃から映画やPVなどに出演していたが『マーサ、あるいはマーシー・メイ』（13）で本格女優デビューし、インディペンデント・スピリット賞主演女優賞などの候補となった。続いて韓国映画のリメイク『オールド・ボーイ』（14）、『GODZILLA ゴジラ』（14）に出演し、新進演技派女優として注目を集めている。

ー メガヒット作品の第２弾で新キャラクターを演じたことは、どういう経験になりましたか。

エリザベス・オルセン（以下、E）：「小さい頃から『スター・ウォーズ』が大好きだったし、脚本を読んで世界に魅了されたから。これまでの作品で私は精神を病んだり、壊れたりする役が多くて、自分の演じるキャラクターにこれほど強さやパワーを感じたことがなかった。だから毎晩、現場から帰りながら、自信に満ちあふれた自分を意識するのが新鮮な経験でした」

ー あなたが演じたスカーレット・ウィッチという役の魅力は？

E：「スカーレット・ウィッチは森羅万象とつながっていて、超能力で人の心を操ることができる。映画の中盤、ストーリーラインを大きく変えるほど大きな特殊能力なの。でも彼女自身がその能力に完全には気づいていないところや、彼女の心の旅も私にとっては魅力的でした」

ー そんなスカーレット・ウィッチを演じる上で、役になりきるための手助けになったアイテムはありましたか。

E：「なりきりアイテムと呼べるのがブーツでしたね。これを履かずにリハーサルしても、ファイトシーンを筆頭になぜか決まらないの。どういうわけか履いて立つと両足の間隔も広くなり、ブーツの重さによって、より地に足がつくというか、身体の動きを感じさせてくれて。あとは彼女の特殊能力が暴走しないようにつけさせられるグローブも演じる上で力になりました。
あと、スカーレット・ウィッチがソコビアという東欧をイメージした架空の国の出身ということで、双子の弟のクイックシルバー役のアーロン・テイラー＝ジョンソン（『キック・アス』）と東欧訛りを研究したの。東欧ではないけれど、昔、ロシアに留学して、ロシア映画史やロシア演劇史を勉強していたことも、多少、役立ちましたね」

ー 演技をはじめたきっかけは、やはり有名なお姉さんたちからですか？

E：「もともと幼い頃から演技はやりたいと思っていたけれど、プロの子役にはなりたくなかった。スポーツもバレエもやりたかったかし、学校が大好きだったから、子役に徹することはできないし、両立もできないとわかっていたから。プロとして女優業を目指すようになったのは、それから大分経ってから。学業を優先しながら学外の演劇学校に通い、ニューヨーク大学の演劇科在籍中に映画デビューしてからが本格的なスタートラインね」

ー お姉さんたちからはどんな影響を？

E：「もちろんファッションに関して、姉たちから受けた影響はすごく大きい。でもファンションに限らず、インテリアやデザインの分野でも彼女たちは本当に趣味がいいの。あの"審美眼"というか、センスは私も欲しいけれど、残念ながらその才能は受け継いでいないみたいです（笑）。絶対にやりたいという意思があれば、努力と鍛錬を重ね、必死に取り組めば、夢は必ず叶うということを姉たちから学びました。だから幼い頃から学業、スポーツ、演劇、ダンスなど、自分がやると決めたことに関しては全身全霊でぶつかってきたんです」

ー 今、旅したい場所がありますか？

E：「今回の撮影場所のひとつとなったイタリアをくまなくめぐる旅をしてみたい。幼い頃は歴史にあまり興味がなかったけれど、今は旅を通して、その土地の文化を知ることにとても興味があって。役者としても、常にその場で目の前に広がる様々なものからインスピレーションを受けていたいと思います」

『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』
2015年7月4日（土）より、全国ロードショー
marvel.disney.co.jp/movie/avengers.html

photo：KENTA AMINAKA, texte：REIKO KUBO