1. トップ
  2. 恋愛
  3. 好きと言ってこない彼のホンネを男性目線で教えてください【ひとみしょうのお悩み解決】

好きと言ってこない彼のホンネを男性目線で教えてください【ひとみしょうのお悩み解決】

  • 2021.7.2
  • 2837 views

“【お便り募集】文筆家ひとみしょう お悩み解決” に送っていただいたお便りの中から、お悩みをひとつピックアップしてひとみしょうさんがお答えします。

「春さん37歳」のお悩み

彼の気持ちを男性目線で教えて頂きたいです。

私と彼は20年前に、私の元カレの友達として出会いました。私が結婚する前に主人と大喧嘩をした事があり、別れたらおいでと言ってきたり…友達の元カノじゃなかったら告白してたと言われたりもしました。結局私は彼のもとには行かず、お互い別々の人と結婚しました。

お互い結婚してからはほとんど連絡もとっていませんでしたが、たまに会うと『お互い離婚して一緒になろう』とは言われたりしました。

彼は家庭が上手くいってなくて、先月離婚したんです。離婚した頃から連絡を取るようになり、頻繁に会うようになりました。彼は離婚して家が散らかっているので、鍵を渡すから片付けに来てと言ってみたり、子供が成人したら一緒になろうと言ってきたりします。

離婚した寂しさからこんなことを言ってきてるのでしょうか?今彼は再婚する気がないので、結婚したいと言わない私が楽で良いのか、ただセックスしたいたけなのか、本当の気持ちを言ってきているのかがわかりません。

先日私が離婚したら好きって言ってくれる?と聞いたところ、言うよ!と返事は返って来たのですが…好きと言葉に出して言われたことがないので、彼の気持ちがわかりません。

彼がどういう気持ちなのか、男目線で教えて頂けたら嬉しいです。

〜ひとみしょうのお悩み解決コラム〜

彼は春さんのことが好きだけど、どうすればいいのかわかっていない、ということです。

彼のホンネ

男性目線でお答えします。

女性が、彼との関係において、わりと性急に結論(のようなもの)を求めるのに対し、男性の態度があいまいだというのは、わりとよくあるパターンですが、男からすれば、結論を急がれてもどうにもできないのです。

なぜなら、自分がこの先どう生きていくといいのかが、いまいちよくわかっていないからです。

なので、春さんが彼に「結婚したいと言わない私が楽で良いのですか?」と尋ねたところで、そうとも言えるしそうでもないとも言える、としか言えないのです。

また、「私とただセックスしたいたけなのですか?」と尋ねたところで、セックスしたいけど、したいだけで君と一緒にいるわけではないのだよ、としか言えないのです。「それ、本当の気持ち?」と春さんが彼に詰め寄ったところで、「本当<だと思う>」としか言えないのです。「淋しいから一緒にいるの?」と尋ねても、「淋しいといえば淋しいけど、でも淋しさだけで一緒にいるわけではない」という答えしか返ってこないでしょう。

彼のホンネを精神分析すると・・・

そのような彼のホンネを精神分析すると、彼は自分の人生に絶望していると言えます。

春さんとの関係に絶望しているとか、春さんに絶望しているということではなく、彼は自分の人生に絶望しているのです。

自分に絶望している人の特徴は、ふるまいがあいまいだ、というものです。ようするに、毎日、毎時間「なんか淋しい」ので、今自分がなにを為すべきかが自分でわからないのです。

毎日、毎時間「なんかちょっと淋しい」のですが、なにがそんなに淋しいのかわからないことがつらいのです。

だからじつは、彼はそういう自分と一緒にいてくれる春さんに感謝しているのです。「ありがとう」と思っているのです。がしかし、この先、春さんとどういう関係になりたいのか、なるべきなのかが、自分でよくわからないのです。

女性が不安になる理由

冒頭に、「女性は彼との関係において、わりと性急に結論(のようなもの)を求める」と書きましたが、女性から見たら、「それでふつう」であって、彼の煮え切らないふるまいが「へん」に見えるかもしれませんね。恋愛におけるふたりの関係はつねに相対的なものだから。また、自分に絶望しているその度合いは、人によってちがうから。

そのちがいが、恋愛関係にあるふたりのふるまいのちがいや、温度感のちがいとして現れるのです。

一般的には、女性のほうが「今ここ」という感覚を強く持っていますから、女性のほうが彼との関係に気を揉んで、こうやって相談してきます。

いえ、男性だって彼女との関係に気を揉んでいるんですよ。彼は春さんのことを、彼なりに、精一杯考えているのです。

でも、男性はどうしても、「今ここ」よりか、過去のことと未来のことに気持ちがいってしまうので、どうしても「実際に誰かに相談する」よりか、ひとりで過去を回想したり、将来のことを思ったり、というようなことに時間を費やしてしまうのです。

「女子ははっきり言ってくれないとわからないの」

解決法はひとつ。

春さんが彼に「女子ははっきり言ってくれないとわからないの」と言うことです。20年以上の付き合いだから言えますよね?

男は、そうやって女性にハッキリと言われて(叱られて?)はじめて、「今ここ」を認識します。生き惑っている頭をフル回転させて、なんらかの答え(のようなもの)を述べます。

同じことを別の言い方をするなら、「男性が引っ張っていってくれる」恋愛なんて、ただの幻想にすぎない、ということです。

「今ここ」の感覚に乏しい男どもは、「今ここ」の感覚がないとやっていけない恋愛を、引っ張れるわけがないのです。

もっと広く言えば、仕事においても同じです。男はつねに、過去のことを思い(前例主義)、未来のことを憂い(忖度主義)、その必然の結果として、今やるべきことをやらないのです。

そんな男が仕事をしていたら当然のように問題が起きますが、その問題を処理するのは決まって「今ここ」の感覚がすぐれている女性です。

つまり、本当は女性のほうが聡明なのです。男はそのだらしなさを隠すために「家父長制」をでっちあげたのです。

それも崩壊しつつある今とは、春さんが春さんの本領を発揮する時だと言えます。

彼と末長く仲良くしてくださいね。

(ひとみしょう/作家・キルケゴール協会会員)

元記事で読む
の記事をもっとみる