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不倫相手に本気になってゆく男性のホンネとは?【ひとみしょうの男ってじつは】

  • 2021.6.30
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不倫相手の男性にもっと本気になってもらって、やがては彼と結婚したいと思っている女性もおいでかと思います。

そこで今回は、不倫相手にどんどんのめり込んで本気になってゆく男性のホンネについてお届けしましょう。

基本的には「きみが好き」

不倫相手にどんどんのめり込んで本気になってゆく男性のホンネとは、基本的には「きみが好き」というものです。

好きだからどんどん不倫相手にのめり込んで本気になってゆくのです。

がしかし、ことはそう簡単ではありません。

彼は「今の自分」から逃れたいと必死なのです。不倫相手の彼女のことよりも、自分のことで精一杯なのです。

今の妻との「この」生活から逃れたい。「この」妻と「しか」一緒にいることのできない自分から逃れ出たい。そこから逃れて「新しい」「なんらか別の」自分になりたい。そのためには不倫相手である彼女が必要だ。

彼はこう思っているのです。

人が不倫する理由

不倫とは、「この」自分ではなく「別の」自分になりたいと夢見て行われるコトです。

住む家もあり、家に帰れば奥さんと子どもがいて、食べるものもあり、仕事もあり、場合によっては500万円くらいする車を所持しており、それで十分なのだけれど、でも「この」生活ではない「理想の」生活に行きたい。人はこう思って不倫するのです。

このことを、キルケゴールという哲学者は「絶望」と呼びました。

人は「自分に」絶望している。すなわち「この」自分ではなく「なんらか別の自分」になりたいと思っている。わりと手っ取り早く「別の自分」になるためには、第三者の協力が必要だ。それは不倫相手だ。こう思って人は不倫をするのです。

不倫がハラハラドキドキする理由

だから不倫はハラハラドキドキするのです。

「この」自分以外の「別の」自分なんて、存在しないにもかかわらず(人は誰しもこの自分を生きる他はないから)、別の自分を追い求める。すなわち幻を追い求める。だからハラハラドキドキするのです。

幻なんて、手が届きそうに思えた次の瞬間には遠くになりますからね。また、遠くに思えた瞬間、すぐそばにあるように思えますからね。だから、不倫しているあいだじゅうずっと、ハラハラドキドキするのです。言い方を変えるならときめくのです。

不倫を止める方法

誰だって、多かれ少なかれ閉塞感を感じつつ生きているのだから、「別の自分」を夢見ることがあるでしょう。どんなに人格ができている人であっても、幻を見て、そこに向かって突き進みたいとの衝動に駆られることがあります。

でもそこで、不倫をする人としない人に分かれます。

不倫をしない人は倫理観がしっかりしている、ということではありません。

不倫しない人は、自分「を」生きるしかないと思っている人です。また、「この自分を生きるのはなんかうんざりするけど、でも、まあ、この自分でもいいか」という気持ち、すなわち「自己肯定感」を持っています。

倫理観ごときで不倫は止められないのです。

今の世の中は、不倫を倫理の方面から断罪することしかしないので、不倫は倫理観ごときで止めれないと聞くと「え?」と思うかもしれませんが、でも実際には、不倫を止めさせているのは、わたしたちの心の中にある自己肯定感なのです。

この自分はなんだかボロっとして冴えないけど、でもこの自分を今日も生きようか。

こう思える人は不倫しません。絶望を自分でどうにかする技を持っているからです。

※参考 ひとみしょう『自分を愛する方法』玄文社

(ひとみしょう/作家・キルケゴール協会会員)

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