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ライターYの京都通信 チャリで回って見つけた素敵なモノVol.8 もはやアートな〈花手水〉

  • 2021.7.1
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世界的な観光地であり、女子の永遠の憧れ、京都。この街にお引越し(予定)のライターYが、ストリートから神社仏閣まで、初心者目線で見つけた気になるモノやスポット、イケてる人たちなどなど、フリースタイルでご紹介します。今回のテーマは、神社仏閣で見られるアートな花の仕掛け・花手水について。前回は〈夷川通〉。

突然ですが、みなさん「花手水」って知ってますか?もともとは神社仏閣の手水舎(参拝者が身を清めるための水鉢)で手を洗い清める代わりに、草花の露で清める行為といわれていますが、最近はそれが進化。お供えものの生花を浮かべて、彩りや季節感を楽しむようになり、その映えっぷりがインスタなどでも話題に。そして京都は花手水の本場(?)とも言われていて、遭遇率がとても高い。

京都の花手水の(勝手に命名)二大巨頭といえば、東福寺の塔頭(寺院の敷地内にある子院)・勝林寺と、梅林や骨董市でも知られる北野天満宮。どちらもボリュームたっぷりの生け方で、とにかく鮮やか。

勝林寺では、季節の花々を取り入れた花手水が通年で楽しめます。この日は紫陽花、ピンポンマム、芍薬、ガーベラ、テッセンなど。お花の入れ替えの日程は公式インスタで告知。

カラフルさでは京都の花手水随一⁉︎インスタライブも不定期でアップ。

メジャーな観光地から少し離れた静かなお寺なので、花々の存在感がより際立ちます。

こちらは北野天満宮の花手水。他にくらべて高さがあって、ダイナミックなのが特徴。

生け方は錦の生花店〈花つね〉。このバージョンは6月上旬のある日のもの。定期的に入れ替わるので、公式インスタを確認してみて。

境内には、神使とされる牛の像「なで牛」がたくさんあり、体をなでるとご利益があるとされています。

花手水を始めたのは昨年6月で、こちらはその頃撮影。学問の神様として知られていますが、もともとは清めや祓いを信仰の柱とする北野天満宮。新型コロナウイルスの“退散”と、人々の癒しに、という願いが込められているのだそう。

京都市内には、ほかにも色々な趣向を凝らした花手水が。

嵐山の二尊院は、比較的静かな雰囲気で参拝できる天台宗のお寺。現在開催されている「花と水の京都」(9月30日まで)の期間中、季節の野花を取り入れた花手水が。

二尊院のさらに奥にある祇王寺は、苔のお庭が風情たっぷり。つくばいのお花も、凛とした美しさが際立ってました(6/7撮影)。

比叡山延暦寺を本山とする真正極楽寺(真如堂)にて。控えめだけれど、配置が絶妙。

別な日にお散歩がてらお参り。梅雨のシーズンは境内の紫陽花も見事なのです。

宮本武蔵ゆかりの神社・八大神社は、小さいながらもあでやか。

清水寺から散歩がてら歩いて帰る途中、発見。京都の街では、意外なところで出会えたりします。

こちらはTBTってことで、昨年あるお寺でたまたま見つけたもの。このシックさがたまらなく好きで。

京都市のお隣、長岡京市には、現代版花手水の発祥の地ともいわれる柳谷観音 楊谷寺が。手水に花を浮かべ、それを「花手水」と命名したのが全国に広まったのだそう。

境内に花手水は5つもあり、一番大きな「龍手水」が本堂の目の前に。7月4日まで開催されている「あじさいウィーク」中のみのお楽しみ。詳細は公式インスタに随時アップ。

楊谷寺が花手水を始めた理由は、不安な現代にご利益と共に五感を通じて心に平安を、との思いがあるのだとか。2017年から、GWや梅雨、紅葉の時期などにお花が飾られています。

本堂から奥之院に向かう回廊に沿って3つの花手水。6月はこの「庭手水」も紫陽花。

江戸中期の庭園・浄土苑にあるのがこの「恋手水」。青もみじでくり抜かれたハート型の水面に光が反射する様子が幻想的でした。

楊谷寺は806年に、清水を開山した僧侶・延鎮により開創され、弘法大師空海にもゆかりのある浄土宗のお寺。

特別公開時には明治時代後期の茶室・奥之院からお庭を見下ろすことができます。

奥之院の入り口には「足香」と呼ばれるお清めのお線香が。この煙をまたいで入ります。

古くから眼病にご利益があるとされる楊谷寺。目の見えない人がお参りに来た時に、「庭園の音を心で聴く」ための心琴窟(水琴窟)が。この「琴手水」のお水を柄杓ですくって地面に落とし、横の竹筒を耳にあてるという仕組み。


ペーパーアートの花手水、初めて見ました。「花と水の京都」間のスペシャル企画。涼しげで、どこか懐かしげ。

おきまりのルートをちょっと外れて冒険できるのも花手水巡りのよいところ。四季折々の花々を愛でつつ、京都を満喫してください。

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