1. トップ
  2. レトロ風イラストにキュン!少年少女×大人なくすみカラーにときめき

レトロ風イラストにキュン!少年少女×大人なくすみカラーにときめき

  • 2021.6.26
  • 999 views

買ったばかりのアイスクリームを食べる前に落としてしまう…という“あるある”な悲劇。そんな時に店員さんから「オーナーには内緒ね」と新しいアイスクリームを貰ったら、アイスクリームに初恋がトッピングされるかもしれない。そんな物語が想像できるレトロテイストなイラストを描いているのは、イラストレーターのヨシダナツミさん(@natsumi_color)。物語のある、くすんだ色合いが印象的なイラストがどのように生まれているのかインタビューした。

【画像】レトロな雰囲気が懐かしくも新しい、キュートなイラストたち

買ったばかりのアイスクリームを落としてしまったら、恋にも落ちた?「初恋の味」
買ったばかりのアイスクリームを落としてしまったら、恋にも落ちた?「初恋の味」

アンティークな質感の上に広がる「くすんだカラフル」が“ナツミカラー”

ヨシダさんのイラストにおけるこだわりは質感と色合い。イラストはiPadとApple Pencilを使ってデジタルで仕上げているが、独特の質感を出すためにひと工夫施しているんだそう。

キュートなチャイナガールが行くのはおいしい中華まんのお店?
キュートなチャイナガールが行くのはおいしい中華まんのお店?

「画用紙や和紙、ダンボールなどのザラザラとした紙をプリンターでスキャンしたり、カメラで撮影したりしてデータとして取り込み、イラストの上にその質感を重ねることでアンティークな雰囲気を出すようにしています。色味は私が好きな色を組み合わせています。ビビット過ぎたり、パステル調のものは少し苦手なんです。『くすんだカラフル』が私の“ナツミカラー”であり、レトロ調にもなるのかなと思っています」

イラストを仕上げるのになるべくその日だけで作業を終わらせない、というのも気を付けているポイントなんだそう。

「絵に違和感がないかを確認するために、最低2日はかけています。工程としては構想とラフ(下書き)に一番時間をかけていますね。実働時間は塗りの作業が多いかもしれませんが、エネルギーは描く前が一番使っています(笑)」

一度は諦めた絵の道。友人からの言葉で火が付いた

子供の頃から絵を描くことと、レトロテイストのものが好きだったというヨシダさん。「れもん白書」などの代表作を持つ少女漫画家・吉田まゆみさんを母に持ち、その影響も大きかったという。

「育った時代でもありますが母も祖母もレトロな物が好きで、家の中を自分好みの物で飾っており、その環境の中で自然と私も1960年代の雰囲気にハマっていったのだと思います。実家には60年代をピックアップした写真集があって、幼い頃にそれを眺めてはときめいていました。今も創作活動の大事な参考資料になっています。60年代の女性に多いボリュームのあるヘアスタイルや、シンプルだけど華やかなワンピース。男性が紳士的に女性をエスコートする仕草や雰囲気に、なんだかディズニーアニメを見ているようなキュートさを感じています。作品に落とし込む時には、国や人種を固めたくないので、髪色はカラフルにして誰が見ても嫌な感じにならないように心がけています」

60年代のファッションなどを好むヨシダさんらしい1枚
60年代のファッションなどを好むヨシダさんらしい1枚

小学1年生の時に描いた絵が絵画コンクールで入賞したことで自信が付き、どんどん絵を描くことが好きになっていったヨシダさん。しかし、絵の道に進むことは一度諦めていた。

「高校生で進路を決める際、美大を考えましたが将来に不安を感じ、そこで絵の道に進むことは諦めたんです。社会人をしながら趣味で絵は描いていましたが、この頃はオリジナルよりも漫画やアニメのファンアートばかりでした」

転機となったのは、2019年に飲食店をオープンした友人の手伝いをしたこと。

「看板などのデザインをした時にその友人から『もっと絵で頑張りなよ!』と言葉をもらったことで火が付き、絵の仕事がしたいと思うようになりました。その頃からインスタグラムを始めたのですが、最初は趣味程度で。ただ、コロナ禍の自粛期間中に毎日イラストを描いて投稿していたところ、仕事の依頼があり、それが現在のいい流れのきっかけになりました」

手元に置いてもらえるようなイラストを目指す

絵を趣味から仕事に変えていくにあたっては、自分の絵柄をつかむための試行錯誤もあったのだそう。

自分らしいスタイルを求めて試行錯誤していた頃の作品。色数を限定しているが、くすみカラーであることと、レトロキュートな雰囲気はこの頃からある
自分らしいスタイルを求めて試行錯誤していた頃の作品。色数を限定しているが、くすみカラーであることと、レトロキュートな雰囲気はこの頃からある

「ファンアートばかり描いていたために“自分の絵柄”というものがなく、これではイラストレーターにはなれないと思っていました。私らしい絵は何だろうと考えていた時、机から高校生の頃に描いていた自分の絵が出てきて『あぁ、これだな』と思ったんです。小さくて華奢で目がくりっとした女の子。これがかわいくて、描いていて楽しい絵だと気付きました。見てくれる人を増やすために、インスタグラムのページを開いた時に統一感が出るように、使う色を3、4色に定めて毎日投稿しました。2か月ほど続けた頃、このタッチに少し飽きてしまったので、少し頭身を上げたレトロ感強めな絵を描いて投稿したところ、とても反響がありました。絵柄は定まってきたので、ここからは色などは縛らずに自由に描いて、だんだんと今のスタイルになっていきました」

今までのファンの方が離れてしまったらどうしようという不安もあったが、好評で、逆に自信に繋がったという1枚
今までのファンの方が離れてしまったらどうしようという不安もあったが、好評で、逆に自信に繋がったという1枚

日々、仕事として絵を描いていくにあたってモチベーションを保つのにはファンの存在が欠かせないと話すヨシダさん。

「私の絵を見たいと思ってくれる人たちの期待に応えたいという気持ちが、作品作りを支えています。描き続けないと仕事が来ない!という焦燥感から生まれるモチベーションもありますが(笑)。行き詰まった時の具体的な解決策としては、その日はすぐペンを置いていったん絵から離れること。夜なら寝てしまい、早い時間なら食事やコーヒーで休憩して。次の日見返すとこっちの色の方がいいなど、客観的に見ることが出来て、仕上げまで持っていくことができます」

イラストレーターとしての活動はまだ日の浅いヨシダさんだが、ファンの方からはグッズ化希望の声が上がるなど、うれしい反応も。今後の目標について聞いてみた。

「手元に置いておきたくなる絵を描けたんだと思うと光栄ですし、励みになります。今後の目標としては、長い間デジタルで描いてきたので、アクリル絵の具などを使ってアナログの作品にも挑戦してみたいです。いつか個展を開けたらとも思っているので、その時に展示できたらいいなと。私の絵はアパレルよりも小物や雑貨の方が合っていると思うので、少女雑誌の付録グッズデザインなどを手掛けられたらと思います」

取材・文=西連寺くらら

元記事で読む
の記事をもっとみる