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「よき生活者は、よき表現者」夫から見た料理家、谷尻直子とは?

  • 2021.6.22
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世代も職業も異なる6名の男性に、自身が考える美しい女性とその理由を訊いた。建築家、谷尻誠が名前を挙げたのは、彼の妻で料理研究家の谷尻直子。「よき生活者=よき表現者」と評する、彼女への思いとは?

よき表現者は、よき生活者。

谷尻直子|料理研究家代々木上原にある予約制レストラン、ヒトテマ主宰。食やうつわを中心としたプロジェクトを行う。6/17に、『HITOTEMA のひとてま 第二幕』(主婦の友社刊)を発売。

身内を挙げることに迷いがなかったわけではないんですよ。ただリアリティをもって、その美しさを語れるのは彼女しかいない。なので、谷尻直子。現在は料理研究家として活動している妻が、僕が思う美しい女(ひと)です。

しばしば仕事仲間とよき表現とは?を話題にすることがあります。その時僕は、よき生活者がよき表現者なのではないかと言うんです。そういう意味で、谷尻直子はよき表現者です。ファッションのスタイリストから料理へ転身したので、衣食について明確な考えを持っていて、僕にとっては学ぶことばかりです。そこにはウソがなくて、ダメな時はダメとしか言わない。言えないのかもしれません。いい顔をしない。バランスをとるようなことをしない。実直。不器用と言ってもいいくらい。その根底にあるのは美意識、センスだと思います。それは学べたり、買えたりするものではない。だからこそ大事にしているのかもしれません。彼女はレストラン経営もしていて、厨房にも入るのですが、そういう時でもとてもおしゃれです。手を抜かない。いまは6歳の子を持つ母親でもありますが、よき母でありつつも自分の美意識は譲らない。僕にとっても子どもにとっても手本となってくれます。何も言うことがない?いえいえ、言い出せばいろいろ出てきますよ(笑)。ただ、それと同じくらいほめたいこともたくさんある。僕にとっての妻はそういう人です。

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40代谷尻 誠|Makoto Tanijiri建築家・起業家1974年生まれ。2000年建築設計事務所SUPPOSE DESIGN OFFICE 設立。14年より吉田愛と共同主宰。広島・東京の2カ所を拠点とし、インテリアから住宅、複合施設まで国内外合わせ多数のプロジェクトを手がける傍ら、大阪芸術大学准教授なども務める。また、近年「絶景不動産」「tecture」「社外取締役」「DAICHI」など多分野で開業、活躍。

*「フィガロジャポン」2021年7月号より抜粋

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