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塚本晋也、『おかえりモネ』で過去と現在を繋ぐ“橋渡し”に 浅野忠信との共演は実現する?

  • 2021.6.21
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『おかえりモネ』写真提供=NHK

連続テレビ小説『おかえりモネ』(NHK総合) 第5週ラストに出演したジャズ喫茶のマスター・通称“トムさん”こと田中知久役の塚本晋也に注目が集まっている。

登米の診療所で医師・菅波光太朗(坂口健太郎)に診察してもらった際に、百音(清原果耶)のことを聞いていた。若い頃にトランペット奏者をしていた百音の父・耕治(内野聖陽)とどうやら知り合いのようで、耕治の過去を知るキーパーソンであるようだが、現時点では百音はそのことを知らない。

塚本演じるトムさんの初登場は第8話での耕治との再会シーンだったが、佇まいからして都会的で遊び心があり、きっとずっとこの地に定住していたのではなさそうだと感じさせる“イケオジ”な雰囲気を纏っていた。トムさんはかつては東京の音楽業界で働いていたようで、2人が交わしていた「でも結局まっとうになっちまうんだもんな」という会話からも、彼らが若かりし頃のきらめく思い出を共有し合っていることが窺い知れる。どうも耕治と亜哉子(鈴木京香)の出会いや馴れ初めについても知っているようだ。その際にトムさんが発した「お前の娘か。ハハ顔見てみてえな」の伏線が回収されるのが第6週となるようだ。予告編ではそんな彼が病に倒れる様子も流れ、今から展開が気になるところだ。

塚本と言えば、朝ドラ出演は『ゲゲゲの女房』、『カーネーション』、『半分、青い。』に続き本作が4作目。世界的にも有名な映画監督で“異才”としての顔を持ちながら、俳優としては本作のトムさん役で魅せてくれるような自然体な役どころが目を引く。

ちなみに塚本の映画づくりは、監督・脚本・出演のみならず、撮影・照明・美術・編集・製作までの役割を自らが担っており、しかもそれをヴェネチア国際映画祭コンペティション部門で何度も審査員を務めるほどになった今なお続けていることでも知られている。だからこそなのか、自身が演者に徹する時には作り手への敬意と信頼関係に委ね、自然と作品の一部と化し、それでいながら滲み出る切なさや悲哀がお見事である。

『半径5メートル』(NHK総合)での絵本作家役にしろ、映画『騙し絵の牙』での新人編集者・高野(松岡茉優)の父親で町の書店店主役にしろ、ともすれば“時代遅れ”だと一蹴されてしまいがちなものに価値を見出し、大事に大事に守り抜こうとする姿が印象的だった。現状を受け入れながらも、自分の中の正義感と静かなる反発心を燃やし続ける姿を台詞よりも佇まいで表現してくれていた。そして、なんと言ってもこちらがふと弱音をこぼしたくなるような“寛容力”を感じさせ、それぞれのキャラクターにきちんと気になる“隙”を持たせてくれているのがまた流石である。

『いだてん~東京オリムピック噺~』(NHK総合)では東京オリンピック招致に尽力した副島道正役を好演し、博学で知性と品性を兼ね備えながら、クールなように見えて実は内に秘めたる情熱を持ち合わせた役どころを見せてくれた。思えば、塚本は“利他の精神”が強く、静かなる“狂気”を感じさせる役どころが似合うのかもしれない。

『MIU404』(TBS系)でゲスト出演した第7話では、トランクルームに住む男性役を演じたが、彼が監督を務めた映画『双生児 -GEMINI-』で俳優デビューしたりょうとの貴重な共演シーンが観られ、話題となった。

本作でも、同じく彼の監督作『ヴィタール』で主演を務めた浅野忠信が出演しており、2人の共演シーンが観られるのかも楽しみなところだ(今の話の流れでは実現度は低そうな気もするが……)。

いずれにせよ、塚本演じるトムさんが登米と気仙沼、過去と現在を繋げる重要な“橋渡し”的役割を担うことは間違いなさそうだ。

※塚本晋也の「塚」は旧字体が正式表記。

■佳香(かこ)

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