1. トップ
  2. おでかけ
  3. ジュ・ドゥ・ポームでパリ初のミヒャエル・シュミット写真展。

ジュ・ドゥ・ポームでパリ初のミヒャエル・シュミット写真展。

  • 2021.6.20
  • 886 views

展覧会のポスターに使われているのはBerlin-Kreuzbergでの撮影『無題』(1981〜82年)。

会場では上下で展示されている2点。ミヒャエル・シュミット『Berlin-Weddingの小学6年生』(1976〜78年)。@Foudation for Photography and Media Art with the Michael Schmidt

ニューヨークでは生前に個展が開催されたものの、フランスでは紹介されることがなく2014年にこの世を去ったドイツの写真家ミヒャエル・シュミット。彼の生誕75周年を記念して、コンコルド広場に面したジュ・ドゥ・ポームで彼の大回顧展が始まった。彼のアシスタントを務めた経験のあるThomas Weskiがキュレーターで、パリの後、この展覧会はヨーロッパの他都市へと移動するそうだ。シュミットの写真はいまも若い世代を刺激し、模範にされている。館内の2フロアを使って展示されている作品の多くが、オリジナルプリントだ。

左:ミヒャエル・シュミット『Berlin-Wedding』(1976〜78年)。右:『無題』(1969〜73年)。撮影はBerlin-Weddingにて。@Foudation for Photography and Media Art with the Michael Schmidt

ファーストフロアの展示より。photos:Mariko Omura

ベルリン生まれの彼。1965年、警察官だった20歳の時に写真に興味を持ち、独学で写真家のキャリアをスタートした。初期は依頼仕事が多く、また民間大学で写真の授業を受け持つようになり、警察の仕事をやめて写真に専念するのは28歳の時だ。そして31歳の1976年、それまで受けていた依頼写真をやめ、パーソナルなプロジェクトのための撮影に専念するようになる。

最初のフロアでは1989年11月19日のベルリンの壁崩壊前の街、そしてポートレート、日常……など。上のフロアではシリーズを展示している。1988年にニューヨークの近代美術館(MoMA)が買い取った「Waffenruhe(停戦)」(1985〜87年)、1996年に MoMAで個展が開催された「Ein-heit(統一)」(1989〜94年)。そして、壁の崩壊後はベルリンを撮影しなくなった彼の「Frauen(女性)」(1997〜99年)、「Irgendwo(他所のどこか)」(2001〜04年)とカラーで撮影された「Lebensmitte(食料)」(2006〜2010年)といったシリーズだ。日本ではあまり紹介されることのないシュミットの仕事を知ることができる、写真ファンにはうれしい企画である。

ミヒャエル・シュミット、シリーズ「休戦」より。 photo:Mariko Omura

左:ミヒャエル・シュミット、シリーズ「女性」より『無題』(1997〜99年)。@Foudation for Photography and Media Art with the Michael Schmidt右:第6回ベルリン・ビエンナーレのポスター。(2010年)photo:Mariko Omura(右)

ミヒャエル・シュミット、「食料」より。@Foudation for Photography and Media Art with the Michael Schmidt

Michael Schmidt, une autre photographie allemande 展Jeu de Paume1, place de la Concorde75001 Paris開)11時〜19時休)月料)10ユーロwww.jeudepaume.org

元記事で読む
の記事をもっとみる