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『フィガロジャポン』8月号の特集「真夏のエレクトロ」から(前半)

  • 2015.6.30
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『フィガロジャポン』本誌で、音楽絡みの特集が続いていて嬉しいです。7月号(6/20発売)では「話題のクリエイターが選ぶ、カッコいいミュージックビデオ」特集と題して、映像監督や映画監督、フォトグラファーやミュージシャンなどさまざまなジャンルの方にご協力をいただき、また掲載するキャプチャ画像に関しても制作した映像監督自ら送って下さるケースもあるなど、実に多くの方々にお世話になって完成することができました。お忙しい中、本当にありがとうございました。そのミュージックビデオの多くもこのFIGARO.jpにアップされ、本誌に掲載されたコメントと合わせて楽しんでいただいた読者も多かったようで、嬉しいです。

<特集>
話題のクリエイターが選ぶ、カッコいいミュージックビデオ #01 #02 #03
知っておきたい、ミュージックビデオのいま。

8月号(7/20発売)でも音楽の記事を数カ所に書いているのですが、なかでも楽しかったり、ちょっと苦労したり、というのが「真夏のミステリとエレクトロ」という特集。読書も大好きな私は前半はいち読者として拝読しましたが、さて、この"エレクトロ"という言葉がやっかいで。しかも担当編集者Tさんは電子音なのに「夏に聴きたいオーガニックなエレクトロ」という難題を持ってきたので、ずっと悩んでいました。"エレクトロニカ"という音楽ジャンルは現在とても多様化しているし、かといって"エレクトロ"というと1980年代前半に話題になった電子音楽を意味することもあり、また、EDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)や、いわゆるテクノやハウス・ミュージックとは区別したい。エレクトリック・ミュージックと括ると多岐にわたってしまうし、パソコンなどでデジタライズした音楽も含むと際限なし。結局"有機的なムードのあるエレクトロ・ミュージック"とゆるく解釈し、1枚を除いて割と最近発売されたものから12枚のCDをご紹介しています。フィガロは音楽専門誌ではないので、音楽にさほど興味のない方にもリラックスして聴いていただきたいという趣旨でページを作成したと思っていただけたら幸いです。

ここからは本誌と合わせてチェックしていっていただければ。


■ 癒し系エレクトロ

○ FOUT TET(フォー・テット)『There Is Love In You』
2010年のアルバムで、どちらかというとクラブミュージックの部類に入るもの。物凄く好きな作品なので入れてしまいましたが、YouTubeにオフィシャルのものが上がっていないので、iTunesなどからチェックしてみて下さい。

○ SOHN(ソン)『Tremors』から「The Wheel」
今、この曲がiPhone6のCMに使われているので注目度が上がっています。インタビューは以前のこのコラムに掲載しているので、気になる方は是非読んでみて下さい。
エレクトロニック界の新星、SOHNにインタビュー

大好きなアルバムですし、次作が大変楽しみなアーティストの一人です。


○ Sóley (ソーレイ)『Ask The Deep』から「Halloween」
アイスランドのシンガー・ソングライター。アルバムを通して聴くと綺麗な音色やメロディだけではなく、金属的な音や不協和音などもぶつけてきて、不安感を煽るように感じら得る部分もあります。しかし、そういったところが逆に心情を描くのにウソがないというか、彼女の透明感触れる声と混ざり合ってそこから安堵感が生まれてくる感じのするチルアウト系。今年4月に来日していたのですが、その前の特集で忙殺されていて、来ていることさえ気づかなかったのが悔やまれます。


■ ガーリー系エレクトロ

○ GRIMES(グライムス)
こちらは本誌では紹介していないのですが、以前インタビューページで取材しているグライムス。1988年にカナダのヴァンクーヴァーで生まれ、その後、大学進学のためにカルチャーの盛んなモントリオールに引っ越し、DIY音楽に目覚めたそう。「ファッションも自分のアートフォームの一つだから」とヴィジュアル面にもこだわっています。

「Genesis」(2012年の作品から)

「REALiTi」(2015年)アジアツアーに関わった人々に感謝を込めて、GRIMES自らが監督、編集、作曲などを手掛けた映像。多才ですね。


○ Computer Magic(コンピューター・マジック)
こちらも本誌には書いていませんが、ブルックリン在住のダニエル・ジョンソンによるプロジェクト。1990年生まれの彼女は、DJやグラフィックデザイナーとして活動しつつ、宅録女子として当初はカセットテープなどで曲を発表。70年代頃のSF映画に影響されたという宇宙感満載のエレクトロ・ミュージックで、初期のミュージックビデオでは宇宙服を着てマンハッタンを歩き回るなどして話題になりました。最近では車のLEXUS のCMに「Runnning」という曲が使われてさらに知名度が増しています。その映像を貼っておきますね。

「Amazing in Motion - STROBE」(2014年)


○ Purity Ring(ピュリティ・リング) 『Another Eternity』から「push pull」
こちらもカナダのモントリオールを拠点に活動するシンセポップ主体の女ユニット。2012年にはフジロックフェスティバルで来日しています。今年発売した最新アルバム『Another Eternity』は前作に比べてグッとポップ感が増しました。私が日本盤の解説原稿を書いています。

「push pull」


○ Braids(ブレイズ) 『DEEP IN THE IRIS』から「Miniskirt」
こちらもモントリオール拠点に活動する、現在は男女3人組。ピアノやギターなどの生音を活かしながら、そこにエレクトロニカ的な音を加えていて、その混ざり具合がとても好きです。7月に大阪(5日)と東京(6、7日)に来日公演があるので、楽しみにしています。

「Miniskirt」


○ CHVRCHES(チャーチズ) 『The Bones of What You Believe』(2013年)から「Recover」

このジャンルを日本でポピュラーにしたのはチャーチズかもしれません。80年代のSF映画のサウンドトラックから影響を受けたというグラスゴー出身の男女3人組で、キャッチーなメロディはもとより、ヴォーカルのローレンの可愛らしさがさらに人気に火をつけたというか......。しかし、かつて雑誌の編集者としても働いていたことのある彼女は、イギリスの新聞「ガーディアン」紙に「私はネット上での女性蔑視を受け入れません」という原稿を寄稿するなど気骨な面もあります。人気の背景には、こういった姿勢も指示されているのだと思います。私がこの日本盤の解説原稿を書いていて、本誌でも以前取材しています。
※参照記事「digital convenience」
http://digitalconvenience.net/?p=4607

「Recover」(2013年)

続きは次回に。

*To Be Continued