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中年男女も陥る「何者問題」。私っていったい、何者なの――?

  • 2021.6.19
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「自分は何者なのだろうか」「何者かになれたのか」

その問いに、自信を持って明確に答えられる大人が、どれほどいるだろう。

世代や性別を問わず多くの現代人の抱えているのは、「何者かになりたい」といった漠然とした思い。その思いに真正面から向き合い、対処法を提案する『何者かになりたい』(イースト・プレス)が6月14日に発売された。

自己のアイデンティティに苦しみ、自分らしく生きることに悩むあなたに読んでほしい一冊である。

「何者にもなれない」と悩んだ時は

就職活動や友達関係で悩んだ時、SNS等で知人の生活を垣間見た時、理想の自分と現実の自分を比較してしまった時など、「自分は何者なのか」「自分は何者になれるのか」を考え、悩むことは多い。

なぜ私たちは、自分についてこんなに悩み、「何者かになりたい」と懇願し、「何者にもなれない」現実を受け入れてしまうのだろうか。

意外にも、これらの悩みは、思春期の学生に限定されたものではなく、中年の男女も陥る悩みと言われている。本書では、こうした悩みを「何者問題」と呼んで分析し、解決策を探る。

著者の熊代亨(くましろ・とおる)さんは、自分について考えずにはいられなかった頃、精神科医の小此木(おこのぎ)啓吾さんの『モラトリアム人間の時代』(中公文庫)を手に取り、「自己成長戦略」のヒントにしたという。しかし出版されたのが1978年と古く、現在の価値観と相違がある部分も多かった。そこで今回は、2020年代を生きる私たちにふさわしい内容と文体で、自身の手で「何者問題」に関する本を書いた。

現代の社会情勢を踏まえて、「何者かになりたい」と悩んだ時に頼るべき手段や、「何者にもなれない」と悩んでいる人が注意すべきことは何か、本著で明らかにしている。

目次は下記の通りだ。

はじめに
第1章 承認されると「何者か」になれる?
第2章 つながりが「何者か」にしてくれる?
第3章 アイデンティティと何者問題
第4章 恋愛・結婚と何者問題
第5章 子ども時代の何者問題
第6章 大人になってからの何者問題
補論 何者問題への処方箋
おわりに

熊代亨さんは、1975年生まれの精神科医。信州大学医学部卒業。ブログ『シロクマの屑籠』にて現代人の社会適応やサブカルチャーについて発信し続けている。著書に『ロスジェネ心理学』『融解するオタク・サブカル・ヤンキー』(ともに花伝社)、『「若作りうつ」社会』(講談社現代新書)、『認められたい』(ヴィレッジブックス)、『「若者」をやめて、「大人」を始める』『健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて』(イースト・プレス)がある。

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