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いながきの駄菓子屋探訪50埼玉県さいたま市大宮区「福屋」圧倒的な品ぞろえと10円ゲームで昭和の駄菓子屋文化を伝える店

  • 2021.6.19
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全国約400軒の駄菓子屋を旅した「駄菓子屋いながき」店主・宮永篤史が、「昔ながらの駄菓子屋を未来に残したい」という思いで、これまで息子とともに訪れた駄菓子屋を紹介します。今回は埼玉県さいたま市大宮区の「福屋」です。

さいたま新都心の住宅街にある店

現在でも一部の駄菓子屋に設置されていて、昭和の時代から今に至るまで子どもたちを楽しませ続けている「10円ゲーム」。10円玉を投入してレバーで弾き、当たりを通過すると当たり券が排出され、駄菓子と交換することができます。今回は、10円ゲーム機を駄菓子屋に貸し出している業者さんに設置先を伺い、そのお店を訪ねてみました。

JRさいたま新都心駅の周辺は、ショッピングモールや高層マンションが立ち並ぶ近代的な街ですが、駅から少し離れると戸建の住宅街が広がっています。東口から南東へ1kmほど。高層マンションの区画と、戸建て住宅の区画を分けるように敷かれた道路沿いに、目的地の「福屋」がありました。

3種兼業スタイルで圧倒的な品数

使い込まれたガチャガチャ、ベンチ、自動販売機にポスト・・・昔ながらの商店のイメージそのままの、なんとも趣のある外観。タバコ屋、クリーニング屋、駄菓子屋の、3種兼業スタイルです。クリーニング部門と駄菓子部門は壁で仕切られ、タバコ部門の喫煙所は、駄菓子屋に子どもたちが来ている時間は利用不可。兼業でありつつも、それぞれが重なりすぎないように区分けされている点には、こだわりや気遣いを感じました。

店内は棚が低く見通しの良い空間で、入口のそばには10円ゲームが。売り場は駄菓子にアイス、ビン飲料やラーメン、おもちゃなどで埋め尽くされ、圧倒的な品数です。店主の尾形さんに尋ねると、元々は食品や雑貨を扱う商店だったので、そのころから使っていた什器すべてに駄菓子を並べたらこうなった、とのことでした。

70年前に先代が創業

福屋は昭和25年(1950年)ごろに尾形さんのお父さんが創業。福島県出身だったことから、福屋と名付けたそうです。当時は駅もなく周辺に店らしい店がなかったため、地域唯一の商店として、コンビニのような役割を担っていたとのこと。

「私が生まれた頃に親が始めて続いてきた商売なので、失くしたくないと思い20年ほど前に引き継ぎました。といっても、もう個人商店がコンビニやスーパーに太刀打ちできるような時代でもありませんでしたから、クリーニングも始めて、売り物はよそと競合しないように絞って。そしたら、最終的に駄菓子屋になってしまいました(笑)」

スマホも高度なゲームもあるのに夢中になる

「創業して70年たちますが、10円ゲームはつい最近置き始めたんです。私はこういうのを知らなかったんですが、すごいんですよ、子どもたちの食いつき方が(笑)。今はスマホもあるし、高度なゲームがたくさんあるでしょう。それなのにみんな夢中になる。やっぱり、『10円玉を弾く』『当たり券が出る』っていう他にない感覚が、今の時代の子たちでも新鮮で面白いんでしょうね」

駄菓子に付いた注釈や、掲示物からも感じられる店主の独特の感性。見つけて読むのが面白く、これは福屋の裏名物なのではないでしょうか(笑)。そして10円ゲームも、きっとその感性でもたらされたもの。子どもたちは盛り上がり、それを眺める尾形さんもうれしそうです。令和のさいたま新都心では、昭和からある駄菓子屋に、さらに昭和の駄菓子屋文化が加わり、盤石のレトロスポットが生まれていました。

福屋

住所:埼玉県さいたま市大宮区北袋町1-242

電話:048-641-3323

営業時間:4月から9月まで10:00~19:00、10月から3月まで10:00~18:00

定休日:日曜日

[All photos by Atsushi Miyanaga]

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