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お茶するなら静かな長谷、鎌倉ローカルの行きつけ3選。

  • 2021.6.19
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写真・文/長谷川真弓(エディター)紫陽花が咲き誇る6月の鎌倉。いつもにも増して観光客で賑わう鎌倉駅周辺を避け、ゆっくりお茶をしたい時、地元の人は長谷エリアへと足をのばす。鎌倉駅からは江ノ電に乗れば4分、散歩気分で歩けば20分ほどの長谷。古くから残る建物も多く、時間の流れがゆるやかで、カフェも落ち着いた雰囲気の店が多い。大切な友人と久しぶりに会う時、ひとりで静かに本を読みたい時……鎌倉在住エディターが通う、隠れ家カフェ3軒をご紹介。

お寺の境内で、四季折々の風情を楽しめる。

#01.蕪珈琲

紫陽花で有名な長谷寺からほど近い、収玄寺という小さなお寺の境内に佇む蕪珈琲。東京藝術大学建築科の藤村龍至研究室が古民家をカフェへと改修した空間は、四季折々の花が咲く庭や雰囲気のある路地など、鎌倉ならではの風景を繋ぐようにデザインされている。場所ごとにインテリアの雰囲気が異なり、それぞれの空間に合わせてテーブルや椅子も作られているので、今日はどの席に座ろうかと選ぶのが楽しい。

店主の母親で店を切り盛りする片野順子さんは、大使館を通じて各国の文化を伝えるコーディネーターとしても活躍している。そのネットワークで集められた世界各地のコーヒー豆は12種類。ゲイシャ、コピ・ルアックなど希少なものもあり、コーヒー専門店のような品揃えだ。その日の気分でコーヒーを決め、コーヒーを入れるうつわ自体も選べるのがなんともうれしい。収玄寺の境内には50株ほどの紫陽花が植えられているので、お茶をした後は庭を散策するのもお忘れなく。

蕪珈琲(かぶらこーひー)神奈川県鎌倉市長谷2-15-14tel:なし営)12時30分〜17時30分休)不定休※営業日はインスタグラムで確認を。

時を重ねたものたちが奏でる、心安らぐ空間。

#02.ブオリ

鎌倉駅から大仏や長谷寺へと続く由比ヶ浜通り沿いにあるカフェ。木枠が美しいガラス戸を開けると、木製の古いテーブルとチャーチチェアが整然と並び、表通りに面しているとは思えない、静かな空間に包まれる。

元々は老舗の海産物問屋の倉庫として使われていた建物を、店主自ら改装した。店名の「ブオリ(vuori)」はフィンランド語で山という意味。登山が好きな店主らしく、大きな書架には山にまつわる書物が多く並んでいる。

自家製スイーツは、ベイクドチーズケーキ、カタラーナなど常時5種類。加えて夏季限定のかき氷も人気だ。筆者がいつも頼むのは写真の「トフィープディング」。イギリス伝統のお菓子で、ナツメヤシを焼き込んだあたたかいプディングに黒糖トフィーソースがかけられ、冷たいバニラアイスと一緒に口に入れるとたまらないおいしさ。深入りのネルドリップコーヒーとの相性も抜群だ。

ブオリ神奈川県鎌倉市長谷1-15-1tel:0467-23-2450営)12時〜18時(L.O.17時30分)休)水※そのほかの休業日はインスタグラムで確認を。www.vuorentuuli.com

おこもり席で、静かなプライベートタイムを。

#03.ハセロジ

大通りの由比ヶ浜通りから1本入った静かな住宅街。見落としてしまいそうなほど、さりげなく小さな看板のかかった店が「ハセロジ」だ。

白壁に黒い床というモダンなインテリアを引き立てるような、緑あふれる坪庭が印象的。その坪庭を挟むように右奥に3名がけの小さなカウンター席、左奥には本棚をくぐるようにして入る、2人がけのソファー席がある。店の入り口脇にも半個室席があり、静かなプライベート空間を味わえるのだ。

コーヒーはお湯の温度や注ぎ方にも気を配り、一杯一杯ていねいにハンドドリップで淹れてくれる。女性店主が10年以上かけてレシピを研究しているというスコーンは、中がしっとりとして、季節の手作りのジャムや塩ホイップと合わせて口に運ぶと格別の味。鎌倉散策で疲れたら、ここでゆっくりと時間を過ごしてほしい。ビーカーに入ったおかわり分のコーヒーを飲み終える頃には、心までゆるんでいるはず。

コーヒー(エボニーブレンド)¥800、スコーン¥800。九品仏にあるエボニーコーヒーのスペシャルティコーヒーを使用。

路地に面した半個室席。

ハセロジ神奈川県鎌倉市長谷2-5-5tel:0467-61-0233営)11時〜17時休)月〜水www.instagram.com/haseroji 

長谷川真弓MAYUMI HASEGAWA出版社で女性ファッション誌の編集に携わり、2011年に独立。現在はフリーランスのエディター兼ライターとして雑誌やウェブなどで活動中。19年に都内から鎌倉へ移住。小学生の娘と幼稚園児の双子の母。

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