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ランニングの苦しさを軽減する6つのコツとは?

  • 2021.6.19
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横腹が痛い、脚がだるい、太腿が筋肉痛、呼吸が苦しい......。ランニングにつきものの不快な症状を防ぎ、トレー二ングのつらさを緩和するコツを紹介する。

裸足で縄跳びをしてランニング力アップ。photo:Getty Images

やる気満々で定期的に走っているあなた。しかし毎回苦しい思いをして過酷なトレーニングを続けているのに、1カ月経ってもほとんど進歩が見られない。ランニングは誰でもできるスポーツとはいえ、人によってはかなりつらいもの。身体の負担を軽減するためのコツを紹介する。

1. ペースを調整する

意外に思うかもしれないが、ゆっくり走ったからといってランニングの負荷が軽くなるわけではない。「足が地面に接している時間が長いほど、膝や腰をより曲げなければなりません。関節の屈曲運動をカバーするために筋肉のエネルギーが余計に必要になります」と指摘するのは、運動生理学の専門家で、生体力学及び人間のパフォーマンス専攻修士のクロエ・ランティエ(1)だ。

したがってランニングをするときは適切なペースで走らなければならない。ランニングに適したペースは次の方法で簡単に知ることができる。

左右どちらかの足を選んだら、1分間にその足が地面に着く回数を数える。次にその回数に2をかける。「(その数が)1分間に170回以上になれば、ランニングにふさわしいペースです。それ以下だと、膝や腰を曲げる角度が大きくなってきます」

2. 短距離走をする

何回走っても、20分は走れるけど、それ以上は無理?エネルギーの消費を抑えて長時間走れるようになるには、持久力を鍛える必要がある。そのために最適なエクササイズが短距離走だ。「負荷がかかると、乳酸(筋肉で生成される酸性物質)が身体に蓄積し、筋持久力が低下してしまう。短距離走は脚の血流を促す効果があります。血行をよくすれば、血液によって筋肉中の乳酸がリサイクルされます」とランティエは説明する。

短距離走はランニングの最後に取り入れるといい、とランティエ。10~15秒のダッシュを4~6セット、セットの間に1分間のリカバリーを入れながら行う。これで持久力がアップするはず。

3. 坂道を走る

平地でのランニングを改善するには、坂道を走ることだ。ランティエは次のように説明する。「上り坂を走る前に、脳はこれから強い負荷がかかることを察して、身体の力学的特性をフル稼働します。その結果、体が起き上がり、心血管システムがより効果的に機能するようになります。重力に逆って練習を行うことは、平地を走るとき以上に脚の筋肉を使うので、推進力の強化にも効果的です」

効果を高めるには、上り坂で10~15秒間のランニングを4~5セット行い、数分間のリカバリーを入れて、さらに30秒~1分間のランニングを2~3セット行うといい。ばててしまわないよう、坂道トレーニングは通常のランニングの最後に行うほうがいい。

4. 縄跳びをする(裸足で)

縄跳びには多くのメリットがある。「心臓を効率よく拍動させるだけでなく、弾性エネルギーを高め、ランニングに必要な筋肉を強化するのに有効です」とランティエは言う。長時間行う必要はない。1日5分間のエクササイズを週に数日行うだけで違いが感じられるはずだ。

脚の筋肉をより鍛えるには、裸足で縄跳びをするといいとランティエはアドバイスする。「ランナーの走る力を左右するのは伸張性です。そして、その推進力を生み出すのが下腿と足です。こうした部位が弱いと推進力が足りず、それを代償運動によって補うために疲れてしまうのです」とランティエは説明する。

5. 推進力を鍛える

ランニングを効果的に行うために身体を鍛えることが大切なのはもちろんだが、スポーツジムで何時間も筋トレをしても意味はない。「エクササイズではランニングで使われる筋肉を重点的に鍛える必要があります。つまり、臀部やふくらはぎ、大腿部、足の筋肉といった、脚の裏側の筋肉です」

意外に思うかもしれないが、大腿四頭筋が果たす役割はそれほど重要ではない。したがってスクワットは割愛して、推進力を鍛えるとても簡単なエクササイズを紹介しよう。

ひとつ目のエクササイズ。腰を落とし片脚を大きく一歩前に出す。後ろ側の脚を蹴り出して膝を体の前に水平に引き寄せ、その場でジャンプ。これを10回繰り返す。もう一方の脚でも同様に行う。

ふたつ目は足指のエクササイズ。片足をステップの上にのせ、足裏をしっかりつける。この時、足とステップは平行に。足の親指と人差し指がステップの上に、ほかの3本の指が宙に浮いた状態で、2本の指の力でかかとを持ち上げる。「これは土踏まずのアーチと親指の屈筋を強化するエクササイズです。前進するときにはこの筋肉が使われます。ここを鍛えると推進力の向上に効果的です」とランティエは言う。

6. 脚を壁につける

ランニングの前に準備運動をすることは重要だが、次のトレーニングに備えるためには、走った後も同じくらい大切だ。ストレッチだけでなく、足首や腰を中心に関節の動きを取り戻すことが肝心。疲労回復が早まり、筋肉痛のリスクも軽減され、短期間でリカバリーできるはずだ。

床に仰向けに寝そべり、両脚を壁に沿ってまっすぐ持ち上げる。「重力に逆らいながら、脚の力を抜きます。血流が促され、ランニング中に蓄積された疲労物質が排出されます」とランティエは説明する。両脚をまっすぐ揃えても、広げてもいい。30~40秒間そのまま姿勢を維持して。

(1)Chloé Gantier著『Trail, les clés pour performer sans se blesser』Glénat出版刊。

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