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【朝鮮王朝の闇】トンイ毒殺を図った事件があった!!その結末は?

  • 2021.6.19
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ハン・ヒョジュがハツラツと元気に演じたドラマ『トンイ』のヒロインは、歴史的には淑嬪・崔氏(スクピン・チェシ)と呼ばれている。彼女の最大のライバルだったのが、悪女としてあまりにも有名な張禧嬪(チャン・ヒビン)である。

この張禧嬪はもともと粛宗(スクチョン)の側室だったのだが、1688年に粛宗の長男を産んで急に立場が強固になった。

1689年に仁顕(イニョン)王后が廃妃になったのにともない、張禧嬪が王妃に昇格した。

これによって、当時の高官たちの派閥争いが激変した。仁顕王后を支持していた西人派が力を失い、張禧嬪を支持していた南人派が隆盛となったのだ。

西人派はピンチを脱するために、粛宗が気に入るような女性を王宮に送り込もうとした。その際に選ばれたのが淑嬪・崔氏だと言われている。

『トンイ』でイ・ソヨン演じたチャン・ヒビンとハン・ヒョジュ演じたトンイ(写真=SPORTS KOREA)
墓穴を掘った張嬉嬪

予想どおり、粛宗は淑嬪・崔氏を寵愛するようになっていき、その点では西人派の狙いは当たった。そして、1693年に淑嬪・崔氏は粛宗の息子を産んだ。ただし、2カ月で早世してしまったのだが、張禧嬪が受けた衝撃はあまりに大きかった。

彼女は窮地を挽回しようとして、策を弄するようになった。

そして、事件は起こった。1694年4月に、張禧嬪の兄の張希載(チャン・ヒジェ)がなんと淑嬪・崔氏を毒殺しようとしたのだ。そういう告発があって、事件は一気に表面化した。

「王様の寵愛する側室が張禧嬪の兄によって毒殺されそうになった」

すぐに噂が王宮の中で広まり、張希載は取り調べを受けて有罪となった。

彼は済州島(チェジュド)への流罪となったが、誰が考えても事件の黒幕は張禧嬪だと思われた。

粛宗もそのことを強く感じていて、張禧嬪は王妃から側室に降格させられることになった。必然的に、空いた王妃の座に誰が座るのかが注目された。淑嬪・崔氏が側室から王妃になるという可能性もあったのだが、粛宗は意外にも一度は廃妃にした仁顕王后を復位させた。こうして、西人派は再び勢いを取り戻した。

結局、張禧嬪は墓穴を掘ったとしか言いようがない。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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