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「1日じゅう家にいるのに……」 産後うつでも夫に頼れず 妻が抱える孤独なジレンマ【東京女子お悩み相談】

  • 2021.6.18
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東京で働く女性たちは、日々どんな悩みを感じているのでしょうか。今回は、コロナ自粛と育休が重なり、産後うつに悩まされているSさん(31歳)の話です。

江戸川区に住むSさん(31歳)の場合

「子どもを出産しましたが保育所に入れず、コロナ禍もあいまって家に引きこもってばかりです。小さな子どもがいると人を呼ぶのにも抵抗があり、友人も遠慮しがちで日に日に孤独感が増しています……。慣れない育児の疲労感もあって気分がふさぎ込み、産後うつかも? と思うようになりました」

新型コロナ禍の外出自粛により、産後うつに苦しむ人が急増しています。江戸川区在住のSさん(31歳)もそのひとり。育休中の銀行員で、本来は2021年春からの職場復帰を予定していましたが、子どもが待機児童になり復帰できませんでした。

自粛が続くコロナ禍では、「産後うつ」に悩む女性も増えているという(画像:写真AC)

「子どもは伝い歩きできるようになり、目が離せません。もちろんかわいいんですが、毎日家で育児ばかりに向き合っていると、同じ毎日の繰り返しでうんざりしてしまいます」

「だれかに相談できたらいいのですが、わざわざ友達に連絡して愚痴を話すのも気が引けて……。たまに連絡するのですが、つらくなるたび連絡するわけにもいきません。夫にも話しているのですが、夫が仕事を休むわけにもいきませんから……」

江戸川区は2020年4月時点で東京都で最も待機児童が多く、保育サービス利用率はわずか42%と過半数が待機児童です。次いで中央区、小平市、調布市、町田市と保育サービス利用率が半数程度の地区が数多く存在します(2021年02月13日配信「ARUHIマガジン」参照)。

これまでは公園や保育施設で同じ月齢の子どもを持つ親同士で軽く話すこともありましたが、コロナ禍でこうした機会も激減しました。ストレスがたまっても吐き出す場がないことが産後うつの引き金になっています。

24時間365日休みがない乳児の子育て

人は変化することにストレスを感じます。特に進学、転職、転居などの新生活に直面する4月は心が不安定になりやすく、その疲労感がたまって5月病になったり、梅雨の時期にうつになったりする人は少なくありません。

特に育児は24時間365日休みがなく、0歳期は夜泣きや頻繁な授乳で睡眠時間も削られます。赤ちゃんだって常に笑っているわけではなく、泣いたり怒ったりすることも多いため、産後の心身への負担は特に大きいです。

まずは家族と「育児」の共通認識を

東京は刺激的な街で、昼夜問わずたくさんの娯楽にあふれていますし、交流の幅も広げやすいです。

そんな東京で働いていたSさんが育児生活にシフトするだけでもかなりのギャップがあり、大きなストレスを感じるもの。さらにコロナ禍の自粛生活により、ストレス発散の場を失っています。

育児とコロナ自粛、突然の環境変化にストレスを抱え込む人も(画像:写真AC)

こうした育児うつに対処するには、だれかのサポートが欠かせません。まずは子育てのパートナーである夫とできる限り育児を分担し、ワンオペ育児を避けましょう。平日夜や休日など、夫が家にいるタイミングは育児を頼み、自分の時間を過ごしたり休んだりしてください。

ここで最大のハードルになるのが、

「夫は翌朝から出勤だから……」「自分は1日じゅう家にいるのに育児を頼むなんて……」

といった罪悪感です。

「言わなくても分かって」はNG

仕事と育児を同じように考えて天秤(てんびん)にかけるとそう捉えてしまいますが、自分でコントロールしやすく明確なゴールが見えている仕事と、子ども次第でコントロールできず24時間体制の育児では心身の負担が全く異なります。

また、こうした共通認識を家族同士で持つだけでも心が楽になります。

夫はあなたと同じ体験をしているわけではありませんから「何も言わなくてもわかってもらえる」は幻想です。「何がつらいのか」「どうしてつらいのか」「何をしてほしいのか」というように、自分の気持ちと願望を言葉にして伝え、理解してもらいましょう。

夫があなたを理解して共通認識を持てるようになれば、お互いにきちんと問題に向き合って対話でき、解決先を導き出せます。

孤独にならないよう、SOSを出して

何らかの理由で夫や家族に頼れない人もいるでしょう。また、産後うつが発症している場合は適切な対処が求められます。相談機関や医療機関を利用し、専門家のアドバイスを求めることも重要です。

相談機関や医療機関をうまく活用。オンラインでのケアを行っている病院も増えている(画像:写真AC)

産後うつだと自覚していない親も多いので、少しでも不安を感じたら地域の保健所や保健センターに相談したり、心療内科を受診したりして、心のケアをしましょう。

何にせよ「自分で何とかしよう」と思わないことです。責任感が強いほど自分が抱え込みやすく、うつになりやすい傾向があります。孤独は心の負担を重くするので、家族や社会とのつながりを持つのが自分のためであり、子どものためであり、家族のためです。

大人だろうが母親だろうが、人間は弱くて当然。健やかに生きるために、弱い自分を見せていいのです。

どうしても人に言う勇気が持てないなら、日記やブログに書き出すだけでも楽になります。自分の中でため込まないように、感情を言葉にして吐き出す場を設けてください。

感情を吐き出すことの効果

気持ちを表現して可視化するだけでもデトックス効果があり、心が軽くなります。文章化して心を整理しながら、少しずつ人に打ち明ける練習をしていきましょう。

日記やブログ、SNSで感情をはきだすことで心を整理する(画像:写真AC)

ツイッターなどSNSを活用して愚痴を吐き出すのもアリです。自分が一番楽な方法で気持ちを吐き出してください。

現在、オンラインでのケアを行っている病院も増えています。「そこまでしなくても大丈夫じゃないか」と自己過信したり「自分なんかが相談していいんだろうか」と自己卑下したりせず、SOSを出してください。

苦しいなら苦しいと言っていいのです。子どもにとっても、親の笑顔が一番の栄養です。健やかな育児をするために、まずは自分の健康を最優先にして、自分にやさしくしてくださいね。

※記事の内容は、個人のプライバシーに配慮し一部編集、加工しています。

秋カヲリ(ライター、心理カウンセラー)

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