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【インタビュー】『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』ノア・ジュプ&ミリセント・シモンズ“次はヴィランを演じたい”

  • 2021.6.18
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大ヒットホラー映画『クワイエット・プレイス』の続編『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』で主演を務めたノア・ジュプ&ミリセント・シモンズにフロントロウが単独でインタビュー。(フロントロウ編集部)

※この記事には、『クワイエット・プレイス』、『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』のネタバレが含まれます。

『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』ついに公開!

クワイエット・プレイス 破られた沈黙』は、2018年に公開されたホラー映画『クワイエット・プレイス』の続編。監督のジョン・クラシンスキーとエミリー・ブラントは、劇中で夫婦役を務めただけでなく、実生活でも夫婦。子役のミリセント・シモンズとノア・ジュプも1作目より続投した。

画像1: ©︎2021 Paramount Pictures. All rights reserved.
©︎2021 Paramount Pictures. All rights reserved.

5月28日より公開が始まったアメリカでは公開初日から3日間で約53億円(4,800万ドル)の興行収入を記録しており、新型コロナウイルスによるパンデミック後に公開された映画としては、最も高い数値となっている。

そんな本作より、耳の不自由な長女のミーガン役を務めたミリセントと、その弟であるマーカス役を務めたノアにフロントロウが単独取材。

ノア・ジュプ&ミリセント・シモンズ単独インタビュー

オンラインインタビューでは、まるで本物のきょうだいのような掛け合いを見せてくれたノアとミリセント。現在16歳のノアは天真爛漫に、現在18歳で役柄と同じく聴覚障がいをもつミリセントは手話を交えながら、自身の演技や今後の展望について語った。

画像2: ©︎2021 Paramount Pictures. All rights reserved.
©︎2021 Paramount Pictures. All rights reserved.

ご自身と演じた役で似ているところはありますか?また、違うところはありますか?

ノア「実はかなり怖がりいうか、僕にはちょっと臆病なところがあるんです。ホラー映画とか、見られないです。…って言うとかなり皮肉ですよね、自分がこうやってホラーに出てるので。正直この歳になってまだモンスターとかも結構怖かったりして。そのぐらい気が小さいところがあるので、そこはちょっと共通してるかなと思います。あと裏を返せば逆に、想像力が豊かすぎてついいつも影に何かいるんじゃないかとか、そういう変なことをいっぱい想像しちゃうんです。それで余計怖くなっちゃうっていう

違うところはマーカスみたいに死を受け入れる側じゃなくて、割と自分でルールを作っていくというか、結構型破り的な面もあったりして。こうしろと言われたら逆にそうしたくない、みたいな、ちょっとあまのじゃくなところもあったりするので、一定の規則みたいなのをあえて外側に飛び出てみる、新しい領域にちょっとチャレンジしてみたくなる、みたいな好奇心は、マーカスよりはあるんじゃないかなと思います。マーカスはやっぱりその非常に守りに入るというか、やっぱり安全を常に求めているところがあると思うので、そこがちょっと違うんじゃないかなっていう感じです」

ミリセント「ずばり一番の共通点はお互い耳が聞こえないということ。リーガンと私って、本当に鏡の裏表みたいな存在なんです、自分にとっては。なので、どちらかというと共通点の方が多いんです。例えば自分に厳しいところ。常にかなり自分に厳しくて、別に自分のせいじゃないのに、世の中の全て何か起きたら全部自分の責任、世界を背中に背負っちゃうみたいな。そういう責任感の強さってちょっと自分にもあったりして。前作で一番最初に弟が死んじゃって、彼女はずっとそれが自分のやっぱりせいだっていう罪悪感をずっと引きずってるんですよね。そういったように、自分もちょっとすごく深く考えすぎちゃって、自分を責めたりとか、すごく自分の評価が厳しいっていうところもある。

逆にあのリーガンから学びたいなって思うことは、勇気、勇敢さとか、大胆さとか。あとやっぱり、自分の耳が聞こえないっていう、欠陥というか弱点を逆に強さにする、自分のパワーに転換していくような、そういうところっていうのはやっぱりすごく素敵だなと思うし、自分もそうなりたいと思います。逆にこのキャラクターを自分が前作で演じるまで、自分がそういう視点に立てなかったんですよね。自分の耳が聞こえないことは、実は自分にとってアドバンテージなんだ、っていうようなものの見方ができなかったんですけれど、このキャラクターを演じることを通して、そういう見方ができるようになったっていうのはすごく自分にとっては大きなこと」

画像: ご自身と演じた役で似ているところはありますか?また、違うところはありますか?

ノアさんは「痛み」の演技をする時どんなことを考えていましたか?顔まで赤くなっていて、本当に痛そうでした。

ノア「痛い怖いとかいう感情を自分の中から引っ張り出そうとしたら、ミリーの顔見ればもう怖くて。ミリーの顔さえ隣にいてくれれば大丈夫だよ(笑)」

ミリセント「(怒ったふり)」

ノア「(笑)とっても面白い質問ですね。痛みの演技とかってあんまりピンポイントで聞かれることってないんですけど、痛みの記憶とか、痛い演技をするために、自分の中からどんな感情を引き出せばいいのかとかって、それってすごくやっぱり興味深いですよね。実際、もちろん怪我はしてないし痛くはないわけですから、現場では…さっきの質問でも言いましたけど、とにかく自分はすごく想像力が豊かなので、かなりの想像力で、例えばその自分が今回は足ですけど、痛い箇所に全神経を集中するんですね。そうすると、本当に不思議なことに本当に痛くなってくるんですよ。もちろん今まで怪我してきた思い出を思い返すっていうのもありましたけど、あの演技で特に自分がすごく誇らしい、というか気に入ってるのは…、強い痛みって一瞬置いてから来るじゃないですか。トラバサミにはまって、実際どのぐらいの怪我をしたのか見るまでって逆にちょっとショック状態というか、一瞬間が空くと思うんですよ、人って。それから実際何が起きたかって頭で把握したときに、一気に痛みが湧いてくるっていう感じ。それを自分で演技で出したつもりです。最初はショックで、ぱっと見て、我に返ってウワーっと叫ぶ。でもただ正直、あのシーンは大変でした。撮影もかなり何テイクも撮って、もうあの日はぐったりで夜ぐっすり眠れたのをすごく覚えてますね」

画像: ノアさんは「痛み」の演技をする時どんなことを考えていましたか?顔まで赤くなっていて、本当に痛そうでした。

ミリセントさん。あなたは勇敢な役でしたが、参考にした演技はありますか?どんなキャラクターに見られたいと思いながら演技しましたか?

ミリセント「マララさん(※1)のような、どん底の悲劇の中から立ち直って自分が社会に影響を与えるような存在になろうと思っていました。イスラムの女性が学校教育の機会を封じられているということに抵抗する活動をしているのですが、あの事件(※2)があった後、また彼女は学校に行ったんです。そんな勇気というか、その信念というか、すごいなと本当に思います。彼女の、悲劇を通してさらに自分を強くして、何か大きな葛藤を克服していく、乗り越えていく力はやっぱり素晴らしいと思うし、もちろんお手本にしました。今回の続編において重なる部分は、本当に尊敬していて頼っていた父親が死に、母親が赤ちゃんを抱えて大変で、弟は弟で…みたいなのがいろいろあって、自分がいわゆる家長になってこの家族を支えて引っ張っていくしかないんだ、もう他に選択肢がないから自分でやるしかないんだ、自分がこの立場にならなきゃいけないんだという、信念でした。特に、彼女は自分が問題解決への鍵を握っている、それが私にしかできないと信じてるので、そこに向かって、突き進んでいく。絶対勝たなきゃ人類に未来はないと信じて進む。そういった確固たる信念のもとにものすごく勇気がいる行動をしていくと。そういうところを見本にしたので、そういうキャラクターであればいいなと思います」

※1:2014年に最年少でノーベル平和賞を受賞したマララ・ユスフザイ。フェミニストで、人権運動家。
※2:2012年、マララは女子が教育を受けることを認めないイスラム主義組織タリバンが学校などを破壊していることを英BBCのブログに投稿した。その結果タリバンに目をつけられ、スクールバスでの帰宅中に頭部を銃で撃たれ、重傷を負った。その後イギリスに搬送されたマララは、数日間生死を彷徨った果てに奇跡的に回復。

画像3: ©︎2021 Paramount Pictures. All rights reserved.
©︎2021 Paramount Pictures. All rights reserved.

今後の展望を教えてください。出たいジャンルや予定はありますか?

ミリセント「全く今回のキャラクターとか本来の自分自身とかけ離れた役っていうのをやってみたい。すごくアンチヒーローというか、むしろちょっとヴィラン的な悪役をやりたいなって思ってます。あと何か、まさかこの役をミリセントがやるんだ、みたいなそういう予想を裏切るような役っていうのをこれからやってみたい。とても楽しい体験になるんじゃないかな自分的にはと思って」

ノア「もう今まさにそれ自分も言おうと思ってたのに…取られちゃったよ!僕も全くその通りで、かなり邪悪なダークな闇の部分を心に抱えた悪い奴って、1回ちょっとやってみたいなと思ってる。これの続編でもいいし、また他の映画の企画でもいいから、ミリーとすごい邪悪な双子みたいな役でもいいんじゃないかな。何かそういう人の心の闇みたいなものにもすごく興味があるし、やっぱりそれをどう演じられるかなっていうふうには考えています」

日本の視聴者に向け、最後メッセージをお願いします

ノア「1作目が好きだったら、間違いなくこの続編を気に入ってくれると思う。もちろん1作目があれだけ成功した要因である、みんなが気に入ってくれたであろう要素っていうのが、もちろんそのまま詰まっているし、スタッフももちろん、クラシンスキー監督も含め、同じスタッフと同じキャストでやってるという結束感みたいなのも伝わると思うし、それが下敷きにあった上でさらにみんなの予想をはるかに超える世界をどんどん広げていくというか、より拡大した世界観を楽しんでもらえると思う。

実はミリセントといっつも1作目と2作目どっちが好きって話をよくするんですが、何回話しても結論が出なくて、やっぱりどっちも好きってなっちゃうんです。1作目も2作目も、僕たちでさえ甲乙つけがたいという感じで。1作目を見たことがなくても、単体でも楽しめるけれども、前作を見ていたら楽しみ倍増という感じなので、ぜひ日本のファンにも楽しんでほしいと思っています」

ミリセント「単純にバケツいっぱいのポップコーンと飲み物を用意して、とにかくシートにしっかりつかまって観てください。もう1作目より遥かにびっくりと怖いのとが増してますし、多分、ストーリー展開的にもうサプライズがいっぱい待っていて、みんなが先が読めない展開みたいなってるので、ハラハラドキドキのずっと連続になると思います。もし家族で見に行く場合は、家族とバラバラにならないようなるべく一緒に座って、みんなお互い見張っていて」

ノア「ポップコーン食べるのはいいけどあんまり大きい音立てないようにしてね、モンスターがきちゃうよ!」

映画『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』は、6月18日より日本公開。(フロントロウ編集部)

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