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SDGs教育を通して日本の教育変革を目指す【SDGs×起業家】

  • 2021.6.16
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幅広い世代へのSDGs教育を行う「World Road」の共同代表、平原依文(いぶん)さん。教育を通して彼女が実現したい社会とは?

WORLD ROAD

エシカル、サステナブル、CSRなど、「社会貢献」がキーワードとなっている今、日本でもSDGsに取り組む企業や、社会課題を解決する仕事をしたいと考える若者が多くなってきている。しかし、まだまだ「SDGsに取り組む=ボランティア」と認識している人や、SDGsを自分たちの日常と切り離して考えている人が多いことも事実。

そのように遠い存在と思われがちなSDGsをより身近に感じてもらうために、平原さんが共同代表を務める「World Road」では、教育を軸に二つの事業を行っている。まず一つが、企業・自治体向けのコンサルティングと研修事業だ。

「多くの企業や自治体がSDGsに取り組んでいるものの、形だけとなっていることがあります。そこで私たちは、企業のサステナビリティ推進部や地方自治体に向けて、SDGs関連の研修を実施したりマーケティング施策を考えたりしています」

もう一つは教育機関に向けた、カリキュラム作りや子供たちにSDGsを伝える授業の提案だという。

「今の日本の学校教育は、自分自身や社会について考えるのではなく、受験や就職を目的とした場所になってしまい、本当にやりたいことを見つけられない子供が多いのではないかと思います。形だけではなく、実例やロールモデルを通じて人生の本質を学べる教育が大切だと考え、活動しています」

WORLD ROAD

幅広い世代に向けてSDGs教育を行っている「World Road」。その強みは世界中の次世代リーダーとのネットワークだと平原さんは語る。

「私と共同代表の市川は、『World Road』の事業の他に、次世代リーダーが参加する世界最大の国際会議『One Young World (OYW)』の日本代表も務めています。国際活動を通して、SDGsをはじめとする社会課題に対して同じ関心や違和感をもつ世界中のミレニアルズとつながることができました。このネットワークが、いま私たちが注力しているSDGs教育の可能性を広げてくれています」

WORLD ROAD

SDGsを通して日本の教育変革を目指す平原さん。彼女がこれほどまでに教育に対して熱い想いをもつようになったきっかけは、4カ国での留学経験だそう。小学1年生のとき出会った中国人の同級生の精神的な強さに感銘を受け、思い立って翌年に単身で中国に留学。それ以来、カナダ、メキシコ、スペインなど、学生時代のほとんどを海外で過ごしてきた。各国での経験が平原さんの現在の活動に繋がっているというが、特に高校生のときのカナダ留学が、彼女の考える教育のあり方や人生の価値観に大きく影響している。

「カナダの学校では、高校卒業後の進路についてスピーチするライフプランニングという授業がありました。当時の私は、高校卒業後はみんな大学に進学するものだと思っていたので、周りの学生たちが皆、『動物が好きだから愛護団体に入りたい』『がんを研究するNPOに入りたい』など、違う夢をもっていると知り、大学進学を当たり前だと思っていた自分が恥ずかしくなりました。同時に、自分のなかで将来の選択肢が広がった気持ちにもなれました」

一方で日本にいる友人とメールで会話していると、みんな受験勉強に追われ、学校以外にも高額な費用を払って塾通い。

「『学校って一体何のためにあるんだろう?』と日本の教育制度に対して疑問を抱きました。もしライフプランニングのような授業が日本にもあれば、教育制度や就職活動、生き方や働き方がもっとよい方向に変わってくるのではないか。日本の教育を変えたいという想いが芽生えたことが、『World Road』 の立ち上げに繋がっています」

Klaus Vedfelt

企業向けにSDGsを軸にした戦略づくりのアドバイスを行う平原さん。社会貢献をビジネスとして成立させるポイントについてこう語る。

「新しい商品・サービス生み出すことを考えるだけでは、形だけSDGsっぽいことをしている『グリーンウォッシュ』のような状態になってしまい、根本的な課題は解決しません。それよりも、『自分たちの存在意義ってなんだろう?』と一度考え直してみることが大事。どの企業も『こんなサービスがあったらいいな』とか、『こんな困りごとあるだろうな』という想いが原点にあると思います。それを振り返ってもらうことで、ビジネスのあり方を再定義したり、パートナーシップで活動内容を変えたりすることができます」

WORLD ROAD

会社のミッションでもある「地球をひとつの学校にする」が、自分のミッションでもあると答える平原さん。そんな想いで企画した書籍『WE HAVE A DREAM 201カ国202人の夢×SDGs』を6月に出版。本書は世界201ヵ国で社会に貢献しようと活動する202人の夢を一冊にまとめている。

平原さんは、「SDGsが社会とどのように繋がっているか」を子供たちに知ってもらうために、この本をすべての日本の教育機関に配布し、教材として使用してもらうことが第一歩だという。そして、将来は共著者202名が住む国々の学校にも配布し、いつでもどこでも子供たちが「夢×SDGs」を軸に繋がり、学びあえるデジタルプラットフォームを立ち上げることも、平原さんの今後の目標だ。

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『WE HAVE A DREAM 201カ国202人の夢×SDGs 』/¥2,600

発売日:2021年6月2日(水)発行 :いろは出版株式会社/https://hello-iroha.com

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