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和氣あず未が発表する「無限ループに聴けるシングル」の秘密

  • 2021.6.15
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【音楽通信】第80回目に登場するのは、話題作『ウマ娘 プリティーダービー』など数多くのTVアニメやゲームなどに出演し、第15回「声優アワード」で「新人女優賞」を受賞した、和氣あず未さん!

TVアニメの影響で音楽を聴き、声優の道へ

【音楽通信】vol. 80

2015年にゲーム『アイドルマスター シンデレラガールズ』の片桐早苗役で声優デビューした、和氣あず未さん。話題作『ウマ娘 プリティーダービー』のスペシャルウィーク役の声を務めるなど、数多くのTVアニメ、ゲーム、ラジオに出演し、第15回「声優アワード」で「新人女優賞」を受賞しました。

音楽活動としては、2020年1月に1stシングル「ふわっと/シトラス」でアーティストとしてデビュー。そんな和氣さんが、2021年6月16日に4枚目のシングル「Viewtiful Days!/記憶に恋をした」をリリースされるということで、お話をうかがいました。

――音楽にふれたきっかけや、影響を受けたアーティストから教えてください。

小学生の頃はあまり音楽を意識しなかったのですが、中学生ぐらいから、ポルノグラフィティさんやL’Arc〜en〜Cielさんがすごく好きになりました。それは当時よく観ていたTVアニメ『鋼の錬金術師』のオープニングテーマを担当されていて、その影響でアーティストのことを知って、音楽も聴くようになりました。

とくに男性アーティストの曲を聴く機会が多かったので、カラオケに行っても、男性ボーカルの曲をよく歌っていたんですが、自分の声に男性の歌が合わなくて、歌うのは難しいと思っていました。その頃、ちょうどニコニコ動画が流行っていて、ボーカロイドの曲も聴くようになって。それからはカラオケでも、男性ボーカル以外のアニメソングやボーカロイドの曲を歌うようになっていきましたね。

――2015年に声優デビューされましたが、目指したきっかけはなんですか。

声優を目指したのも『鋼の錬金術師』の影響です。それまでもアニメは観ていたんですが、声優という存在を知らなくて、ちゃんと認識できたのがこのアニメでした。『鋼の錬金術師』の声優さんがアフレコする映像を観て、すごく衝撃を受けて「かっこいいなあ」と思って。中学2年生ぐらいから「声優をやってみたい」と、自分でもマイクを買って声を録音したりしていました。

――2021年3月には、第15回「声優アワード」で「新人女優賞」を受賞されましたね。2020年度にもっとも活躍した声優を称えるという賞ですが、受賞していかがですか。

私の学生時代からずっと続いている賞で、受賞者はとても活躍されている方ばかりですごいなあと思っていたので、まさか私が受賞できるとは思いませんでした。「新人女優賞」をいただけると聞いて「私でいいんですか?」とマネージャーさんに言ったぐらい(笑)。今回を逃したらめったにもらえない賞ですし、新人でいられるのも短い期間しかないので、受賞できて光栄です。

――2020年1月には、アーティストとしてもデビューしましたね。

お声がけをいただいて、アーティストデビューさせていただきましたが、声優人生のなかでまさかこんな日がくると思っていませんでした。もともと小さい頃から歌は好きなんですが、人前で歌うことがすごく苦手なんです。ひとりでこっそり歌ったり、ひとりで行くカラオケは大好きなんですが、友達と一緒に行くのは苦手で、もし一緒に行っても「私は歌わないから」と逃げて(笑)。

声優デビューしてからは、キャラクターとして歌うことは多かったのですが、最初は苦手意識がありました。でも「歌っているのは自分じゃなくてキャラクターだ」と思うと、お芝居と一緒だなと。そう思えば、歌うのも楽しいと思えてきて、そんなときにアーティストデビューのお話をいただきました。キャラクターではなく、自分自身として歌うのはすごく大変なことですが、最初の頃は夢のような感じでしたね。

――ご自身から発する歌ですものね。

そうなんです。自分で歌うってなんだろう、誰かのまねになったらだめだし、難しいなと。最初は悩んでいたんですが、いまはすでに26曲も歌わせていただくようになって。音楽活動をしているうちに、なんとなく自分の歌はこうなのかなと、やりやすい歌い方がつかめてきました。いまもレコーディングでは良い緊張感はありますが、だんだんと落ち着いてきて、自分の歌を歌えるようになりましたね。

いまの日常をテーマにしたシングルをリリース

――2021年6月16日に、4枚目のシングル「Viewtiful Days!/記憶に恋をした」をリリースされます。アップテンポな「Viewtiful Days!」は4月から放送中のTV アニメ『スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました』(TOKYO MX・BS11ほか 毎週土曜22:00/Abema TVほかでも配信中)のエンディングテーマですね。

実は、レコーディングしたのが1年ほど前だったんですが、そのときから『スライム倒して300年』のエンディングテーマになることは決まっていたんです。何曲かほかにも候補があって、アニメに合う曲をたくさん聴き比べました。アニメは、主人公のアズサちゃんが、働き過ぎが原因で過労死した前世から、不老不死の魔女として異世界に転生して、辺境の高原でのんびりスローライフを始めるというお話です。

登場するキャラクターはほぼ女性で、ほのぼのとスローライフを楽しむ内容のアニメなので「ハッピーに終わりたい」ということで、この明るい「Viewtiful Days!」を聴いたときに、ピッタリだと思ってこの曲に決めたんです。

「いっせーのせ!!」というフレーズがあるんですが、聴いたあとに印象に残りやすくて、タイアップにもふさわしいと思いました。初めてアニメがオンエアされて、エンディングまで観てくださった方が、この曲は「心に残りやすい」と言ってくださって、うれしかったですね。

――『スライム倒して300年』では、フラットルテ役として声優も務めていらっしゃいますが、どんなキャラクターでしょうか。

フラットルテちゃんは、もともとブルードラゴンの女の子で、人間の姿になることもできるというキャラクターです。スライムを倒して強い魔女になったアズサちゃんのまわりに、フラットルテちゃんも含めて、たくさんの人が集まります。フラットルテちゃんは、頭で考えるよりも先に行動してしまう、突っ走りがちでおもしろい、かわいい子ですね。

――2曲目「2030」は、「口元隠して恋をするなんて 新しい世界だね」という歌詞がありますが、コロナ禍での出会いや恋のことを描いているのでしょうか。

まさにいまの状況だからこそ、できた曲です。これまでマスクをしながら恋をする機会なんてなかったと思うのですが、いまはそういう時期になって。シングルの全体のテーマが「日常」なので、いまの日常というとマスクをしていることでもあるので、「2030」にその様子を入れさせていただきました。

コロナ禍というとマイナスなイメージが多いですが、この曲の主人公はいまをポジティブにとらえていて、好きな人に会えない状況だけれど、会えないからこそこの時期にもっと君好みの女性になれるといいなという、恋愛をポジティブに楽しむ歌詞になっていて。いま同じような状況にいる女の子たちにも、共感してもらえるところがたくさんあるのではないかなと思っています。

――続いて、3曲目「記憶に恋をした」は、センチメンタルな失恋ソングのようですね。

「Viewtiful Days!」とともに両A面となる「記憶に恋をした」ですが、切なくてキュンキュンする曲になっています。もともと恋愛ソングが大好きなので、これまでも恋愛系の曲が多く、この曲もそのひとつです。主人公の女の子は、ふいに昔好きだった男の子のことを思い出して切なくなってしまうんですが、この歌詞では失恋して離れ離れになったのか、好きだった男の子と一生会えない状況になったのか、結末は聴く方の想像次第で変わっていくのかなと。

彼のことが好きだった気持ちをずっと忘れていないものの、「待ち合わせした駅は 今はもうないけれど」という歌詞もあり、時間経過を感じさせる部分もあって。これは小説のようにひとつのフレーズが長くて、物語を読んでいるような歌詞になっています。

――4曲目「hopeless」は、他の3曲と少しテイストが違って、後ろ向きな気持ちを歌っています。

全体のテーマが日常ということで、最初の1、2曲は楽しく日常を過ごしていて、3曲目で少し切なかったり過去のことを思い出したりする様子を描いています。この4曲目は、コロナ禍で暗い気持ちになった方もいると思うのですが、そういうところをあえて外さずにネガティブに表現しています。だから、最初から聴いていくと幸せなんですが、だんだん暗くなっていくかもしれないので、そうなったらまた最初から聴いていただくと明るい気持ちになるので、無限ループに聴けるシングルに仕上がっています(笑)。

――今年の7月18日には、東京・中野サンプラザで「1st LIVE -超革命的恋する音楽会-」と題したコンサートが、有観客で開催されますね。

中野サンプラザは、友達のライブで行ったこともなく、自分自身のライブ会場としても初めての場所なんです。有名な会場で開催できるのはうれしいですが、緊張しますね。バンドメンバーの方がいらっしゃるので、きっとかっこいいライブになると思います。タイトルの「1st LIVE -超革命的恋する音楽会-」は、今年の2月にリリースした1stアルバムの『超革命的恋する日常』から取ったタイトルなので、ライブでも恋愛の歌が多くなってキュンキュンできることがたくさんあるかなと、ライブを楽しみにしています。

「応援してもらえるアーティストになりたい」

――「Viewtiful Days!」のミュージックビデオでは、部屋でお料理したり運動したりしていますが、和氣さんご自身も、おうちではあんなふうに過ごしているのですか。

全然していないです(笑)。あのミュージックビデオは、監督さんが「和氣さんが普段やっていそうなことをやろう」とおっしゃって、ガーデニングやヨガなど家でできるいろいろなことを集めて撮影してくださっていますが、実際の私はガーデニングもできないしヨガも料理もできないんです(笑)。いつものミュージックビデオでは、けっこうポーズなどをきっちりと決めて撮っていたんですが、今回は、作っていない不器用な私の姿が見られるんじゃないかなと。あれは、ほぼ素の私ですね。

――ということは、実際に、おうちではどう過ごしているんですか?

ミニチュアダックスを2匹飼っているので、ワンちゃんと遊んでいるのと、ゲームをして過ごしています。私が幼稚園の頃から、実家ではワンちゃんを7匹飼っていたので、ワンちゃんといると幸せ。住んでいるマンションでは共有部分だけ、ペットの足を床につけてはいけないので、お散歩するときはペット用のベビーカーに玄関でワンちゃんを乗せて、そのまま外出していて。まるで自分の子どもができたような気分になります(笑)。

――かわいいですね(笑)。ゲームは、どんな内容のものをやっているんですか。

最近は『バイオハザード』をやったり、友達と通話しながら、オンラインゲームをしたりします。私はもともと外に出るのがあまり好きではないので、いまの外出自粛生活はまったく苦ではないんですが、友達と話す機会は減っているので、オンラインでいろいろとできるのは便利ですね。

――和氣さんは占いもお好きだとうかがっていますが、最近占いはしましたか。

「LINEトーク占い」をやりました。実際にその場で、LINEのトーク機能を使って、占い師の先生と会話しながら占ってもらえるんです。私が占ってもらった明占先生は、顔文字を使ったりする優しい先生で、友達とLINEをしている感覚で、仕事、恋愛、健康と、なんでも鑑定してくれました。

鑑定時間が終わりになったときに、最後に「ありがとうございました」と送ったら、最後の最後まで「どの色のクマさんが一番いいと思いましたか?」と、選んだクマによって結果が違うという方法でも占ってくださって。アフターケアまでしっかりしていました。

――そのときの基本的な占いの種類は、西洋占術ですか、東洋占術でしたか?

西洋占星術を使って生年月日で占ってもらいましたね。すごく面白かったですよ。おうちにいて気軽にできる占いだったので、楽しくて、また「LINEトーク占い」で占ってもらいたいなと思いました。

――以前、アニメ『鬼滅の刃』の竈門禰豆子役で知られる声優の鬼頭明里さんがこの「音楽通信」の取材で、「すごく仲良い友達の和氣あず未さんといつか一緒にコラボレーションして歌ってみたい」「一緒のステージにも立ってみたい」とお話しされていました。鬼頭さんとは、仲良しなんですね。

悩みを聞いてもらったり、聞いたりする、昔からの友達という感じです。ふたりでおしゃべりもするし、ゲームもするし、でも、とくに何もしないこともありますし(笑)。ただ一緒にいるだけで、何もしなくても、心地いい関係。変に気を遣わなくていい、家族みたいな存在ですね。

鬼頭明里にも「カラオケ行こうよ」と誘われるんですが、「絶対に行かない」と断っていて(笑)。彼女が「和氣あず未は仕事でしか歌ってくれないから、ライブとか仕事で一緒になったら歌ってよね」と言われていますので、いつか一緒にステージに立つことがあったら、お仕事だったら一緒に歌えると思います(笑)。

――最後に、今後の音楽活動での抱負をお聞かせください

音楽は、すでにアルバム1枚とシングル4枚を出させていただいています。いままでリリースイベントやオンラインライブは経験がありますが、7月の公演では、実際にステージに立ち人前で歌うので、いまから緊張していて。本人が緊張していると、観ている方も不安な気持ちになるかもしれないので、お客さんにはそういう緊張などは一切なく、ぜひライブを楽しんでいただきたいんです。そうなれるように頑張りますし、応援してもらえるようなアーティストになっていきたいですね。

取材後記

声優としてはもちろん、アーティストとしても活躍されている、和氣あず未さん。ananwebの撮影では、シングルのジャケット写真でも着用されているさわやかな白い衣装で登場され、プリンセスのようで、とてもチャーミングでした。インタビューも、にこやかにハキハキと応えてくれたのが印象に残っています。そんな和氣さんのニューシングルをみなさんも、ぜひチェックしてみてくださいね。

写真・山本嵩 取材、文・かわむらあみり

和氣あず未 PROFILE
9月8日生まれ。東京都出身。
2015年、ゲーム「アイドルマスター シンデレラガールズ」の片桐早苗役で声優デビュー。これまでに「おしえて!ギャル子ちゃん」主役ギャル子役、「ウマ娘 プリティーダービー Season 1」主役スペシャルウィーク役、「東京リベンジャーズ」橘日向役などTVアニメ、ゲーム、ラジオ、音楽活動とさまざまな分野で活躍中。

音楽活動としては、2020年1月に1stシングル「ふわっと/シトラス」でアーティストとしてデビュー。2021年6月16日、4枚目のシングル「Viewtiful Days!/記憶に恋をした」をリリース。7月18日、東京・中野サンプラザで「1st LIVE -超革命的恋する音楽会-」公演を開催する。

Information

New Release
「Viewtiful Days!/記憶に恋をした」

(収録曲)
01. Viewtiful Days!
02. 2030
03. 記憶に恋をした
04. hopeless
05. Viewtiful Days!(Instrumental)
06. 2030(Instrumental)
07. 記憶に恋をした(Instrumental)
08. hopeless(Instrumental)

2021年6月16日発売
*収録曲は全形態共通。
(通常盤)
COCC-17881(CD)
¥1,650

(初回限定盤)
COZC-1751-2(CD+DVD)
¥2,200

写真・山本嵩 取材、文・かわむらあみり

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