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買い方に変化が!プロが語るコロナ後のファッショントレンド

  • 2021.6.13
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新型コロナウイルスのパンデミックによって、1年以上にわたって外出を制限され、大半の時間を自宅で過ごした私たち。

ゴワゴワするデニムをウエスト部分がゴムになった着やすいパンツに変え、ヒールを室内用のスリッパに変えた――そんな私たちが、“本物の服(少なくとも、快適さを前面に押し出たものではない服)”を着たいと思う日は、再びやってくるのでしょうか?

服装心理学者のシャケイラ・フォーブス=ベル氏によると、その答えは「イエス」。しかし、私たちのファッションに対するアプローチは「コロナ前と同じではなくなる」という。

実際のところ、パンデミック後のファッションは私たちにとって、どのようなものになると考えられるのでしょうか?

脳の働きとファッション

フォーブス=ベル氏は「パンデミックは、衣類との向き合い方に変化をもたらしました」と指摘。ロックダウンによってほとんど外出できなくなった私たちは、社会的なフィードバックを得ることがなくなり、その美的価値や見た目よりも、自分自身の気分に与える影響を重視するようになったという。つまり、着心地が重要だということ。

「私たちは、衣類が認知処理と全般的なウェルビーイングを保つためのツールになりうることを理解しました。着るものが身体的・精神的に快適なものであることは、今後も引き続き、重要視されるでしょう」

フォーブス=ベル氏によると、衣類と私たちの関係が「突き詰めれば、楽しいものである」ということは、これまでの研究で明らかになっているそう。それは、服が私たちに、「今こうありたい」自分と、「将来こうなりたい」または「将来そうなりそう」な自分の「3つのタイプの自分」の間を行き来する力を与えてくれるからだという。

ただし、服が私たちに及ぼす影響はそれだけではありません。私たちが選ぶ服は、「他人が私たちをどう認識するか」、その結果として彼らが「私たちにどう接するか」に影響を与えるそう。

そしてこれらは、私たちが「自分自身、そして自分の能力をどうとらえるか」、さらには「どう行動するか」も左右するとのこと。

フォーブス=ベル氏は、「こうしたことのすべてに、脳の様々な部分で処理される、いくつもの精神機能が関わっています」と説明。

ショッピングの未来

パンデミックの結果、起きる可能性が非常に高いとされているのが、「リベンジ買い」。つまり、私たちは買い物を「解放された」証しととらえ、失った時間を取り戻すためにショッピングをすると考えられるという。

そして、その買い物の仕方についてフォーブス=ベル氏は、「ハイブリッドになる」との見方を示しています。

「オンラインショッピングの手軽さが好まれることは、今後も変わらないでしょう。ですが、私たちに深く根付いた社会的交流を求める気持ちが、実店舗の売り上げを後押しすることにもなると考えられます」

ただし、再び消費が増えることは、必ずしも私たちがむやみに買い物をするようになるということではないという。

「パンデミックは、トレンドが生まれる形にも変化をもたらしました。これまでの『トリクルダウン』から、『トリクルアップ』に変わったのです」

※「トリクルダウン」は「したたり落ちる」の意味。基本的には、富める者が富めば、それが社会全体に広がり、すべての人に富が浸透するという考え方。

「消費者はファッション(ショー)のシーズン(やトレンド)に大きく左右されるのではなく、SNSを通じて得た情報からインスピレーションを得て、自宅の近くで買い物をするようになっています」
「そうした『マインドフル』な買い物をするようになることで、私たちは、オンラインでもオフラインでも、ストレス買いの罠を避け、本当に価値があると思えるものを購入できるようになります」

今後のトレンドは?

フォーブス=ベル氏は心理学の学説を応用し、私たちの衣類との関わり方(デザインやスタイリング、買うこと、売ること、など)を分析することで、ブランド各社が今後のトレンドについて見通しを立てることに協力しています。

彼女によれば、私たちのワードローブに欠かせないものとなった快適なアイテムが、すぐに手放されることはないと考えられるそう。「より高められた部屋着が仕事着の中心となり、また仕事用の服は、以前に比べさらに機能的なものになるでしょう」と彼女は言います。

さらに、シューズも服と同様に、スニーカーやエスパドリーユ、スリングバック、ローファーといったより「快適な」ものが多くの人たちに支持されることに。

状況が落ち着くと、適度な高さのヒールがトレンドとなり、ハイヒールは最前線から少し遠ざかることになると考えられるという。

また、あまり大きな驚きでもないが、ワードローブに遊び心をプラスしてくれるアクセサリーは今後もよく売れるとのこと。

フォーブス=ベル氏は、「世界的に見ても、消費者は、ノスタルジックなスタイルの普及とファッションサイクルの短縮化を象徴するような、2000年代初期のムードを持つジュエリーやペンダントを求めています」と話しています。

実際、この分析のとおりのアイテムを買ったり、同様の買い方を検討しているという人も、少なくないはず?

※この翻訳は抄訳です。

Translation:Hearst Contents Hub

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