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2年越しの不運に見舞われた『るろ剣』 「有終の美」を飾れるかは海外マーケット次第?

  • 2021.6.11
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『るろうに剣心 最終章 The Beginning』(c)和月伸宏/ 集英社 (c)2020 映画「るろうに剣心 最終章 The Beginning」製作委員会

先週末の動員ランキングは、6月4日(金)に公開された『るろうに剣心 最終章 The Beginning』が土日2日間で動員24万7600人、興収3億6300万円をあげて初登場1位となった。初日から3日間の累計成績は動員35万199人、興収5億807万2400円。ちなみに4月23日(金)に公開された前作『るろうに剣心 最終章 The Final』のオープニング3日間の成績は動員51万5708人、興収7億4733万6700円。前回の『The Final』は公開3日目の日曜日から緊急事態宣言に突入するという、「駆け込み需要」と「(東京や大阪で)失われた日曜日」という二つの要因が重なったあまりにも特殊な状況だったので単純な比較は難しいが、東京や大阪で映画館への休業要請が明けたばかりの先週末に公開された今回の『The Beginning』は、そこから約32%ダウンという、実はかなり厳しいスタートとなっている。

2014年に公開された『るろうに剣心 京都大火編/伝説の最期編』以来、7年ぶり(予定通り公開されていれば6年ぶりだったわけだが)、2回目の連作公開となった今回の『るろうに剣心 最終章』の2作品は、『Final』『Beginning』というサブタイトルの順番からもわかるように、前回の連作とは違って時系列がリニアではなく、それぞれが補完関係にある作品となっていて、それぞれの作風も大きく異なっている。それだけに、二つの作品の公開時期が大きく開いてしまうことを回避する必要と、特に原作やアニメ版を知らない観客に対して作品のコンセプトを周知させるための精力的なプロモーションをする必要があったわけだが、昨年はパンデミックによる公開延期、今年は緊急事態宣言下における各自治体の独自措置によって、散々振り回されてきたわけだ。

そんな逆境の中、先週末は『The Beginning』に次いで2位につけている『The Final』は、6月6日(日)までの45日間で動員245万6744人、興収34億5181万9800円を記録。7年前の『京都大火編』の最終興収52.2億円、『伝説の最期編』の最終興収43.5億円(連作の常で、前回も2作目では約17%ダウンしている)という数字は今回の連作における一つの現実的な目標であったはずだが、そこに届くのはかなり難しい状況となっている。

これをフランチャイズの疲弊、あるいは作品のパワーダウン(個人的には『京都大火編』で刻んだピークをその後の作品は超えていないという評価だ)と見做すかどうかは、緊急事態宣言や休業要請という別のファクターによって、永遠に結論の出ない問いとなってしまった。もっとも、実は『るろうの剣心』は日本のコミック原作の実写化作品としては稀なことに、海外(特にアジア)の興行でもこれまでかなりの好成績を残してきたシリーズ。最終的な成功や失敗について語るのは、海外マーケットにおける結果を待つ必要があるだろう。(宇野維正)

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